バラの歴史から見たマリア様がみてる「真夏の一ページ」と「バラの開始時期」
ごきげんよう、はねおかです。
何度も言いますが、僕は寒いのが大嫌い。
インストールしたドラクエウォークも起動しないほど、寒空の下歩く気にもならず、引きこもっています。
さて、今回は「真夏の一ページ」です。
真夏の一ページのうち、略してOK大作戦(仮)は、男性恐怖症の小笠原祥子さまに対して先手を打とうと山百合会メンバーが画策するお話です。
何事も、物事は「思い立ったが吉日」という言葉があるほど、やる気になったうちにやっておくのがいいとされています。
とはいえ、何かを新しく始めるなら準備が必要です。例えば、「歩くのは健康に良いし、自然に触れられるから登山を始めてみようかな」と思った人がいたとしても、いきなり冬の雪山登山を勧める人はいないでしょう。
という訳で、今回は「バラの開始時期」についてです。
僕はこれまでバラとマリア様がみてるを関連付けてきまして、自分でも育てていた過去があります。
もし、この記事を見て「バラを育ててみたいなあ」と思う人がいたら、こう言いたいですね。
「今しかないぞ!」と。
まあ、今しかないぞは言い過ぎですが、この時期がいいのは間違いないです。
では、説明していきましょう。
・バラの開始時期
バラの苗を買い、植える時期は、冬もしくは春が良いとされています。
それには、苗の流通形態という理由があります。
【大苗】
大苗は、主に冬に出回る苗です。接ぎ木をして育てた苗を、冬剪定した状態で鉢植えにして流通させます。
大苗の利点は、翌年の春に一番花を咲かせられることです。
そして株が休眠中の時に動かすため、新苗よりも気を遣う必要がありません。
【新苗】
新苗は、主に春に流通する苗です。接ぎ木をして、接いだ芽が伸びてすぐの状態の苗です。
基本的に、新苗は花を咲かせず育てるのが一般的です。なぜなら、植物は花を咲かせたら、花を咲かせ実を付け種を作る方に栄養を使うからです。そうすると、枝が育ちませんので、蕾のうちにピンチ(折り取ること。特に蕾を折り取るのを摘蕾と呼びます)します。これによって枝を充実させ、翌年以降に良い株に育つようにするのです。
まあ、とはいえ、バラの苗を買った以上「花を見たい」と思うのが人情というもの。僕も気持ちは分かります。
なので、一番花を咲かせたら即開花後剪定をして、株が枝を充実させるように育てると良いでしょう。まあ、咲かせないのが株のためにはベストではありますが…
「新苗は葉が付いた状態で出回るため、株の状態を判別しやすいのが利点」とバラの入門書では書かれてたりするんですが、初心者が株の状態の確認なんてできない訳でして。
後述しますが、特にホームセンターで並んでいる新苗には気を付けた方がいいですね。
・株の入手経路
バラの株を入手するには、大別すると3パターンになります。
【ホームセンター】
冬になると、バラの大苗のカタログが出回りますので、それを見て予約します。もしくは春前に新苗のカタログが出回りますね。
予約しなくても大苗(もしくは新苗)は店頭に並びますが、正直言うとホームセンターの店頭に置いてあるバラの株を初心者が購入するのはオススメできません。
なぜなら、ホームセンターの店員さんはバラの育て方に詳しい訳ではないため、管理が杜撰だからです。
一日に1、2回は、他の植物の苗と一緒に水やりをしているみたいですが、バラの株の水やりというのは(というかバラに限らず植物全般は)「株が水を欲しがっている時に水やりをする」ものです。僕達人間も、お腹が一杯なのにご飯を口に押し込まれても嫌でしょう?
ましてや軒下で展示する(閉店作業の度にいちいち屋外から屋内へ戻してたら面倒くさい)わけで、そんな状態だと例えば冬や春先の季節では、一日に一度の水やりでさえ多いくらいです。
前回のnoteでも書きましたが、鉢に水が多くなると、根張りが悪くなり、加湿により最悪根腐れします。
ある程度バラ栽培に慣れてきたら、「店頭で安売りしている苗を買って、復活させる」というのにチャレンジしてもいいでしょうが、初心者にそれは酷というものです。
【ネット通販】
バラ育種家のホームページで通信販売がされている事がありますので、そこで購入します。
京成バラ園芸、京阪園芸、バラの家などなど…
海外のものでは、イングリッシュローズで有名なデビッド・オースチンなんかもホームページで通信販売をしていますね。
まあ、これはピンキリですが、少なくともホームセンターで素人が雑に管理している苗よりは遥かに上質です。
僕は昔ロサ・カニナの苗を買ったんですが、到着した時点で萎れていまして、写真付きでメールを送ったら交換してもらえました。
【バラ専門店】
餅は餅屋。バラはバラ屋。ということで、専門店の店頭で購入する方法です。
例えば京成バラ園では、バラ園の隣にバラ苗を売っているコーナーがあります。
株の状態も見られますし、バラ園で咲いた状態を見られますし、店員さんもバラに詳しいので質問もできます。セミナーを開催しているので、それに参加するのもいいですね。
埼玉のバラの家(ネット通販ではなく実店舗)でも購入できますね。前は講習会を不定期にやってました。今もやってるのかな?
京阪園芸にもガーデニングショップがあり、株が買えるようです。
こういった専門店の株は、専門家が世話しているのもあって質が良いです。ただ、お値段はしますね。まあ、それだけ手間かけてる訳ですから…
バラの大苗は、ホームセンターなら2000〜3000円、新苗で1000〜2000円くらいでしょうか。これを専門店で買うと4000円以上します。まあ、2000円払って質の悪い株を買って枯らしてしまうよりも、4000円払ってキチンと花を咲かせた方が良い気はしますね。
・用具
【剪定ばさみ】
これはバラ栽培をするなら必携でしょう。説明不要ですね。
ちなみに枝にはさみを入れる時には向きがありまして、刃の部分を下に向けます。この写真のように、ですね。
こういう道具は、凝りだしたらキリがなくて、一本(正しくは「一丁」ですが)で5000〜10000円する剪定ばさみもあるんですが、バラの一年目なら枝が柔らかいので、そこまで値段の張るものでなくていいと思います。
流石に百均のものはどうかなと思いますが…切れるか確かめていませんが、切れなかったら使い物にならずゴミ箱行き(はさみの処分方法はご自分の自治体のごみ処理方法で処分してくださいね)なので、いわゆる「安物買いの銭失い」になると悲しいですからね。
【革手袋】
バラはトゲがありますから、トゲから身を守るには必要ですね。
まあ、数輪の花がら切り程度だと、面倒くさがって、慣れてくると使わなかったりしますが、夏剪定や冬剪定などでバラの株としっかり向き合う時は必須アイテムです。
手のひら部分がラバー加工された軍手みたいなのがあって、それは手にはめるだけなら手軽でいいんですが、軍手程度の厚さならトゲが貫通してガッツリ刺さるので、やはり革手袋はあった方がいいですね。
【ノコギリ】
バラの入門書を買うと、最初に買い揃える道具として記載されているんですが、これについては正直言うと要らないです。
なぜなら、バラ栽培でノコギリが必要な場面というのは、株が充実して、剪定ばさみでも切れないほど太く、かつ枯れて不要になった枝を切り落とす際に使います。なので、バラ栽培して一年目だと、ノコギリを使うほど株は育たないんですよ。一年目に買い揃えても、鋸歯が錆びるだけです。
【カッターナイフ】
カッターナイフ。これは意外と便利です。文具用の細いものではなく、大型のものを使います。
メインの使い方は、バラの土が入ってる袋の開封ですね。これは剪定ばさみでは切れませんので。
小ネタとしては、挿し木にする挿し穂作りとか、写真のような根頭がん腫の切除に使うことができます。バラの株が根頭がん腫に罹ると、枝の中まで菌が周り、感染した株の枝を切ってそのままのはさみで別の株の枝を切ると、その株に菌が感染してしまいます。そこで、カッターナイフで腫瘍を切除してしまえば、菌に感染したその刃はそのまま捨ててしまえますからね。
まあ、そういう使い道もあるよ、ということで。メインはバラの土の袋の開封ですね。
https://www.monotaro.com/g/01074134/
一年目に買うなら、こういう「片面はカッターナイフ、片面はノコギリ刃」というタイプがいいですね。これで切れないほど枝が育ってから、ちゃんとしたノコギリを買えばいいと思います。
【噴霧器】
これは色々あります。一番メジャーなのは蓄圧式の噴霧器ですね。薬剤散布に使います。バッテリー式のものもありますが、高い上に壊れたら使い物にならないので、農家でもなければ必要ないかなと思います。
鉢植えの一株とか、ミニバラ程度ならスプレーボトルのもので十分でしょう。殺虫剤や殺菌剤が、予め希釈されて売っています。
とはいえ、病害虫は同じ農薬ばかり使うと、耐性をもったものが生き残り広がっていくため、違うタイプの農薬をローテーションして散布するのが基本です。
株が育ってきたり、複数育ててるなら蓄圧式の噴霧器が必要ですね。スプレーボトルでシュッシュとやると握力がなくなります。腕が痛いです。
これには自分で殺虫剤なり殺菌剤の原液を買ってきて、自分で希釈して使います。
この回でお話しましたが、農薬には希釈倍率と使用回数が定められており、違反すると農薬取締法で罰せられます。
また、農薬を使いすぎることで株が薬害を受けるので、やはり適切な使い方をするべきでしょう。
化学農薬を撒くか木酢液(ないし竹酢液)を撒くかは自由ですが、どちらにせよ撒くと周囲にニオイが蔓延する上に有害なので、そこは気を付けましょう。いくら木酢液が自然由来のモノだからといって、殺菌効果がある液体が身体に良いわけがありません。どちらも特有のニオイがするので、近所迷惑にならないようにしましょう。
あと、コンクリートの上で栽培している時には、夏場に直射日光とコンクリートの照り返しでバラの株が暑さで萎れてしまうことがありますが、朝方に噴霧器で水をかけてあげると、結構保ってくれます。ミストシャワーですね。
【肥料】
バラには、緩効性の固形肥料を与えます。まあ、大体月に一回ですかね。
色々売っていますので、まあお好きなものを。
バラ用に調整されたものもありますので、選ぶなら参考にしてみてはいかがでしょうか?
開花後に、消耗した株のエネルギー補給のための肥料を与える事を「お礼肥」と呼びますが、これも固形肥料で与える人と、液肥を与える人がいますね。まあどちらでもいいと思います。
ちなみに、肥料ではありませんが、株が弱ってきた時に与える「植物活力剤」もあるといいですね。メネデールとか有名です。まあ、株がちゃんと育っているなら不要ですが。僕みたいに「店頭で叩き売りされてる弱った株を回復させる」という変わった趣味の人間には必須アイテムです。もしあなたの育てている株が弱っているなら、こういうものを与えてあげるのもいいんじゃないかと思います。
【誘引】
育てたいバラがつる性バラだと、枝をフェンスやオベリスクに誘引してやる必要があります。
これには麻紐、ビニタイ、金属製のワイヤーのどれかを使うことになりますね。まあどれでも誘引できればいいのでどれを選んでも一緒ですが、冬剪定の際には一度全て誘引を解いて剪定し葉を取り去るので、麻紐が一番いいんじゃないかなと思います。それには理由があって、カッターナイフとかで簡単に切って解けることと、土の上に落としておいても分解されるということです。まあそうすぐには分解されませんが、バラ好きのくせに面倒くさがりの僕は麻紐にしています。ビニタイやワイヤーだと回収が面倒な上に分解されないし他に使い道がないのでゴミにしかならず、ワイヤーだと切っ先が手を傷付けかねません。
オベリスクは株の大きさと、鉢に合った大きさのものを立てましょう。これはインテリア的な面もあると思いますので、気に入ったものを選んでください。まあ、一年目から200cmのオベリスクを立てても、株がそこまで育ちませんので。そこは気長に待ってあげましょう。
【鉢】
大苗の鉢はそれなりに大きいですが、新苗はポットに植えられているので、根張りの確認のため鉢やポットから出してやることと、ダサい鉢よりオシャレな鉢に植え替えたいと思うので、やはり鉢は必要です。地植えができるほどの広いお庭をお持ちの方なら必要ありませんが。庭のスペースがないとか、マンションのベランダで育てる場合には必要ですね。
あるサイトでは、大苗は6〜8号(直径18〜24cm)鉢に、新苗は5〜6号(直径15〜18cm)鉢に植え替えるといいと書いてありました。鉢のサイズは◯号と呼ばれ、1号増えるごとに3センチ大きくなります。
鉢は株の大きさに合ったものを選びましょう。大きいと根張りが悪くなり根腐れの原因になり、小さいと水切れや肥料切れを起こしやすくなり株が育ちません。根詰まりですね。
写真のような、底にスリットがあって排水性を高めた鉢を「スリット鉢」と呼びますが、根詰まりを起こすと行き場を失った根が出てきてしまいます。
こうなったら(というかこうなる前に)鉢増ししてサイズの大きい鉢に植え替えましょう。
真夏の一ページでは、祥子さまは準備して祐麒を出し抜いていましたね。まぁ、その後に現れた男集団に返り討ちに遭い痛み分けになってしまいましたが。
バラ栽培でも、事前の準備が必要です。
祥子さまのように不意の事態に狼狽することがないよう、今から準備をしておきましょう。