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無人島まくら

 いやはや、そんなことはない。と、思っていた。
 そんなにデリケートな人間ではないし、どこでも眠れるし、と思っていたけれど

 無人島に持ってゆくなら、枕かもしれない。

 いつも使ってる、べこべこのやわらかいやつ。
 これをふたつ並べて、どれだけ寝返りを打っても、まくらがある暮らし。涼しい季節には、片方を抱き枕にしたりする。
 ふたつある、というのがなんだかいい。
 やわらかい、というのはとてもいい。

 まくらさえあれば、大丈夫のような気がする。
 ぎゅっと抱きしめて、丸めて、ライナスの毛布みたいに連れ歩いて
 無人島でも暮らしてゆけるような気が、今はしている。


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松永ねる
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