バラの歴史からみたマリア様がみてる「いばらの森」と「バラのトゲ」
ごきげんよう、はねおかです。
今回は、いばらの森です。
いばら。これは元々は棘のある植物の総称でした。
例えば、バラ科ではないサルトリイバラ。この植物にはトゲがあります。
また、別のものでは有刺鉄線をバラ線と呼んだりするようです。
「綺麗なバラにはトゲがある」の言葉は大変有名です。
実はこのトゲ、なんのためにあるのか良く分かっていないものなのです。
何か(構造物など)に引っ掛かりをもたせて自分の枝を伸ばすため、草食動物に食べられないためなどと考えられていますが、ハッキリとしたことは解明されていないのです。
先日、バラ園に行ってきました。
バラの開花シーズンではないため、むしろトゲに注目する事ができました。
こちらは、カザンリクというダマスクローズの花枝です。
こちらは、ヨークアンドランカスター。
こちらは、スザンヌというバラです。
非常に細かいトゲがありますね。
「Hspin」と書いてあるのが見えますね。
こればバラの分類で、ハイブリッド・スピノッシマの略称です。
スピノッシマ(spinosissima)とは、ラテン語で「トゲのある」という意味だそうですが、この枝を見れば納得ですね。
では、トゲが個性的なバラをご紹介します。
ロサ・セリケア・プテラカンサ(Rosa sericea pteracantha)
分類:原種バラ
樹形:半直立性
四季咲き性:一季咲き
花色:白の一重咲き
ロサ・セリケアの最大の特徴は、赤く大きなトゲにあります。
別名をレッド・ウィングと呼びますが、このトゲがその名たらしめています。
そして、トゲが特徴的と言うなら、このバラも紹介致しましょう。
ロサ・バンクシア・ルテスケンス(Rosa banksiae f. lutescens Voss)
分類:原種バラ
樹形:つる性
四季咲き性:咲き
花色:黄色の一重咲き
いわゆる「モッコウバラ」のうち、黄色で一重咲きのものです。
モッコウバラの特徴は、トゲがないことです。
このようにトゲが確認できず、ツルツルしていますね。
このモッコウバラ、中国原産で、江戸時代に渡来したと考えられています。
トゲがないために、トゲのある花が忌避される茶道での使用を唯一許されたバラでもあります。
ちなみに、白い花の品種もあります。
ロサ・バンクシア・ノルマリス(Rosa banksiae var. normalis)
分類:原種バラ
樹形:つる性
四季咲き性:一期咲き
花色:白色の一重咲き
白モッコウバラのうち、一重咲きの品種です。
(余談ですが、モッコウバラといえば八重咲きのものが一般的です。ですが、珍しい方の一重咲きの写真しか手持ちにありませんでした)
この白モッコウバラにもトゲかありません。
鋭いトゲ、大きなトゲ、全くないトゲ。
色々なトゲをご覧いただきました。
さて、マリア様がみてるの世界に移りましょう。
いばらの森、正式には白き花びらの作中では、まだ若くトゲトゲしい佐藤聖が登場します。
自分のお姉さま以外には心を許さず、同級生の水野蓉子にも尖った態度。
そんなトゲトゲしい佐藤聖も、久保栞との別れを経験し、酸いも甘いも知り尽くして今のキャラクターとなりました。
気さくで優しく、トゲのない―
佐藤聖の人気はトップクラス。
当然、気さくで優しい上級生としてのキャラクターが魅力である事は間違いないでしょう。
ですが、触れるもの皆傷つけてしまいそうな、そんな昔のトゲトゲしい佐藤聖もまた、魅力に溢れたキャラクターだと思うのです。
トゲのある。
トゲのない。
あなたは、どちらが好きですか?