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【お金の話】お金をもらう、っていうのが難しい…
なんか、お金のことって切り込みづらいよね。
特にわたしは、「お金をもらう」の感覚が、うまく育っていないような気がする。
30代になって、20代の頃より安定した仕事について、いまはバンドもやってないし、経済的に余裕ができたので、「使うこと」は覚えた。
自分をしあわせにするお金の使い方(ネイルとか、なくてもいいもの)
「推しに課金しないと、推しがいなくなるかもしれない」という恐怖も理解したので、好きなコンテンツには、自分のペースで課金するようにしている。
「お金をもらう」のは、難しい……
「仕事」として、そもそも「時給が発生している環境下」なら、まだいいんだけど、
おつかいとか、お手伝いみたいなことだと、「いいよそれくらい〜」と思ってしまう。
ありがたいことに、直近で働いている会社では切り込みやすい環境(当社比)だったので、
給与明細の「よくわからない税金の引き落とし」のこともすなおに聞けたし、時給の交渉もした。
ここで初めて「自分の価値をお金に置き換える」「自分の価値で、給料の交渉をする」ということをした。
この会社にくる前は、「働かせてもらってるし、給料とか有給とか、なんかこれ以上求めるのは悪いし…」みたいに思ってた。
でもこのときわたしは、前の会社より時給を下げてアルバイト先を変えていて、今までに経験したことのない税金や保険を給料から引かれ、このまま暮らすのは不可能な粋に達していた。
ここでわたしが取れる選択肢はふたつ。
1.時給の交渉をする
2.仕事を変える
このどちらかをやらないと死ぬ、と思ったのでとりあえず時給の交渉をした。
いまだから言うけど、「時給上げますね」って言ってからしばらく放置されれいたので、そのあいだは別のアルバイトの面接に行ってた。
だって、そうしないと死ぬし。
結果「ごめん言ってなかったけど、期日から時給上がってるぴょん」と言われたので、そのまま居座ることにしたんだけど。
去る覚悟もできていた。
20代の中頃や、オフィスワークを始めた30の手前って、さっき言った「働かせてもらってる」っていう感覚が強くて、もちろんこの感覚そのものは今でも根強い。仕事があるってありがたい。
でも、30歳で直近の会社に転職する前
その前の会社は、オフィスを移動して、従業員もがらっと変わったり増えたりした。
そのときに、新しいバイトの子がどんどん増えて、1ヶ月後には我が物顔でオフィスを歩いている…
なんかそれ見て、わたしも新しいことに挑戦しよう、と思って転職して。
転職して、不慣れなときは大変なこといっぱいあったけど、やっぱりわたしも数ヶ月後には、新しいオフィスを我が物顔で歩くわけ。
最初は伸びていた背筋も猫背になるし、アクビとかもしちゃうのよ。
そうやって人って、順応できるし、仕事も覚えればできる。
順応するまでは苦しいけど、きっとわたしまた、新しいところでもやっていける。
そんな風に思えたから、「わたしの価値をこの時給しか見出してくれないなら、当然他に行きます」と思っていたし、めちゃくちゃ生意気ながら「わたしそんなに安くないし!!!」と思っていた。
いま思えば、この自信どこから出てきたかわからないけど……心意気としては悪くないよね。
この心意気を大切に、
大切に、育てていきたい。
このわけのわからない自信に、しっかりと根拠を与えてあげたい。
わたしが「当然できること」が、本当に当然なのか、しっかりと見極めてあげたい。
自分がしたことへの支払いについて「別にいいよ〜」と思ってしまうところにも現れているけど、
自己評価がたぶん、正しくないのだ。
他人にはうまくできている、と思うんだけど。
それは、「わたしが持っていないものを持っているから」なので、わかりやすい。
でも、「自分が持っているものを、他人が持っていないかもしれない」ということには、なかなか気づけない気がする。
でもここを抜けなければ、
たぶん一生、「会社からお金をもらう生き方」を背負うことになる。
そしてわたしは、この生き方について、ちょっと疑問だ。
もちろん、わたしが素直に選べない「会社からお金をもらう生き方」を選んだすべてのみなさんを、めちゃくちゃ尊敬している。否定したいわけではないことは、理解してもらえたら嬉しい。
だいたい、「会社からお金をもらう」という言葉が乱暴だ。
その中で、自分にあるアビリティで稼いでいる人も、夢を追っている人も、大切なものを守っている人もいるだろう。
わたしの両親は、わたしと一緒に暮らしているあいだ「大工」と「ピアノの先生」だった。
どちらも、自分の持っているアビリティでお金を稼いでいたし、有給もなかった。
だからわたしは、有給というものにすごく不慣れだったし、「会社勤め」にも、なんだか違和感があるんだと思う。
それは、「誰もお酒を飲まない家庭」で育ったわたしが、
「ほぼ毎日、ロング缶の6本セットのビールを買ってくる人」と同居したときの衝撃と似ている。
どこかでの当たり前が、どこかでは当たり前ではない。それだけのこと。
いまでは、冷蔵庫の中にビールが鎮座している暮らしにも慣れた。
冷蔵庫のビールに、いつしか順応するように。
わたしも、自分の価値や、お金をもらうことに、もっともっとすなおに向き合えるように。
不安と戦うことは不安でしかないけれど、
不安と戦わなくても、不安でしかないんだから、仕方がない。
この「無職」という限られた時間の中で、
しっかりと向き合って
できれば、わたしなりの答えを見つけてから、社会復帰したいと思う。
photo by amano yasuhiro
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