嫁のマスカーニャに本気でぼこられている(ポケモンカードFINAL)
みなさんご承知のとおり、「ロックスターになりてえなぁ」はほのぼの子育てブログです。
子供とのコミュニケーションにポケモンカードが有効なのは何度も話をしてきた。だけど、わたしは頭の中で勝手にお父さんと男の子を思い浮かべていた。
トレーディングカードゲーム(TCG)は性別の差が如実に表れると思っていたのだ。というのも、わたしはもともとTCGの走りであるマジック・ザ・ギャザリングの世界にいたが、あそこは完全なる男の世界だ。
ちょっとコミュ障の気のある男たちが少数のコミュニティをなして、ぱらぱらと点在している。わたしはネットワークビジネスに勧誘されるがごとく、コミュ障・モラハラタイプのリーダーが指揮するコミュニティに参加した。
めちゃくちゃだった。ストロングゼロ500mlの缶を開け続け、単身用のマンションで夜通し騒ぎ倒す。カードの敗者を罵るわ、なぜかAVが流れ出すわ。悪い見本のような男の世界だ。
イベントにいっても男しかいない。TCGはルールが複雑で理屈っぽいので、女性脳には向いていないのかと思っていた。だから、お父さんと男の子だけのコミュニケーションというわけだ。
強いポケモンカードを見つけるたびにデッキに加えて、適当にやっていた。ところが、ここに最強の刺客がやってくる。嫁だ。
最初はまったく興味を示さなかったのに、われわれが楽しそうにやっているから気になったのか、わたしもデッキがほしいと言い出した。
ふたりが使っていないタイプのデッキでいいと言ったので、自動的に草ポケモン使いになる。スターターデッキは弱かった。
草ポケモンはこんなにも弱いのかと同情したわたしは、よさそうな草ポケモンを見つけるたび、嫁に渡していった。
ニャオハ、ニャローテ、マスカーニャEXが追加され、フシギバナEXが追加され、カードショップで買えば900円はするオーガポンは嫁がパックで勝手に当てた。
いつの間にか、まったく歯が立たなくなっていた。ジュナイパーの特性でポケモンが入れ替わり放題になるわ、一撃200点以上食らわしてくるわ、HP回復するわ、でたらめな強さだ。
カードパワーだけではない。性格がマメだから、カードをぜんぶ並べて整理整頓しながら分析する。わたしと子供は好きなカードを突っ込んでるだけだから戦略がない。
そして、気が強い。勝つのに本気。本気で怒りながらプレイするのでわたしは震えている。
奥さんとの対戦のあと、対戦相手が子供に変わったとき、「えへへー」と屈託なく笑う顔が本当に天使のように思えた。
思っていたイメージとはかなり違うけれど、ポケモンカードは親子を超えて、家族のコミュニケーションツールとして機能している。
そしてわたしに、性別とカードゲームの強さはまったく関係ないことを教えてくれた。