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KOJIKI<天孫邇邇藝命(ににぎのみこと)②>

ある日、笠沙の御前を歩いていた邇邇藝命(ににぎのみこと)は
そこで1人の麗しい美人と出会いました。
笠沙の御前というのは、今の鹿児島県南かごしま市あたりを示すそうです。

まるで春の花が咲き誇ったように 明るく爛漫としていた
にほうばかりの美人!。
「あなたの名前は なんと言うのですか?」
「私は神阿多都比売 またの名を木花の佐久夜毘売と申します。
この地に住む、大山津見神の娘です。」

邇邇藝命はこの国の神の娘を一目見て恋に落ました。
ここでも神様は一目惚れをします。
そして、当たって砕けることがありません・・・。

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木花の佐久夜毘売のポストカード。草場一壽先生の美しい画です。

邇邇藝命は木花の佐久夜毘売の父、
大山津見神のもとに行って、
「あなたの娘と結婚をさせてください」と申し入れました。

大山津見神は それをよしと受けて
木花の佐久夜毘売と姉の石長比売の2人を邇邇藝命のところへ送りました。しかし姉の、石長比売は妹の木花の佐久夜毘売とは違って顔はいとも醜く姿形も麗しさにかけていたのです。

邇邇藝命は「私が恋し求めたのは木花の佐久夜毘売ただ1人だ。
姉の石長比売については ともに暮らすことは望んでいない」
そう思って石長比売を大山津見神のもとに送り返しました。
石長比売が戻ってきたのをみた 大山津見神は
ため息をつきながら

「ああ・・・、やはりそうか・・・。
私は 永遠の命と永遠の美しさをともに
邇邇藝命に送り届けその御世の弥榮を祝いたかったのに・・・。
だが、邇邇藝命は自らその半分の美しさだけを
手にすることになった。姉の石長比売は
常永久の命を保ちうるものであるのに・・・。
天孫の御命が長く永久に続くようにと・・・
私の願いはむなしゅうなった。

木花の佐久夜毘売は確かに美しい。
だが、その美しさはひとときのものである。
天の神の御子よ。
この世では永遠の命を生きることはできない
この世の美しさを手に入れることはできても
今後の末長い命を全うすることはできないであろう」
天皇とは神であるという古代からの言い伝えにも関わらず
人と同じように「寿命」というものができたのは
邇邇藝命が石長比売を出戻りとさせてしまったからだと言われています。

さて、貴船神社結社(京都)はこの石長比売を祀っている縁結びの神様です。石長比売は邇邇藝命に追い返されたのを大いに恥じて

「我長く此処に在りて、縁結びの神として世のため、人のために良縁をえさせん」とおしゃって貴船に鎮座されました。

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貴船神社のHP転用しています。
と、いうのも、私自身が、過去に何度かこの貴船神社や奥宮に当たる磐座にご参拝に行きましたが、カメラのシャッターが降りたことがありません。
一緒に参拝した友人も同様です。

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紅葉もとても美しいところですが、青紅葉も美しい場所です。

京都の奥座敷、貴船。健脚な方であれば鞍馬寺と貴船神社の散策コースがすすめですが、昨年の台風21号の影響で木立がかなりあれています。それでも、神秘的な様相は変わらず、都会の喧騒を忘れさせてくれる場所です。

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