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あなたのアイデンティティ

共感してくれる人がどこまでいるか賭けのような記事なのだけど、ずっと自分のアイデンティティが定まらなくてつらい。

それがないと生きていけないわけではないが、ときどきしんどい。生きづらさにも確実につながっていると思う。

わたしは日本人で男性。それは定まっている。出身地は定まっていない。「どこ出身です」とはっきり言えて、地元大好きな人のほうが人生の幸福度は高いと思うけど、まあそれはいい。

わたしが特にしんどいと思っているのは、職業のアイデンティティだ。だいたい大人が自己紹介をするときは、まず職業の話をする。わたしだって誰かの大枠をつかむときは、性別・年代と合わせて職業をとらえる。

職業は、人の価値観や行動様式を引っ張る。奥さんの親戚に元マル暴の人がいるが、本当に暴力団の写し鏡のような感じだ。あの人もマル暴の仕事をしていなければ、そこまであんな感じじゃなかったんだろうなと思う。

わたしには職業的なアイデンティティがない。このブログでも自分をいろんな言い方で表現している。編集者、コンサル、投資家、制作会社の人、プロデューサー、転職の専門家。他人からは、作家と呼ばれることもある。

どれもピンとこないが、作家とか小説家はきつい。本職の人と実力差がありすぎるという事情もあるが、もっと深いところでは、根本が違う気がしている。

作家としての芯のようなものが、自分にはない。ひょっとしたら、脚本家とか構成作家のほうが自分の性質に近いのかもしれない(さすがにそのキャリアパスは自分に残されていないので、アイデンティティになり得ないのだが)。

編集者も違った。アイデンティティが「編集者」の人たちが集った職場にいたことがあるが、自分のことを編集者とは思えなかった。

もう一段視座を上げるべきかと思い、努力してコンサルとも呼ばれてみたが、それもピンとこなかった。コンサル視点は間違いなく自分の武器だが、いざコンサルと呼ばれると居心地が悪い。

投資家にしても、ずっと投資のことばかり考えてるわけじゃない。

いったい何ならいいのよ! とずっと自分に突っ込んでいる。

では、アイデンティティがないと何が困るのか。自分を説明できない。それに尽きる。このブログのタイトルを見てほしい。「ロックスターになりてえなぁ」になってしまっている。自分を説明できないがゆえだ。

わたしが自分を説明できないと、他人もわたしを受け取ることができない。ちょっとしたコミュニケーション、人間関係、キャリアづくり、すべてにおいて凶と出る。

わたしの知り合いの編集者などは、電話にいつも「編集のXXです」と出る。これは最高のセルフ・ブランディングだ。

みんなどうやって「〇〇のXXです」が完成したんだろう?
わたしはいったい何の何なのだ?


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