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【お金】子どもに教えてあげたい「お金の不思議」

「学校では教えてくれない授業シリーズ」の記念すべき第1回目は、「お金」となりました。

と言っても、もうけ方のような授業ではなく、ちょっと難しい言葉で言えば、「『お金』をどう捉え、『お金』とどのように付き合っていくか。」をテーマとして、子どもたちと楽しく話し合えたらと思います。

その目標を達成するために、ハードルとなるのは、

「『お金』についてそんなに真面目に考えたことがない。」

であろうという切実性の無さ。

どちらかというと、自分で稼いでいる大人の方が、「お金」に対してはいろいろと思うところはあるでしょう。

しかし、逆に言えば、「『お金』に対して何となくしか考えたことがない。」からこそ、「『お金』に対して真剣に考える機会」を設けることが「子どもたちのよりよい未来につながる!」のです!

という信念のもと絶賛準備中なのですが、授業の中では、大きく分けて3つのポイントを準備しています。その中盤となる、2つめのポイントについてご紹介させてくださいね。

▶「お金」の不思議。

「お金」の不思議を考え始めるととってもおもしろい! 例えば、子どもたちも使ったことがあるであろう「円」。そもそも、「なぜ、この『コイン』と『紙』が『お金』として使われているのか。」なんて話始めたら僕たちの祖先の話まで遡ってしまうかもしれません。

むしろ、まだ物心ついたばかりの子どもに、「『コイン』と『紙』のどっちかあげる。」と言ったら、きっとほとんどの子どもたちが、「コイン」を選ぶでしょう。

ということは、「紙幣」を選ぶ強者が現れたとしたら、「『お金の価値』を認識して選択した。」という可能性もありますね。

いやいや、こんな余計な話をしていると、きっと当日も60分にまとまらないような気しかしません。

では、ここからが、本編で使う3つの実験です。

▶【思考実験①】もらった参加賞編

当日は、子どもたちに「ノート」を渡す予定です。

では、これから2つの場面について想像してもらいます。「ノート」をもらった場面を想像して「どんな気持ちになったか。」を考えてみてくださいね。

A 「ノート」の他の参加賞は、「削られていない鉛筆」や「輪ゴム」
B 「ノート」の他の参加賞は、「革製の手帳」や「色鉛筆セット」

言うまでもなく、もらった参加賞である「ノート」の価値は変わりません。しかし、きっと、AとBでは、「もらったときの気持ち」に変化があるはず。

この実験は、過去記事にも載せてあるので、詳しく知りたい方はこちらも読んでみてください!

▶【思考実験②】住むならどっちの村?~新しい家編~

さて、次の実験に挑戦してみてください!

あなたは、引っ越しをしますと。

新生活を始める「家」の候補が2つあります。さて、「あなたは、どちらの村に住みたい!」と思うでしょうか。

A あなたの家の広さは、100㎡で、他の家はみんな150㎡
B あなたの家の広さは、80㎡で、他の家はみんな70㎡

さぁ、どちらか選んでくださいね。

決まったでしょうか。もしかしたら、「迷う。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

普段から「明確な自分なりの価値基準」をもっている人でないと、「う~ん。」となること請け合いです。しかし、「迷う」ことが良くないということでありません。このような条件だと「葛藤」するという「自分」に気付くことが、自分の「お金」に対する考え方に目を向けているということですからね。

その「迷い」を種明かしすると、

「『家は広い方が良い。』という一般的な価値基準で言えばAを選ぶべきなんだけど、すっきりと選べないのは、『他の家が自分の家より広い。』という事実。じゃあ、Bを選べば良いのかと言うと、Aの家よりも狭い家に住むことになってしまう。」

という何とも悩ましい状態に陥いるのがこの問題のおもしろいところ。

この問題の本質は、何かというと、

「『家』のような『もの』の購入には、『他者との比較』が見え隠れする。」

ということです。

「理想」を言えば、「自分が満足しているからこれがいい。」でいければ良いのですが、世の中にあふれている「もの」は、だいたいが、「他者との比較」ができてしまうものなのですよね。

ロバート・H・フランクさんらは、このような人間の特性を、

「支出の滝」

と表現しています。

ざっくり言うと、

「自分の身近な人がもっているものの同程度か、それ以上のものをもとうとする人間の特性。」

と言えるでしょう。

このようなバイアスに気付くことができないと、「自分なりの満足感」で良いはずが、「他者よりもより良いものをもつこと。」に目的がすり替わり、永遠に満足感が得られなくなってしまうので注意です。

▶【思考実験③】住むならどっちの村?~夏休み編~

さて、思考実験②では、頭から湯気が出るほど悩んでいただいたと思いますが、次の実験は案外あっさり決まるのではないかと大胆予想しております。

あなたが引っ越した先では、もうすぐ夏休み。

では、あなたは、「どちらの学校に通いたい!」と思うでしょうか。選んでみてくださいね。

Aの学校では、夏休みが3週間。でも、周りの学校はみんな4週間。
Bの学校では、夏休みが2週間。でも、周りの学校はみんな1週間。

さぁ、どちらか選んでみてください。

もう分かりますよ! きっと、みなさんはAの学校を選んだでしょう。Bの学校を選んだのであれば、無類の学校好きとしか考えられません。

ここでちょっと落ち着いて振り返りましょう。

先ほどの実験②では、「う~ん。」と迷ったのに、なぜ、実験③では「すんなり」決定できたのか。

ここが人間のおもしろいところですよね。

こんな内容を「メンバーシップ」内でも書いていますので、ぜひともご参加ください(^^♪

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