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「退屈」の使い方

「退屈だなぁ」とつぶやく子どもたちの気持ちを理解しようと始めた「退屈」の勉強ですが、思っていた以上におもしろい。

勉強というのは、知識が増えたり考え方が広がったりすることにおもしろみがありますよね。

ただ、この勉強のおもしろさを子どもたちに言葉として伝えたところで、「えー、勉強っておもしろくないじゃん。」とキッパリ。

共感してもらうことは難しいかもしれません。

その難しさには、「勉強=退屈」という決めつけがあり、その決めつけを引き起こしているのはひょっとしたら学校かもしれない。

もしかしたら先生かもしれない。
#本当に申し訳ありません
#代表として

「なぜ、退屈になってしまうのか?」については、こちらの記事を読んでいただくとして、

本日は、「退屈は様々な効果があるよ!」という内容でございます。

ぜひとも、子どもさんから退屈オーラが出た時の対処法として読んでみてくださいね。

▼「退屈」の捉え方

先日の記事で、子どもの退屈サインに対して大人は共感的に対処できないことを書きました。

つい、「なにかやることがあるでしょ!」とか「勉強でもしたらどうなの!」とか言いたくなってしまう。

しかし、子どもたちが求めているのはそんな答えではないのです。

どんなことも裏表があるように、退屈にも裏があります。

それは、

「自分はこれをやりたいと望んでいないんだ!」

という気持ち。

「もっと、違うことがやりたいんだけど…..」という気持ちの表現が「退屈」という言葉となって発せられていると考えましょう。

よくないのは「退屈」という言葉のイメージ。

なんとなく「怠惰」とか「サボり」とか「やる気がない」とかネガティブイメージで捉えられがちですが、「没頭することを求めている」と考えてみてはどうでしょう。

そう「退屈」の反対は「没頭」なのです。

ということは、「退屈を訴えているあの子は、他のことにチャレンジして没頭できるような体験を求めているんだ!」と考えれば、その子どもさん個人の性格に原因を求めずに済みますよね。

よく「うちの子の得意なことが見つからないのです」という相談を受けることがありますが、これも「まだ見つからないだけですよ」というのが限りなく正解に近い。

「何をやっても続かない。」というのは、「没頭できるものに出会えていないだけ」であり、手あたり次第にチャレンジしてみるしかありません。

待ちの姿勢を決め込み、「いつか白馬に乗った王子様が現れないかしら」と待っていても絶対に出会えないのです。

▼なぜ「退屈」を没頭に変えられないのか

そうは言っても、「我が子の没頭できるものが見つかるのか.....」と先の見えない不安に包まれることもあるでしょう。

確かに、子どもたち全員が自分の好きなことを見つけ、時間を忘れて没頭しているかと問われたら、そんな子どもの方が稀でしょう。

「好きなことで生きていく」というフレーズに羨ましさを感じるのは、好きなことさえ見つからない人が多いからですよね。

なぜ、そのような出会いに恵まれないかと言えば、

「一人一人、没頭できる活動が違うから」

に他なりません。

例えば、親御さんが没頭していることが子どもさんにもハマったのであれば、それほどラッキーなことはない。

しかし、我が家のように、父親があれこれやっていても、「また何かやってるわー」とスルーされているような状況では、父親からしても打ち手がないのです。

だって、自分が提供できる”おもしろいこと”が子どもが思い描く”おもしろいこと”にハマらないのですからね。

そんなピンチに陥ったのなら、父親としては素直に自分が好きなことばかり並べたお店をたたんで、自分の趣味の外へ出かけなければなりません。

それほど、没頭できる活動は幅広く、出会える確率も不確定なのです。

そう考えると、学校のような一定のカリキュラムを多数に提供するような限られた興味・関心の中で没頭体験をデザインする難しさは当然なのです。

▼「退屈」の意外な効果

さてさて、そんな手のかかる「退屈」にも意外な効果があるのです。

ある研究によると、「退屈を経験すると寛大になる」なんて報告があるのです。

例えば、「退屈な作業を終えた人達の方が、作業に没頭した人達よりも、より多くの寄付をした」というような感じ。

これは、「退屈を経験することによって、人生において意味のあることに貢献したいという気持ちを喚起した」のではないかと言われています。

いわゆる、「失ったものを取り戻そうとする気持ち」が寛大さとなり、行動として表れたのでしょう。

個人的な事例で恐縮ですが、ぼくが学校でも家庭でもない第三の居場所をつくろうと思い立ったのも、少なからず退屈という感情がからんでいます。

もちろん、「退屈」だけではありません。ありとあらゆる複雑な気持ち、どちらかというと現状の教育に対する不満という負のエネルギ―や、自分の不甲斐なさといったこれまた負のエネルギーが抑えきれなくなった結果、「学校外の居場所づくり」にシフトしていきました。

人間って、どんなことがモチベーションになるか分かりませんよね。

▼まとめ

本記事では、「退屈は、様々な視点で価値がある感情だよ!」という内容をまとめました。

ぜひとも、避けるのではなく使いこなす方向で考えてみてくださいね。



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