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話の長い教師が、優しくない理由。
何事も「知っている。」と「できている。」は、違いますよね。
・何事も継続が大切。
・健康な体づくりの基本は運動。
・「未来」をつくるのは、「今」の努力。
などなど、知ってはいるのです。さらに、教師という立場を利用して、あたかも「僕はできていますよ。」的な感じで子どもたちへ伝えてしまっています。自分、調子乗ってました。すみません。
振り返ってみると、「知っている。」けど「できないこと。」の多いこと。
たしかに「反省」は大切ですよ。しかし、方向性は間違えないようにしないといけません。ここから気を取り直して本題に戻りましょう。
本日は、「丁寧という意味をはき違えるな!」という話題です。
▶長い話のデメリット。
これは、世間的にもかなり認知されている教師あるあるでしょう。
「教師の話は長くてつまらない。」
はい、大正解!!
これ、なんなんでしょうね? 「なんなんでしょうね。」と聞かれても困りますよね。教師になると、やたら子どもたちの前で話をする機会があるのに、「話し方」を学んでいないからでしょうか。ぜひとも、教員採用試験の中に、「試験官を3回笑わせる。」みたいな課題が出されると良いかもしれません。
しかし、真面目に「教師は、何かしらちゃんとした風のことを言わなければならない。」し、子どもたちは、「教師のつまらない話をちゃんと聞いている風を装った態度をしなければならない。」という風潮は変えていく必要があります。いや、本気で。
本当に、お互いのためになりませんからね。
では、どのくらお互いのためにならないかを解説します。
長い話を聞かされるというピンチに対処するために、子どもたちの「生きる力」が発揮されます。その力とは、
「授業中に気配を消す。」
というスキルです。
授業中、
「若干前かがみになりノートに文字を写しながら『あつ森』のことを考えている子ども、いませんか?」
きっと、教師側には分からないでしょう。それが、子どものスキルですから。しかし、残念なことにきっとこのようなスキルを発動している子どもたちが学級の3分の1ほどいます。
3分の1と言っても、考えていることは「鬼滅」、「サッカー」、「給食」などなど、バリエーションはあると思いますが。
これらは、全て教師のせいにしておきましょう。いや、ちょっと可愛そうなので、学校というシステムのせいにしましょう。
というのも、集団学習をすると、教師と一部の子どもとの対話になりがちです。一部の積極的な子どもたちを除くと、
「邪魔はしないけれど、学習もしていない。」
という子どもたちをつくり出してしまいます。
さらに、教師の説明が長くなるとどうでしょう。もはや、一部の積極的だった子どもでさえ、自分の「ワンダーランド」へ旅立っていくのです。
それもそのはず、情報処理論で説明されているように、
「高校生でも、集中して話を聞くことは10分が限界。」
なのです!! まさかと思うあなた。自分が誰かしらの講演会に参加したときのことを思い出してください。
最初は、「もとを取るんだ。」的モチベーションで、頷きながら臨んでいても、10分早々にスマホをチェックしていませんか。気になるやり残した仕事を思い出していないでしょうか。
もしも、心当たりがあるのであれば、子どもたちへの話も10分一本勝負で勘弁してあげてください。
さらにさらに、子どもたちにとって長い話を聞かされることの辛さを書いておきます。
それは、
「過剰なインプットが、混乱を引き起こす。」
ということが知られています。
ついつい、長い説明をしてしまうことで、
「注意力が低下する。」
ということが言えます。
思い当たる節がありませんか。図工の時間、1から10まで説明をしていると、「早く作りたくてそわそわ」している子ども。その子に注意を促しながら全ての説明を終えるが、結局理解されていなかったなんてオチ。
このような例からも分かるように、
「長い説明は、子どもたちの注意力の低下につながる。」
のです。だからこそ、
「長い時間をかけた説明が、『丁寧』だとは言えない。」
のです。
高い力量を備えた教師の特徴を研究した成果によると、
「できる教師ほど、5~7分で教材を上手に説明することができる。」
ということです。→#教育効果を可視化する学習科学
このような研究結果から考えると、
「説明は、最初に全部ではなく、必要なときに短時間。」
ということを心に留めておくと良さそうです。
▶まとめ。
本記事では、「教師の話は諸刃の剣。」という話題をまとめました。
とは言っても、教師が話を求められる職業であることには変わりありません。
とは言っても、「求められたことに対して全て応える必要もない。」ですよね。
子どもたちだって、あなたの話を心から楽しみにしていることは稀でしょう。今日の学校生活で一番楽しかったことを聞かれて「先生の話」とはなかなかなりません。
もしも、コンスタントに爆笑が取れるようであれば、職業の幅を広げたほうが良いでしょう。
立場とは怖いもので「教師」になると、「話さないといけない。」という間違った使命感を抱いてしまうことがあります。
そろそろ、「#嫌われる勇気」と「断る勇気」をもちましょう。
「話が短い。」という存在は、思っている以上に子どもたちにとっては重宝がられる存在なのですから!!
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