完成されたタクシー待機所
こちら、ドイツのヘレンキームゼー城。
僕自身はまだ行けていない場所ですが、いつか行ってみたいと思っています。いかにもヨーロッパの宮殿、といった趣ですが、それ以上に有名なのが、この宮殿、建設途中に王宮が財政破綻し、さらに主であるルートヴィッヒⅡは失脚、その結果、
城内に全く同じ設計の部屋が2つ計画されていたものの、上の写真の部屋は完成し、もう一方の部屋は半完成で工事がストップという状態に。
その結果、同じ設計の部屋の、豪華絢爛な完成版見本と、装飾が加えらていない構造版見本を、同時に楽しめてしまうお城になったのです。
それにしても、このレンガ壁からあの装飾に転生させる欧州の執念よ。。。
(ここまでヘレンキームゼー城の画像は以下のサイトから拝借しました。)
半完成版の方だと、壁に付けられた窓や扉は一部が本物で、残りは装飾だということが判りやすいですね。
ところ変わって日本、神戸で、見るたびにこの半完成のお城を思い出す建物があります。
関西電力有馬道変電所(旧神戸市電気局有馬道変電所:1930)
1930年代の建物ですから、レンガ造ではなく鉄筋コンクリート造。よって、装飾が控え目なのも特段珍しいことではありません。これで完成状態です。
にも関わらず、この建物が半完成に見えてしまうのは、閉じられてしまったのか、窓や扉といった開口部が、装飾のように存在しているからかもしれません。王冠部分の掘り込みなんて、今から彫像が設置されても、違和感無くないですか??
開口は装飾、用途は変電所。当然ここで、人・車の出入りはありません。
そんなこんなで、隣地の神戸大学病院のタクシー待機所と化しています。
人が出入りしないのにタクシーが集まる。
タクシー待機所という、建築とまちの不思議な関係の完成です。
有馬道変電所:神戸大学病院すぐ北
(20210411)
ついでに、神戸のその他の変電所。
関西電力旭変電所
関西電力湊川変電所
旭変電所については、以下のブログで知りました!
「日本一かわいい」元町変電所についても記事があります。
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