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BRM1009群馬200 荒船風穴 登ってまた登って

導入


前週のみなかみニンニクが山本一太によって吹き飛んだ。心の優先順位は低かったのにAJ群馬のおエライサンから「スタッフ出走の申請しといてね」と圧をかけられる。さらに「当日、スタート地点まで俺の車に乗っていく?」とLINE。あ、これ絶対に激坂登らされちゃうやつだ…(照)

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出走


本日の出走は9人。普通は40人~70人なので、選ばれし人々みがやたらと強い。こう少ないと誰かと走る機会は無さそう。逆に、周りのペースに巻き込まれずに進めるし、200kmで獲得標高3,500mとなると集団効果も少いから影響ないよね。


さて、最後尾でスタート。5時45分。車もまばらな土曜日の朝を南下してゆく。ゆるい下り勾配、なるべく筋肉を使わないように心がける。よく使われるルートで、仲間内でのライドでもよく通る。本当にソロなので事前認定気分が高まる。


31.7km 鮎川湖


湖に来る手前で12%の坂でおーきついとか思った。後々のことを思うと平和なものです。湖には2人、チェックポイントクイズ中。入れ違いで2人は出てゆく。自分もチェック。7時15分。


38km地点 明らかな異変に参加者全員が戸惑う


GPSを見るとコースアウトしたらしい。アレっ、分岐あったか?と引き返すと、一目でヤバい林道、35%(サイコン読み)

 

コンクリ打ちの上に荒れていて、濡れている上に、苔が生えている。スリップして倒れたら左側は崖という素敵なスポットだ。


素直に降りた。押し歩き。ムリムリ。


100mほど押して上り、落ち着いたところで乗り直す。下を見ると後続も押して歩いてた。5分後、鮎川湖で出会った2人に追いつく。2人も押して歩いたらしい。


というか、終始17%なので彼らはここでも降りていた。ゴール後まで参加者は会話の最初に必ず「あの最初のクソはなに?あのクソは」と口々に罵っていた。ただ1人、降りずに登りきった人がいるらしいが…


先程の2人のうち1人とは、また遭遇して70km地点まで一緒になる。珍しく前を引いたが彼は坂が登場するたびに「あぁ…また無駄な……」と常に憂いていた。僕もです。


79km~荒船風穴~内山牧場レストハウス86.7km


距離にするとわずか10km弱。体感は100km。路面も悪く、勾配は2桁を割ることはほぼ無い。17%はレギュラーで稀に22%。景色も別にね…林道だから…。そういえば、


コース作成者が「もっと林道を通したかったんですよ」とか言ってたなぁ。

あいつ殺す。


キツイ。とにかくキツイ。フロント34t・リアスプロケ34tとマウンテンバイク並のギア比でも進んでいるだけでやっと。

この区間、平均速度は6~7kmで平均ケイデンスは50、心拍は170。頑張らないと登れないタイプの激坂。県道44号ってのも不吉。

楽しくないよ、全然楽しくない…


ここまで来ちゃうと、勾配が14%ならアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!ってならないし、とりあえず進むから許されるようになってくる。10%なら子どもたちの下校を穏やかに眺めるおじいさんぐらいの気持ち。


心の扉開いちゃいそう…


荒船風穴を超えて内山牧場でフェレットとイタチぐらいの違いで勾配が緩む。ギアはローのまま。雲の中を過ごして標高1250m。


11時16分に内山牧場着、5分休憩。足はパンパン、踏みすぎて膝と股関節もおかしくなってきた。


難易度 = 獲得標高 = 勾配 これは間違ってるんだんぁ。同じ獲得標高でも勾配がキツいと明らかに筋肉と間接へのダメージがデカい。


102km ローソン佐久安原店 ~ 123.9km ファミリーマートヤオトク南軽井沢店


さて、下りだ。特に記憶はないよ。重力だいしゅき♡しゅきしゅき♡
気づいたらコンビニ着。11時50分。10分で済ませてリスタート。


本日のメンタル的なハイライトはこの20kmの区間。ちょうど佐久から軽井沢まで400mほど登る。中間地点で自分にとってはモチベーションが切れがちな区間だった。


すでに右股関節に痛みはあった。登り始めてすぐに左足首のアキレス腱も痛い。左ふくらはぎも痛む。冷静な頭で、激坂でのダメージ、気温上昇での塩分不足(攣り)、エネルギーがまだ回ってなく軽いハンガーノックになっているのだろうと分析した。


汗を舐めて、塩胡椒おにぎりを食べ、最低限の水を飲む。一度立ち止まってストレッチをし、押し歩きながら小休憩を入れる。大丈夫、この区間は平均勾配5%とコントロール出来る。


一方で「また故障か」と暗くなる。自分は筋と間接のトラブルでよくリタイヤをする。工夫を長年してきたが、今回もかメンタル面でフォーマンスも引きづられた。なんとなく泣きたくもなる。


そこに後続が抜いていった。ほぼ同じペースで登っているようだ。「追いかけよう」 切り替えに成功して峠はクリアできた。彼には感謝しか無い。ピークでその彼と話すことができた


「春の群馬300km、コースを引いてきてヤバいと思って出走しなかったんですよ。だから、こっちに逃げてきたのになんなんすかこの登り!!!」


僕、知ってるんですよ、コース作成者が同じだってこと。


彼に伝えるとものすごく真顔でため息ついていて、わかるよ、その気持ってなった。


さて、下りです。普段は体を休められるのに、荒れすぎていて全身に力が入る。足も踏ん張らないと姿勢が保てない。クタクタになってのダウンヒル。勘弁…


123.9km ファミリーマートヤオトク南軽井沢店 ~ 170.9km ローソン倉渕三ノ倉店~200km ゴール


13時30分に到着。5分程度でリスタート。雲の中の軽井沢を超えて、碓氷峠を下る。クリーンな路面 is beautiful アイシテル!!


碓氷峠を下りたら雨が振り始めた。どうした突然と思うと、同日開催されていた東京発長野往復の400kmに参加していた高名なシャーマンことGuran氏の姿。シャーマンは雨を降らすというのは、実は冗談だと思っていた。マジなのか…と言葉に詰まる。


さて、今日はゴールまでさらに1000mほどヒルクライム。別コースなら回避する登りも全て登らせてくるあたり、コース作成者の悪意を感じますね。


群馬県内はいつもの道。安中榛名駅やフルーツライン。距離調整にしてはエグい。心は常に「虚無」 どうして…どうして…どうして…こればっかりの頭の中。足の不調も一周回って解決してしまったので、あとは回すだけ。


日没時間に合わせてゴール
17時15分 所要時間11時間30分

9人出走で6人ゴール 致死率33%と高難易度なコースでした。一番早いタムが自分で他は12時間30分~13時間ぐらい。よく皆さん心が折れずにゴールしましたね。


エピローグ 

ゴール地点で参加者が来るのを見ていると
「クソでしょ、このコース」
「序盤のアレなんすか!」
「激坂しかない!!」

と次々に悪態が吐かれるのがGOOD。

「誰!?こんなコースを引いた人は!!」
「はい!あいつです!!」
と指を刺されてボコボコにされるコース作成者の図


ちなみに彼は「なぜ私のコースはエントリー少ないのだろう??」 どうやら自覚してない模様。天然サンなのかナ……


そんなわけで、無事撤収致しました。ゴールすると時間と共に記憶が美化されて行くのが、ロングライドの怖いところ。

では、次のBRMで!


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