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朝食@オトレンギ(ロンドン)

私は西っ子なので、今、ロンドンはシティだのイーストだのいわれても、用事がないとさほど積極的に動き回らないのです。
アールズ・コート辺りを中心に西が行動範囲。
ただし、西、といっても、アールズ・コートのような山の手の下町が体になじむんですよねぇ。

ロンドンにモダン中近東の味と風を吹き込んだオトレンギ/Ottolenghiも、私が訪ねるのはノッティングヒル店もしくはベルグレイヴィア店。
(ベルグレイヴィア店のレポートはこちら → http://ricorice.exblog.jp/18365143/
2015年春に、新しくスピタルフィールズ店ができるというニュースが入ってきました、へぇ〜。
新店オープンとか新商品とか。へぇ〜と思う程度で、すぐに動くってことはあまりないのです。ほとぼりが冷めて、それでもまだ気になるようなら試したいタイプ。
とはいえ、それだと仕事柄まずいので、機会というかついでがあれば試しておこうかなぁ〜、という動き方です。


なので、このオトレンギのスピタルフィールズ店も、2015年イギリス訪問の際に、よし行くぞ!と決めていたわけではなく、近くに行くことがあれば寄ろうかな、とぼんやりと考えていました。
そして、そのチャンスはやってきました。


訪ねたのは、2015年10月29日(木)朝。
それまで私が訪ねていたオトレンギのノッティングヒル店もベルグレイヴィア店も店舗としては決して大きくなく、テイクアウェイ(持ち帰り)が中心。イートイン・スペースがあるので、(運よく席があいていれば)そこで食事ができます。
(ベルグレイヴィア店のレポートはこちら → http://ricorice.exblog.jp/18365143/
そういうつもりで、スピタルフィールズ店を訪ねたら、まったく違っていました。


スピタルフィールズ店は、まずはレストランであり、イートイン・スペースが広い。70席はあるそうです。
店舗面積も、それまで知っている店よりも広く、入り口もテイクアウェイ用とイートイン用と2カ所あります。
グロッサリーなどは壁にディスプレイしてあり見やすいのですが、テイクアウェイはこれまでのお店の方が狭いながら、狭いからこそぎゅぎゅっと置いてあって、ワクワク度が高い。
スピタルフィールズ店はシンプルなインテリアってこともあって、デリって雰囲気が似合わないんだなぁ。広けきゃいいってもんじゃないのね。

ともあれ、こっちの本丸はイートインということで、レストランで朝食をとることにしました。
メニューには、グラノーラやサラダ、ヨーグルト、トーストなどの、いかにもなものもありましたが、私の目を引いたのは、
シャクシュカ/Shakshuka。
イスラエルの家庭料理であり、エジプトなど北アフリカでもよく食されてます。
シャクシュカはトマトベースに、タマネギなどが入った辛めのソースに卵を落としたもので、レブネ/Labnehと呼ばれる、ヨーグルトから作るクリーミーな中近東のチーズものっています。
ボリュームがあり、エスニックなとじ卵、といったところでしょうか。

オーダーの際に「辛いのは大丈夫?」ときかれ、程度な辛さだったら、と返答。
果たして運ばれた料理は、マイルドな辛さ。むしろニンニクがきいています。
本来の辛さ加減がわからないのですが、もしかしたらそこまで辛いものが得意でないイギリス人の味覚に合わせているのかもしれません。


オトレンギのシャクシュカは、フォカッチャ付き。
そして、このフォカッチャをはじめパンは、バター、チョコスプレッド、バナナジャム、レッドフルーツのジャムを好きなだけとって食べるスタイルです。
トースターはあらかじめテーブルにおいており、セルフ式。
まあ、これだと人件費も省けるし、お客の側も好きなものを好きだけ塗れるし、トーストの焼き加減も好みでできる、とメリットが多いのでしょう。
このあたり、ル・パン・コティディアン/Le Pain Quotidienとか、パンやトースターは選べないもののセントル ザ・ベーカリー/CENTRE THE BAKERYあたりの戦略に近いのかも。

シャクシュカは卵が2個(3個だったかな?)入っていて、ボリューム満点。かつ腹持ちもいい。
このシャクシュカとコーヒーを頼んで、サービス料込みで15ポンド弱。
(ちなみにこの日の午後、遅いランチでフレンチのコースを食べ、お腹ははちきれんばかりとなりました。。。)

この日、私は朝10時頃、朝食にありつけたのですが、お客は10数人。
ほとんどが観光客とみました。
ひとり、フードジャーナリストとおぼしき人が下見っぽい感じでいたなぁ(これは、同じニオイがするとでもいうのか、立ち居振る舞いですぐにわかる)。

時間帯もあるし、日常的に食べるにはやや高いし、そもそもスピタルフィールズはシティのエリアなこともあり、ローカルな人がさほどやって来るとは思えない。
逆にいえば、これまで私の知っている店とエリアの特性が違い(ノッティングヒルにしろ、ベルグレイヴィアにしろ、高級住宅地とあって商業地であるとともに住んでいる人も多い)、だからこそ、ローカル以外に焦点を当てた、こんな店舗設計にしたのかもしれません。

また、私が訪ねたのは朝の時間帯ですが、昼も夜もやっています。
テーブル席のほかに、カウンター席もあるので、さくっとワインとつまみと、といった使い方も可能。そのせいか、カクテルメニューも充実しており、メニューにないクラシックカクテルも頼めば作ってくれるそうです。


お店は、リバプール・ストリートの駅を出て、スピタルフィールズ・マーケット方面に向かって徒歩5分程度。
この店の界隈には、2014年秋に、イングリッシュワイン専門店もオープンしたり、おもしろい店が増えています。
また、駅の西側はBroadgate Circleという新しい円形状の飲食店複合ビル(コロセウムっぽいというのかな。中庭を取り囲むように、低層階のサークル状の建物が建つ)ができ、こちらには今どきっぽい店が集結。

AubaineやComptoir Lebanais、Jose Pizarroをはじめ、モダン飲茶の立役者Yauatchaも入っていて驚きました(複合ビルに入るの、初めてじゃないかな)。

thu 29/10/15

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