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あなたのいる人生 〜山作戰めっちゃいいよってはなし
何かを垂れ流そう、と思って、Firestickを起こす。
ひとりのうちに、家事をすませてしまいたい。
家事を好きか嫌いかと問われたら、たぶん好きなほうだと思うけれど、面倒だと思わないわけではない。
誰かの後押しが欲しくて、YouTubeを徘徊する。
HIKAKIN、はじめしゃちょーの畑、リュウジのバズレシピーーー
好きなチャンネルの新作動画が流れてきて、ライバロリのゲーム実況でも流そうかな、と思ったそのときだった。
おじさんが現れた。
人生には、出会うものと出会わないものがあり
それと等しく、失うものと失われないものがある。
出会った事実は消えないとしても、人生への関わる密度というか
血肉となってしまうようなものがある。
それはどれほど時を経ても「帰って」きてしまう。
わたしは、あなたのいる人生を生きている。
わたしはこのひとを、親しみを込めて「おじさん」と呼んでいる。
出会ったときのわたしは小娘で、おじさんはもうおじさんだった。
東京で知り合ったのち、静岡で暮らすことになったと聞き、それは寂しさ以上の親しみを生んだ。
静岡は、わたしの故郷だった。
親愛なる静岡のおじさん。
わたしは、山作戰をそう呼んでいる。
おじさんの歌は、呪いみたいにずっとわたしのそばにいてくれる。
良い呪いだと思う。
おじさんの歌がどれだけ暗くて、明るい調子じゃなくても、わたしは救われてしまう。
どれほど濃さを失っても、おじさんの歌はわたしから消えない。
血肉となっているとは、そういうことだ。
今日は、帰ろう。懐かしいところへ、帰らせていただこう。
歌い続けてくれてありがとう。
久し振りに、おじさんの歌でも聞いてみるか。
*
はじめて山作戰を聞く方にね、どの曲も刺さってないような気もして
歌の間のおしゃべりに、おじさんがこんなふうに言っていて、笑ってしまった。
わたしは山作戰の曲が「刺さって」しまった側の人間なので、今日はそんな話をしようかなと思う。
笑っちゃったお詫びにね。
*
当時は、音に溢れる暮らしをしていた。
起きている時間の大半をライブハウスで過ごしていた。
仕事、練習、ライブ、全部がライブハウスだった。
日々は音楽で溢れていたし、わたしは若くて無敵で自分が一番だと信じていた。
だから、何かを好きになったり、仲良くなったりするのは、限られた相手だけだった。
流れている音楽も、大半は「ケッ」と思ったり、参考にしようと思うようなことはあっても、「好きだ」と思うことは稀だった。
山作戰の歌は、最初から好きだった。
仕事中だから、ずっとまじめに聞いているわけではないのだけれど
はっと耳につく。
好きだなあ、と手が止まる。
わたしもやっぱり、これだった。
最初のアルバム。
覚えてるよ。
わたし、こんなこと聞いたことないんだよ。
「これ、誰の曲?」
わたし、そう訊ねたんだよ。
いま思えば、あとにも先にも、おじさんだけだったかもしれないなあ。
*
「あなたになら負けてもいい」と歌う、敗北論が
っていうか、敗北論ってすごいタイトルじゃない?
って思うのに、「アワヨクバワレサキニ」もなかなかすごいタイトルだ。
なんかそれだけで息止まりそう。
「はじめにうたありき」は1曲目だからね、何度も聞いたな。いつも後押ししてもらってた。
「桜の木と櫟の木」は、聞くたびに嬉しい。
「教育」もこのCDだったのか。戒めみたいにいまでも聞く。
つまりは、最初から夢中だった。
嫌いなところがどこもなかった。
なんだか、お気に入りばっかりを詰めた箱みたいなやつに出会っちゃったわけだ。
もう全然参考にならなくてごめんね。
でも、友達に勧めるならやっぱりこのCDから聞いて欲しいかな。
最初のCDを今でも推すのってどうだろう、新しいのも聞けよって感じかもしれないけれど。
なんていうか帰巣本能。しょうがないじゃん好きなんだよ。
今宵、おじさんの歌を聞いている。
懐かしいしゃべり声を聞いている。
おじさんは曲もよくて、歌もよくて、歌詞もよい。
まじで、贔屓じゃなくて。
本当にただ贔屓するんだったら、オッサンじゃなくてイケメン選ぶわ。
オッサンだけどいいんだよ。それがまた、おじさんだからいい。しみしみしてしまう。
おじさんを好きじゃない人はいると思うけど、それは好みの話で、
好み以外でなんていうか、悪いところないんじゃないかなと思う。
わたしは一生敵わないなあ、などと思う。
もしかしたら、たぶん、ピアノはこの人よりうまく弾ける。かもしれないけど。
これからも歌っていて欲しい、なんていうのはエゴだ。
おじさんが歌わない幸せを見つけたならば、どうかそちらへ向かって走って欲しい。
でも、「もう少し歌っていると思うよ」って言ってたから
どきどき思い出して聞きたい。
そしてたまには「静岡にこんないいおじさんいますぜ」なんて書いてみたりしたい。
*
もっと良い感じで何か書けたらよかったけれど、ごめんね。
でもめずらしくね、テレビの画面に見入ってね、「今日はおじさんのことを書こう」と思ってパソコンの前に座ったの。
わたしは幸せでした。
書こうと思って書かない事案なんてたくさんあるのにね。うっかり書いちゃったよ。
うちは、母も、伯母も、もうひとりの母も、同居人も、みんな山作戰が大好きで
親友も「おじさんいいね」って言ってくれて、とっても嬉しい。
そう、あなたがもし、この人を好きだと思ってくれたら
なんだかわたしも、とっても嬉しい。
おじさんはわたしにとって、そういう人なのだ。
だからどうか、
わたしと同じように「おじさん沼」にハマっちゃうあなたに、
寂しい夜に、生きようとする朝に
このひとの曲が届き、刺さりますように。
わたしの好きな曲。やっぱり何度聞いても名曲なんだよな〜〜〜
静岡中心にライブもやってるとのことなので、公式サイトのスケジュール貼っておきます。
次に東京でやるときには会いにいくね。
静岡のライブ、実は母が何度か行ってたらしいよ。今度は一緒に行くね
その他の情報は公式Twitterからどうぞ
気になる方は、とりあえずフォローして
あなたの人生の片隅に、おじさんを
本日もご視聴いただきありがとうございました。
— 【公式】山作戰 (@Yamasakusenoff) February 9, 2023
まだまだ寒い日が続くものの、早咲き桜が咲き始めたニュースもあったからか、桜の曲を演奏していました。
山作戰らしい切り口で桜とクヌギの関係を恋に重ねた歌詞の曲、
「櫻の木と櫟の木」
まだの方はアーカイブでご覧下さい! pic.twitter.com/7BOMVPkVV3
おじさん個人のTwitterはこちら
このツイートめっちゃ好き
歌詞に埋めた感動の地雷を
— 髙山真徳a.k.a山作戰 (@yamasakusen) February 13, 2023
踏んでくれるひとを
待ってるんだと気づく
その上を通り過ぎる
それぞれのひとたちの
経験や過去の心の動きで
歩幅が決まり
踏み抜いたひとは
心を動かしたり
何度も聴いてくれたり
大切に思ったりしてくれる
通り過ぎるひとが増えれば
踏み抜いてくれるひとも
おのずと
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![松永ねる](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9007090/profile_8253428c1ba51a9498681ccaadf35015.jpg?width=600&crop=1:1,smart)