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朗読劇「星今宵」の雑多な感想

朗読劇、「星今宵」、初日公演を見に行ってきました。

平日ということもあり行けなかった舞台創造科(少女☆歌劇 レヴュースタァライトが好きな人の事。富田麻帆さんと生田輝さんが出演しています。)が「500文字以上の感想を書け」というポストをしており、書きまっせみたいに社交辞令したのですが、なんか書いたら整理できそうですしせっかくなので真に受けてみることにしました。

ストーリーは七夕伝説を下地としたものでした。
「織姫と彦星は、7月7日だけ会うことを許された恋人同士。七夕の日、二つの星が最も近くなるその日、彼らは天の川を渡って会うことができる。」
「恋人達の願いが叶う日、短冊に願い事を書いて笹の葉に付ける。もし天の川が空に見えたら、その願いは叶うだろう。」

多くの人が、何か願い事を書いて笹の葉に付けた経験があることでしょう。
私の父は天体観測が趣味なのですが、そんな父に言われたことがあります。
「来年発売のゲームが欲しいって書いても、織姫までは25光年、彦星までは16光年離れてるから届く頃にはレトロゲームだぞ笑」と。
星と星の距離、光の速さでも何年もかかる距離。

織姫はこと座のベガ。彦星はわし座のアルタイル。ともに、小学校の理科の時間で習う、夏の大三角形を構成する一等星の一つです。

ベガとアルタイルの間はおよそ14.4光年の距離。
伝説通りに織姫と彦星が逢瀬をしようとしても、光の速さで移動したとして14年半かかってしまうわけです。

雨の七夕の日、父の死という出来事を前に気力を失っていた14歳の妃織に、少し不思議な雰囲気を纏った少年が話しかけてきます。
初対面のはずなのに、まるで友人かそれ以上の関係のように踏み込んでくる少年。しかしなぜか、それを自然かのように思えてしまう妃織は、彼の「また来年」という言葉を信じ、彼と会った神社へ翌年の七夕の日に向かいます。

しかし、そこにあったのは一通の手紙だけ。

「この距離だけは、思いだけではどうすることもできないのだろうか」

2つの星の間には14.4光年の距離。
プラネタリウムで聞いたその話に望みをかけ、あの出会いから14年半後。1月の雪の降る神社に向かった妃織は………


ネタバレ有りの感想とか

















ネタバレ始まりまーす

・14.4光年
聞いていた中で少し引っ掛かっていたのが、「14.4光年」の事。
2人が会うのに14年半かかるんだ、という話が物語の主軸だったのですが、物語の中では灯彦こと彦星しか会うために行動していない「ように聞こえる」描き方をされていました。

しかし、彦星しか移動していないのであれば、片道14年半、往復で29年かかる。
つまり、14歳で会った次に会えるのはいきなり43歳の時で、「28歳の冬に会えなかった」という話と矛盾してしまいます。

ずっと引っ掛かっていた中、ラストシーンで気づきました。
織姫も行動していたのです。七夕の度に、神社に向かう。
家から神社はそう遠くない描かれ方と感じましたが、それは14.4光年の距離であり、織姫の「彦星に再び会いたい」という意思。それが最も重要なのです。

・恋人
28歳、神社に向かうも彦星が現れなかった妃織。

彼女はいったん、「男性」と結ばれます。
この男性、「語り」「織姫の父」との兼役なのですが、この男性も色々な解釈ができます。

彼はもしかしたら妃織を試すために現れた存在なのかもしれません。「織姫の父」と兼役だった事も説明が付きます。(ただし、声色等「語り」とは別の演技になっていました。)

あるいは、本当に偶然妃織と出会った普通の男性だったのかもしれません。
かなり酷い形で妃織と別れることになってしまった彼の今後が気になります。
「語り」がこの「男性」と同一だとしたら………と考えるとなかなか面白いかもしれません。

天体違いですが、このシーンでは「かぐや姫」の物語が浮かびました。
宇宙からの超常的存在が、美人の女性として地上に現れる。
男性と結ばれそうになるが、結局宇宙へと帰ってしまう………

・雨の七夕

雨の七夕は天の川が見えないことから、日本では忌避される傾向にあります。
しかしながら興味深いことに、お隣の国韓国では「七夕は雨になる。長い間引き裂かれていた2人が流す嬉し涙が雨になる」と言われています。

彦星が雨が似合う男、というのも良いのではないでしょうか?

・アフトの事

見たくないですか?まほねぇの彦星役

稽古場、代読でやったらやばかったそうです。
見たいですよね

これは舞台創造科のわがままなんですが、てっさんと組んで欲しいです。

まほねぇはヤバい役者って言われてましたが、多分後方麒麟面になってたと思います。わかります。


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