2020_0131_思い出には二度出会う
松永紋華
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からだがどんなでも、
ピアノだけは、とおもう。
どれほどことばが衰退しても
ピアノだけは、と
指先のすべての感覚が
おおかた整っていれば。
この家であなたが、
体調が悪い中かいた、なあんていう曲を
わたしはいまでも覚えているし、
「新しい曲が思い浮かばなかったらどうするの?」と訊かれたとき(下北沢で)
「なにもない、という引き出しがあるのだよ」と答えた
わたしのことも、覚えている。
あれから、いくつかのひきだしに、いくつかのものを詰め込んで
あかなくなったり形が変わったりしたものも、たくさんあるけれど
この音はおぼえているし、
大切にしているし、
だから、からだがどんなでも
確かに、音が視える
ピアノだけは、とおもう。
どれほどことばが衰退しても
ピアノだけは、と
指先のすべての感覚が
おおかた整っていれば。
この家であなたが、
体調が悪い中かいた、なあんていう曲を
わたしはいまでも覚えているし、
「新しい曲が思い浮かばなかったらどうするの?」と訊かれたとき(下北沢で)
「なにもない、という引き出しがあるのだよ」と答えた
わたしのことも、覚えている。
あれから、いくつかのひきだしに、いくつかのものを詰め込んで
あかなくなったり形が変わったりしたものも、たくさんあるけれど
この音はおぼえているし、
大切にしているし、
だから、からだがどんなでも
確かに、音が視える
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