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こんなリストラの唄

わたしは自分のことを客観的に表現するなら、ただのメンヘラのおっさんではないかと思うことがある。
昔は完全なるメンヘラの若者だった。

5年ほど前に、(ややこしいけど)もっと昔に書いたミクシィ日記を発見した。
読んで、意味がわからなかった。
これは地獄の蓋だと思って、そっと閉じた。

そして先日ふたたび発見し、記事のネタになれば何でもいいやと思って、勇気をもって再読する。

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衝撃から一夜が過ぎた。
今からお話するのはたとえ話です。

名もない田舎に冴えない少年がいました。
ある日彼の家庭は崩壊しました。彼はひとりぼっちでしたが、幸い一部の能力に恵まれていたため都会に出でることができました。
しかし世の中を知らない彼はいつしか奴隷になっていました。
それはそれは屈辱の日々でした。
彼はキエルケゴールが言うところの死にいたる病に冒されました。
外はもうすぐ完全な闇で覆われます。それでも彼はすべてが消えてしまう前に小さい火を灯しました。
そんな明かりを遠くから見つけて下さった方がいました。
90歳近いおじいさんです。
優しいおじいさんは彼を養子にすることにしました。
彼は涙しました。これから一生をかけてご恩をお返ししようと思いました。
だけどその矢先、おじいさんは亡くなってしまいました。
おじいさんはきっと自分の死期を悟っていたのでしょう。
そしてこれまで自分が生きてきた証を託したかったのでしょう。

こんなに悲しいのはいつかの別れ以来だ!
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5年前に読んだときに地獄だったのは、「こんなに悲しいのはいつかの別れ以来だ!」と書いておきながら、なんの話だったか覚えていないのだ。
このメンヘラは自分に酔っている。
本当に悲しいなら、絶対に覚えているから、たいして悲しくないのだ。
注目してほしいだけじゃないか。
「いつかの別れ」も、読む側からしたら、よくわからんし。

いま冷静に解読すると、これは通算4社目の株式会社ネコア(仮称)にいたころの話ですね。
この暗号は、「ブラック職場から転職して、一部上場、創立90周年の安泰な企業に入社できたと思っていたのに、入社早々に他社から買収されて、会社が消滅してしまうぜ」の意味だったのだ。
まあ、悲しいな。
その後、早期退職プログラムに応募させられるはめになるしな。

こんなリストラの唄があってもいいと思います。

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