
新しい「文化」を創り出すのは「今」を生きる子どもたち
仕事がら、子どもたちと関わることが多いのですが、ここ数年、
「この動画の何がおもしろいんだ…」
「この音楽、いや…理解できないわ…」
と、思うことが増えました。
いよいよ「昔はよかった…」という老害認定か!と、戦々恐々としているのですが、仕方のない面もあるのです。
特に音楽は「自分」が出やすいもの。
基本的には、自分の青春時代(青春とはいつの時代かは人によって異なりますが)に聞いていた曲を聞き続ける人が多いと、ある調査では分かっています。
だからこそ、小学生文化を受け入れがたく思ってしまうのですが、間違いないのは「これからの文化を創っていくのは今の子どもたち」という事実。
そこに抗ったら老害なのでしょう。
ついつい、「こんな…」と言ってしまうのですが、否定はよくない。
「好き」でなくとも、「理解しよう」と歩み寄ることは大切です。
なぜなら、ぼくたち人間はそうやって進化していくから!
#急に話がでかい
そんな人類の進化の一部をさらっとまとめました。
完全に自分が覚えておきたいメモなのですが、興味がありましたらこのまま読み進めてみてくださいね。
▼ぼくたちは確実に進化してきた
過去に何度か登場した「フリン効果」を再度まとめさせてください。
オタゴ大学教授のジェームズ・フリンさんが、第一次世界大戦と第二次世界大戦の兵士のIQスコアをについて報告した論文を見て、「IQスコアが大幅に上がっている!」という気づきから始まりました。
フリンさんは、そのデータを見て、「このIQ上昇は、兵士だけではなく、世界的に多くの場所でも起こっているのではないか?」と仮説を立て、14か国のデータを検証しました。
すると、フリンさんの仮説通り、「10年ごとに3ポイント伸びている!」ということが分かったのです。
これがどれくらいすごいかというと、
現在の平均的な人が知能検査を受けると、100年前の基準ではIQ130になる!というのです。
ここで疑問となるのは、「なぜ、IQ上昇が起きたのか?」ということ。
そのヒントをくれたのが、イギリスの産業革命なのです。
どうやら、産業が盛り上がっていた1872年以降、急激なIQ上昇が起きていることが分かりました。
ということは、「環境の変化が人間のIQに影響を与えた」とも言えます。
例えば、産業革命をきっかけとして、それまでの肉体労働社会から頭を使う仕事が増えたでしょう。
余暇活動も、疲労回復だけではなく、映画のような認知的要求の高いものを楽しむようになる。
ざっくり言えば、「抽象的なイメージを楽しむことができる」ように進化してきたのです。
このような「フリン効果」によってぼくたちは時間の経過と共に永遠にIQを伸ばしていくかと言えば、そうでもありません。
産業革命時代は、急速に社会が変化したために急激なIQの伸びが見られました。
もちろん、現代も急速に生活環境が変わっているので、少なからず影響はあるにしろ、これ以上のIQ上昇はないのではという予想もあります。
▼必要だからこそ「概念」が生まれる
ここまで、「環境がIQ上昇に影響した!」と書いてきましたが、そのような環境の変化が起きない場合はどうでしょう。
その疑問に答えてくれたのが、ロシアの心理学者であるアレクサンドル・ルリヤさん。
ルリヤさんは、辺境の村に住んでいる人たちに、「ウールやシルクの糸の束」を見せて「グループ分け」してほしいとお願いしました。
ぼくたちが、同じことを頼まれたとしたら、「水色」とか「白」といった色で分けていきますよね。
しかし、辺境に住んでいる人たちの答えは、
「それはできない。」
というものでした。
「すべて違うものだから、一緒のものなどない。」
というのが、彼らの答えだったのです。
さらに、「3人の大人と1人の子ども」を示し、「一つだけ同じグループでないものがある。それはどれでしょう?」という質問をしました。
ぼくたちが答えるとしたら「子ども」ですよね。
しかし、村の人の答えは違いました。
「この子は大人と一緒にいなきゃだめだ。大人は仕事で忙しいんだから、子どもが走ってものを取りに行かないと、仕事が終わらない。」
このような答えからも分かるように、ぼくたちは生活環境の変化に応じで「抽象化」したり「グループ分け」するスキルを生み出し、身に付けてきたのです。
そして、そのようなスキルは、自然と次世代に受け継がれていきます。
そう考えると、「家庭」の教育力とか、「学校」という環境のすごさを実感できますよね。
▼イメージ優位の世界観
「IQの上昇は頭打ち」だろうと書きましたが、ぼくたちの生活環境は、まだまだ大きく変化していきそうです。
「AI」やら「仮想現実」というキーワードが毎日聞かれるようになりましたが、きっとこれから先は、一人ひとりが「もう一つの世界」に生きていく時代となるでしょう。
こちらの世界が「仕事」であり、プライベートは「メタバース」みたいな生活が当たり前になったとき、選択するパートナーや拠点とする空間は、現実世界とは限りません。
きっと、そんな夢物語が「普通」になる頃には、仮想世界のパートナーにも豊かな感情らしきものがあり、自分のことを理解して癒してくれる完璧な伴侶になり得るかもしれません。
そんな進化の方向に向かっている流れを止めることができないのですから、どれだけ理解が難しくても否定だけはしてはいけないと自分に言い聞かせています。
そして、そんな急激な変化に生きるぼくたちの先生は、目の前にいる「子どもたち」なのです。
ぜひとも、変わりゆく世界を楽しめるよう、若者文化を率先して吸収していきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました(^^♪
ここから先は

人生を豊かにする知識収集マガジン
✅「みんな」がやっているから... ✅「昔から」そうだったから... ✅「なんとなく」正しそうだから... 「普通」からはみ出したとき、「…
いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!