大事な大事な仕事道具
数日前から執筆に使っているブレイルメモポケット(点字ディスプレイ)の充電ができなくなった。付属の充電パックを入れてもうまく充電されないのだ。
一昨日の夕方母に見てもらったところ、どうやら充電器のacアダプターのコードが断線していたようだ。そりゃあいつまでたっても充電されないわけだ。
さあてこれは困ったぞ。充電できないとなると、ブレイルメモポケットが使えないではないか。これは執筆活動に支障をきたすことになる。
すでにいろいろなところで話していることだが、全盲のしがない物書きの端くれの私は、小説やエッセイを書く時、まず最初にブレイルメモポケットを使って点字で下書きをする。それを清書がてら、画面音声読み上げソフトが入ったパソコンに打ち込んでサイトにアップしているのだ。
わざわざ点字で書くなんて、そんなめんどくさいことをしなくても、最終的にパソコンに打ち込むなら初めからパソコンで書けばいいじゃないか。その方が作業効率も良いんじゃないの?
そう思われた方も居るかもしれない。しかし生まれつき全盲の私にとっての文字は点字である。音声読み上げソフトを駆使して書く活字は、書いたことを周りに伝えるためのサブツールでしかないと、個人的には考えている。
だから私にとって点字、およびブレイルメモポケットは、執筆活動をする上で、パソコンよりも重要なツールなのだ。
だがブレイルメモポケットがなくてもできる作業もある。それはnote記事などの新作を書くことだ。というのも3年ほど前に読書用に買ったブレイルメモスマート(以下ブレイルメモポケットはポケット、ブレイルメモスマートはスマートと記す)を使えばいいのだ。
前回と今回の記事の下書きはスマートを使っている。
スマートで点字を書くのが久しぶりすぎて、操作方やキー配列の違いに慣れるまで少し時間がかかった。そのため書きたいことがあるのに文章が出てこなくてものすごくいらいらした。
たとえばポケットではバックスペースしたい場合、手前側に並んだ三つのキーの内、真ん中と左側のキーを同時に押すのだが、ポケットよりも後に出たスマートには、すでにバックスペースキーがついているのだ。そのことを忘れてポケットの感覚で手前側の三つのキーの真ん中と左側を同時に押してしまってあたふたすることが多々あった。
それとスペースキーの位置も、ポケットとスマートでは微妙に違うので、これも慣れるまでに時間がかかった。ちなみにこれを書いている今はだいぶ慣れてきたところである。
そんな中、昨日の午後業者(ケージーエス株式会社)に電話して、新しい物を買うことになった。
ブレイルメモは特殊機器なので、修理やメンテナンスの時には埼玉にある業者に頼まなければならないので、これが何気にめんどうだったりする。ブレイルメモも最寄の家電量販店で取り扱ってもらえるようになればいいのになあと思うのだが、特殊機器なのでそれは仕方ない。
しかもポケットは数年前に生産停止になっている商品である。付属品の在庫があるか不安だったが、その心配は不要だった。
ブレイルメモの充電器は、acアダプターとコンセントに差す部分のコードが二つに別れていて、断線したacアダプターの方だけを変えればいいのだが、アダプターだけだと9000円ぐらいだったのに対して、アダプターとコンセントに差すコード2本セットで7700円と安かったのでそちらを購入することにした。この先も長く使い続けたい物だから、コードの予備もあった方がいいだろうしね。
ポケットの新しい充電アダプターは明日の午前中に届く予定だ。思っていたよりも早くポケットが復活できそうでよかった。うまくいけば明日の午後ぐらいにはまたステキブンゲイでの長編小説の更新や、処女長編の改稿作業ができそうである。
購入してから12年ぐらいになるブレイルメモポケット、これからもより一層大切に使っていきたい。なんてったってブレイルメモポケットは、全盲のしがない物書きの端くれの私にとって、大事な大事な仕事道具だから。