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バラの歴史とマリア様がみてる「ロサ・カニーナ」と「ロサ・カニナ」

ごきげんよう、はねおかでございます。今回はロサ・カニーナをご紹介したいと思います。

僕はマリみてもバラも好きなので、ロサ・カニーナを作品のタイトル、ロサ・カニナをバラの品種名として分けさせて頂きたいと思います(書いていてごっちゃになるので)

こちらが、ロサ・カニナ(京成バラ園にて撮影)
縁にピンクが入った一重咲き、半つる性、一季咲きの原種バラです。

日本におけるノイバラ、テリハノイバラのようなバラで、ヨーロッパで自生する野バラです。

ロサ・カニナといえばローズヒップ(京成バラ園にて撮影)
ローズヒップとはバラの果実で、ローズヒップティーなどで有名です。ビタミンCが豊富なんだとか。
余談ではありますが、この赤い実自体は偽の果実(植物学では"偽果"と呼びます)で、本来の果実はこの中にあります。
バラの果実をローズヒップと呼ぶので、どの品種のバラであれ開花させて結実させればローズヒップなのでしょうが、一般的にはローズヒップはロサ・カニナの果実の事を言います。

一般的に流通しているバラの苗は、接ぎ木により増やされた株です。強健なバラの根に、増やしたいバラの芽を接合することで、生育を促しています。
国産のバラ苗にはノイバラ、海外のバラ苗にはこのロサ・カニナが台木として使われます。

さて、マリア様がみてるの世界ではどうでしょうか。

ロサ・カニーナの表紙には、花弁の縁がピンク色で、赤い実をつけたつる性のようなバラが描かれています。これはロサ・カニナの特徴と合致します。タイトルをロサ・カニーナとしておいて、カニナ以外のバラを描く事はないでしょう。

対抗馬が出ることはなく、ほぼ間違いなくエスカレーター式に決まる生徒会役員選挙。そこに立候補したロサ・カニーナこと蟹名静さま。山百合会メンバーにケンカを吹っかけたロサ・カニーナを、祐巳は「黒い薔薇」と評しました。
カニナは一枚目の写真で分かるとおり、ピンク色の一重咲きのバラですから、黒バラだと思っていた祐巳がカニナの写真を見て"騙された"と思うのも無理はありませんね。

聖さまに想いを伝えるためだけに総選挙に立候補しイタリアへ旅立った静さま。そのインパクトは我々読者にも強烈に突き刺さり、その潔さに好感を持った方もいるでしょう(僕もそうです)
しかし前日譚である「静かなる夜のまぼろし」では、非アクティブな静さまを見ることができます。本来の(それまでの)静さまは、そのような性格の方だったのでしょう。黄薔薇革命で衝撃を巻き起こした由乃さんに対して、非常に好意的な評価をしています。自らの気持ちに対して一切偽らず、周囲の目を無視して突き進む由乃さん。それに比べて自分はどうだ?と自問自答し、その後の行動は我々も知っての通りですね。

海外のバラの苗を購入する時には、裸苗といって土を落とし洗浄された状態の苗にされます。これは、病害虫が外国から入ってこないようにする検疫のためです。
生徒会役員選挙の結果発表時、聖さまの前で自分を偽る事なく裸の状態で向き合った静さま。その結果は、静さまには非常に満足のいったものになった事でしょう。

先に書きましたが、バラ苗の台木にはノイバラとカニナがあります。台木が違うと、花にも違いが出る事があるようです。
もし、静さまがもっと前に行動を起こしていたら…

この記事を書きながら静さまを追いかけていたら、酸味のあるローズヒップティーを飲みたくなってきました。
皆様も是非ローズヒップティーを飲んで、蟹名静さまに想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

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