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昨年の秋以降、何度か上京した。
その余韻で、かつて東京で慣れ親しんでいた音楽をYouTubeやApple Musicで探し出して聴いている。
当時、2000年頃は今のようなインターネット上の動画配信やサブスクも存在しておらず、音楽メディアはラジオやCDが主流だった。
その頃の私も、音楽の情報収集は「FMラジオで音楽番組をチェックする」もしくは「実店舗に足を運んで好みの楽曲を見つけ出す」というアナログなやり方だった。
下北沢にある行きつけのCDショップに足繁く通い、試聴して気に入ったものを買うか、もしくは衝動的にイチかバチか?! 直観まかせで’ジャケ買い’することもあった。
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ベベウ・ジルベルト(Bebel Gilberto)。
ブラジル出身ボサノヴァ系シンガー。
上京時代の終盤、32歳くらいの頃に出会った。
普段縁のない'ボサノヴァ'など自ら手を伸ばして買ったのは、後にも先にもこの時だけなのだが、どういういきさつで彼女にたどり着いたのか、覚えていない。
たまたま店頭で見かけてジャケットデザインに惹かれ試聴して買ったのか。
それとも、雑貨や洋服を探しに外出した際、どこかの店内でBGMとして流れていたのに聴き惚れて探り当てたのか。
きっかけはともかく、一時期めちゃくちゃハマって毎日ヘビロテしていた。
歌詞は何語だろう。ボサノヴァはブラジルが本場だからポルトガル語?途中で英語も混じっている。
ボーカルはややハスキーで低音寄りのウィスパーボイス。
ユルっとした透明感とシフォン布生地のようなフワッとした柔らかさがあいまって、とてつもなく心地よい。
まるで気だるい昼下がりに、まどろみながらノスタルジックな外国映画を観ているようだ。
特にお気に入りだったのが、アルバム Tanto Tempo の収録曲 August Day Song。
ボサノバボサノバしてない曲調がいい。
(ボサノヴァ、という表記に振り切れない自分がいる‥‥ボサノバか、ボサノヴァか、「バ」にすべきか「ヴァ」にすべきか悩ましい。笑)
オリジナルバージョンがこちら。(4分37秒)
このナンバーは、オリジナルバージョンの他に複数のアレンジバージョンがある。
初めて買ったアルバム tantotemporemixes で聴いたのが、アレンジの方だった。
中でも、King Britt Remix バージョン。主旋律の後方で刻む骨太なリズムが、とにかくカッコいい。
そのアレンジバージョンAugust Day Song(King Britt Remix)がこちら。(4分8秒)
両方とも聴く度に、当時の私生活や、働いていたバイト先での人間関係をありありと思い出す。
30代はじめに感受していた心象風景がオーバーラップし、甘やかで切なく心が揺れ動いていた日々が甦る。
note内でどなたかこのナンバー August Day Song を取り上げていないか?と検索したら…
出てきた! しぐれんさんという方のnoteに。
しかも、私の大好きなアレンジバージョン King Britt Remix ではないか。
マニアックにヒットして感涙(´⊙ω⊙`)…嬉しい。
ベベウについて詳説されている。
Spotify でも聴けるみたいだ。
こちらの記事。
一昨日あたりから、Apple Musicでリピートしっ放しだ。
20年の時を超えて、ちょうど今の気分にピタっとはまっている。
ずっと歌詞の意味とか全然考えず、ただ「音」として聴いてたのだが、あらためて歌詞を検索してみた。
原語のポルトガル語と英語訳を見つけた。
覚え書きに貼り付けておく。
〜追記〜
和訳した。
chat GPTを使いながら、壁打ち相手になってもらって出来たのがこちら。
こちら続編。
ポルトガル語の歌詞をヒアリングして書き下ろした。
筆者が上京した経緯についてはこちら。