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デコトラとバイクとスタァライト
まず最初に
この記事はスタァライトアドベントカレンダーのためにぐりぐり書いた記事です。
他の記事も粒ぞろいですので是非見てみてください。
さて、この記事では双葉のバイクとふたかおのデコトラ、そしてしゃぷふぉの空港のシーンの話を実はのりものオタクである私が適当に語っていきます。
皆さんがスタァライトの思い出を語っているところに突然のディープ(だと自分で思う)なオタク・トークでびっくりするかもしれませんが、どうかお許しください。思い出に関してはいつか別の記事にします・・・
あと、もし間違ってるとこがあったら、こっそり教えてください。
舞台創造科、羽田!今宵、雑学をあなたに!!
ミチルと純那の飛行機
さる12月6日に、舞台#4のブルーレイが発売されましたね。
その中に、帰国した純那をミチルが空港で待ち伏せているシーンがありました。そのシーンの事をなんとなく考えてたら面白かったので、急遽追記しました。
純那の帰国便
空港に到着した純那、その頭上に放送が降り注いでいます。
この放送、よく聞くと「日本航空、2便、サンフランシスコ行きのお客様・・・」と言っています。
この日本航空2便は実在する羽田発サンフランシスコ行きの便です。
1954年、戦後初の国際線として運行を開始した由緒ある国際路線です。上演当時は17時30分に羽田空港を出発するスケジュールで運行されています。(来年から変わるらしいです)
このことから、純那は羽田空港を利用したことが推定できます。
ニューヨーク発羽田行きの路線は数路線あります。
まずニューヨーク最大の空港であるジョン・F・ケネディ空港発の路線ですが、
日本航空 JL3便 5時10分着
全日空 NH159便 5時25分着
と早朝に到着する便しかありません。これでは辻褄が合いませんね。
しかし、ニューヨーク近郊には「JFK」「ラガーディア」そしてお隣ニュージャージー州の「ニューアーク」の3つの国際空港があります。
ラガーディア空港は、騒音問題や出入国管理設備が無い事から飛行距離2400キロ以上の路線は運航しておらず、除外。
JFKでもラガーディアでもないとなると、ニューアーク空港が残ります。
ニューアーク空港からは羽田行きの路線が1本あります。
ユナイテッド航空 UA131便 14時20分着
純那はこれに乗ってきたと考えると、JL2便に関する放送がかかってる時間に空港にいてもおかしくありませんね。
ちなみにこの便、週に1回くらいの頻度でディレイしてるっぽいです。まあ国際線はそんなものでしょう。
さて、純那が帰国にUA131便を使ったことがわかりました。
純那の持っているスーツケースは国際線でも機内持ち込みができるサイズなことから、おそらく荷物を預けてはいないでしょう。
(ただし、純那のスーツケースは当初もっと大きかったです。スーツケースを持って逃げるミチルに純那が追いついてしまうという理由でサイズダウンされています。)
この時間帯は、ロサンゼルスからのデルタ航空DL7便やパリからの日本航空JL46便など長距離国際線の到着が重なる時間。自動化ゲートが使える日本人とはいえ、入国審査を通過するのに1時間はかかると思われます。
便が30分遅れ、入国審査に1時間取られ、やっとこさ制限エリアを出たのが16時。
そんな純那の頭上には、JL2便の利用客にゲートチェンジの案内や早めのチェックインを促す放送が降り注ぐ。ちゃんとつじつまが合っています。
時差ボケもあり、ヘトヘトな純那ちゃんの前にミチルが現れるわけですが、今度はミチルの方にフォーカスしてみましょう。
ミチルは本当に同じくらいの時間に到着したのか?
結論から申し上げます。
してません。コイツしっかり待ち伏せてます。
ミチルの留学先はミュンヘン国立芸術院。
ミュンヘン発羽田行きの時刻表がこちらです。
全日空 NH218便 6時55分着
ルフトハンザドイツ航空 LH714便 9時5分着
かすってもいませんね。どんだけディレイしようが同じくらいの時間には絶対なりません。
羽田行きのドイツ線だと他にフランクフルト発がありますが、こちらも午前着の便か17時55分着の便しかないので、ミチルが純那を待ち伏せるというのだとおかしくなってしまいます。
もちろん、直行便で帰ってきたとしたらという仮定の話なので、ミチルがヘルシンキ経由(JL48便 14時20分着)で帰ってきたとしたら、バッチリ到着時間が合います。マイル修行僧かっての。
ただ、ミチルが純那を最小5時間最大8時間待ち伏せてる方が面白いし、鳳ミチルはやりかねないのでそうしておきましょう。
空港は暇つぶしの手段には事欠かないですし。サウナも最近できましたしね。
まあ、ミュンヘン帰りにしては荷物の量が少ないので、到着が同じ日ってとこから全部でっちあげの可能性も無きにしも非ずですね。
デコトラ ~石動丸~
劇場版スタァライト、「怨みのレヴュー」では二種類のデコトラが舞台を彩ります。
まずはそのうちの一台、石動双葉の「石動丸」を見ていきましょう。
石動丸のモデル車、竜神丸
この車両については、明確なモデル車両が存在しています。
「哥麿会 竜神丸」です。
上のCGWORLDの記事を見ていただくと石動丸の試作モデルが出てきますが、ここに書かれている参考にした車両はおそらくこれでしょう。
竜神丸はド派手なデコトラではありますが、装飾類を法的規制の範囲内に収めているため劇スでの石動丸と比べると装飾類が少ないです。
記事でも語られているように、「もっと派手に」というオーダーが監督から入ったのでしょう。
図説、これが石動丸だ!
モデル車は先に述べた通り「竜神丸」ですが、その車両の改造元の種車、モデルのモデルはいすゞの810というトラックです。
810はもともと社内開発コードの数字でしたが、「発展」と読め語呂が良かったためそのまま車名として採用。117クーペと同じ命名法ですね。
正確には810の中期型、8X4(前2軸後2軸、2軸駆動)の車両。
竜神丸と中身が同じだとしたら、排気量16.6LのV10エンジンを積んだモデルになります。
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①:ウィングコンテナ
石動丸も花柳丸もウィングコンテナを装備しています。フォークリフト荷役の利便性向上のため、コンテナの左右が羽のように持ち上がるコンテナです。
左右が大きく開く特性を活かし、イベントの際簡易舞台として使われることも多いです。
②:グリル
810は、初期、810スーパーこと前期、810スーパーⅡこと後期、810EXこと最終と4回マイナーチェンジしています。
初期型はライトが丸目2灯なのですぐ見分けがつきます。
前期型はグリルが縦でのみ区切られており、いすゞ社章(矢羽根マーク)がグリルの外にあります。
中期型はグリルが格子状で、矢羽根マークがその真ん中に付きます。
最終型はヘッドライトが横長の長方形になります。
石動丸は、グリルが格子状のため中期型(810スーパーⅡ、89年~91年製造型)であるとわかります。
③:ナンバープレート
劇スでのナンバープレートはどちらのデコトラも「聖翔 99」から始まってましたね。
現実で分類番号が9になる車両は「大型特殊自動車」です。
もしここが「100」「101」だったら大型貨物車なんで正しいんですけど、そんなん野暮ってもんですね。
ちなみに、分類番号は現代では3桁ですが98年(軽自動車は05年)まではこのように二桁でした。
それゆえ、現代でナンバープレートが二桁なのは「管轄の陸運局が同じまま98年以降も欠かさず車検を通ってきた車両」ということになります。
大事にされているんでしょうね。二桁ナンバーエロい。
④:シートキャリア
屋根の上にあるやぐらのような部分。ここはシートキャリアと言います。
ダンプトラックの積み荷飛散防止用のシートを格納するためのパーツが元になっているためこういう名前ですが、デコトラの物は収納機能は無い物が多いようです。
基本的に、カスタムショップがパーツを溶接して制作するワンオフ品です。
⑤:エアホーン
別名ヤンキーホーン。ラッパのような形状の通り、ラッパのような音が出ます。たまにダンプが鳴らしてるあれです。
通常の電子クラクションと違い、コンプレッサーで圧縮した空気をホーンに送って鳴らすため、電動コンプレッサーと専用エアタンクを積む必要があります。
⑥:サイドミラー
ド派手なミラーはステーごと交換してあります。これもワンオフが多いです。
下についているのはサイドアンダーミラー、左ドアの真下あたりの死角を確認するためのミラーです。
内側に付いているミラーはフロントガラス真下の死角を確認するものです。
⑦:フロントバンパー
目を引く派手なフロントバンパー。石動丸のものは「ラッセル」と呼ばれるタイプです。
除雪車みたいな印象を与える斜めカットが由来。
バンパーから突き出ている巨大な棒はおそらく旗竿が由来でしょう。
⑧:電飾
ド派手な電飾は夜に映えますね。
劇スでは、無灯状態の物を3Dレンダリングし、そこにAfter Effectsで点灯エフェクトをかぶせて作っているそうです。
3Dソフト上で点灯させることもできはしますが、とんでもない複雑さの設定とレンダリング時間がかかりそうですね。
実際のデコトラでは、バッテリー容量を大きくしたりオルタネーターを強化して点灯させていますが、それでもバッテリー上りは悩みの種だったようです。
⑨:安全窓
左下方を確認するための窓。法令でふさぐことが禁じられているため、内側からは透過していて外が見えるパーツか「イベント用」装飾パーツを装着します。
いすゞ810は、窓枠に出力と形式がわかるデカールが貼られます。
竜神丸はここにV340のデカールが貼られているため、出力340PSのV型、10PD1-Sエンジン搭載車両であることがわかります。
ちなみに10PD1はこんな音がします。劇スで鳴っていた音と比べると、セルモーターが甲高いですね。
いすゞの車両がモデルに選ばれたのは、いすゞといするぎの語感が似ているからでしょうか?
デコトラ ~花柳丸~
では、もう一台のデコトラ。清水の舞台から飛び降りる、「花柳丸」の話をしましょう。
花柳丸のモデル車、菱星丸
デコトラにわかでした。モデル車両判明しました。
「菱星丸(りょうせいまる)」という車両です。
上記の石動丸モデル車、竜神丸が「爆走トラッカー軍団」の撮影のために制作された車両なのに対し、こちらの菱星丸は実際に事業用ナンバーを取得し、埼玉県の運送会社で東京大阪間の定期冷凍貨物便として運行されていた車両。仕事車というわけです。
13年時点では現役でしたが、22年の記事ではオーナー曰く既に引退しイベント用になっているそうです。
最近は、デコトラは法的に問題のない車両でも、物流センターや倉庫、整備工場に入庫を拒否されることが多いらしく、運送会社で事業用として荷物を運ぶ車両は少ないそうです。
花柳丸は、車両としては三菱ふそう・スーパーグレートFS型がモデル。
スーパーグレートは息の長いモデルで、96年の登場から17年までモデルチェンジ無しで製造されています。
もちろん、時代に合わせた外装デザインのリニューアルや規制対応は行われていますが、花柳丸はグリル部分が後述するように大改造されていることや、改造元の面影を残すドア部分だけでは年式が判別できないため年式は不明となります。
もしかしたらどこかにモデル車の年式資料があったりするかも。。。
最初期型だとして96年式、最終型だとしたら2017年式になります。
"99"年式?
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うちパこと打ち上げ大パーティーでデコトラ資料について言及しているシーン(30分10秒ほど)がありますが、年式と車種が違うことはどうやら意図されたもののようです。
どんな意図があって差をつけたのか、気になる所です・・・
図説、これが花柳丸だ(と思う)!
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もう、原形がありません。
エンジンに関しては、菱星丸オーナーがターボ付き(でV型でない)というような事をおっしゃっているので、6D24型、直列6気筒12Lインタークーラーターボ搭載と思われます。
①ロケット
荷台コンテナとキャブの屋根に付いているものは「ロケット」という部品。
名前こそロケット(67式30型ロケット弾発射機)と似ているから、というものですが、デザインの元ネタははとバスの「スーパーバス」が由来と言われています。
スーパーバスのロケットは客室用の換気ダクトだったそうです。
ウィング開けた時当たるのでは?きにしぃやなぁあんたも。
②飾り
どこか祇園祭の山鉾を思い出す造形です。
③電飾
すさまじい数のマーカーランプです。
花柳丸と石動丸は派手さに差がつかないようにデザインされてはいますが、電飾の迫力はこちらの方が圧倒的な気がします。
菱星丸ではマーカー数が3000を超え消費電力は約18000ワット。
発電機を4機積んで光らせているそうです。
④ヘッドライト
丸ごと別物に変わっています。丸目のヘッドライトは前述したように三菱ふそう・Fシリーズが元ネタと思われます。
このFシリーズは後にザ・グレート、スーパーグレートへと進化しているので、この車両の先祖とも言えます。
⑤バンパー
石動丸の物に対し、花柳丸のバンパーは「ラッセル戻し」というタイプです。
ラッセル型のような斜めのシルエットですが、下側が内側に引っ込んでいる(戻っている)ため、ラッセル戻し。
⑥安全窓
唯一、改造元の面影が残る部分。
しかし、ドアのデザインは17年間のモデルライフの中でほとんど変わっておらず、手掛かりとなるフェンダー部も交換されているため確証が持てません。
菱星丸のドアは上に開くウィング仕様になっているようですが、開けることはあまりないそうです。
⑦前輪
前2軸の大きさが同じですね。
8X4のトラックの中で前2軸の大きさが同じなのは、国産大型トラックではスーパーグレートが初だそうです。
劇スのデコトラに欠けているもの
さて、デコトラ二種を見てきましたが、この二種、ともにデコトラでは定番のある要素が欠けてます。
まずひとつが「マニ割り」をはじめとする吸排気系のカスタム。
要は「音」のカスタムです。
急発進してチキンレースを始めるデコトラ。その時に排気音が鳴りますが、あまり派手な音ではありません。
もちろんすべてではありませんが、多くのデコトラは音も派手にするべくマフラーやエキマニを弄っています。
前述のマニ割りはその中でも定番と言えるカスタムで、エンジンの排気をマフラーに繋げるパイプ(とんでもなくはしょった説明)であるエキゾーストマニホールド、エキマニを改造するカスタム。
これをやると加速時に叩きと言う「ボボボボボ・・・」という感じの音、アクセルを抜いたときに「ビビビビビ・・・」という感じの鳴きという音が出るようになります。
採石場とかに行けば、ダンプの一台が必ず出してる音です。
まあ、あまりエンジン音が派手すぎるとセリフや音楽が聞こえなくなるって事情があるので、それでしょう。(でももうちょいこだわってほしかった。テンロクのライトバンみたいな音なんだもん。)
そしてもう一つが後部ドア部のグラフィティ。
ノーマルかのように無塗装です。なんで。
ここにも中村さんの歌詞乗っけてもいいじゃん・・・
双葉のバイク
MORに載っていた怨みのレヴューの削除された部分で、香子にボロクソ言われていたバイク。
TONDAのロゴが印象的なあのバイク、元ネタはホンダの「VT250F インテグラ」というバイクです。
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ホンダのVTシリーズの初代モデルとして発売されたVT250Fは、1982年発売。
頑丈で燃費が良くヒラヒラ乗れるバイクとして人気になり、その系譜は2017年のVTRの生産終了まで続きます。
つまり、乗りやすい人気車って事。
そんなVT250FのフルカウルバージョンがVT250F インテグラ。ネイキッドモデルから一年遅れの83年に発売しました。
なんでネイキッドモデルと同時じゃないのかと言うと当時はバイクにカウルを付けることが法で禁止されてたから。わけわかんないですね。
双葉のVTは、塗装やインボードタイプのディスクブレーキ、ハンドルに付いたサイドミラーから83年~86年まで製造販売された「MC08型」だとわかります。
さらに、タンクの形状からマイナーチェンジ前の1型、83年6月から84年2月までの最初期に生産されたものであるとわかります。
製造から40年近くが経とうとしてるド旧車に何故双葉は乗っているのでしょう。
双葉のバイク(ベータ版)
ではまず、こちらの動画をご覧ください。
17年6月に投稿されたスタァライトチャンネル最古の動画。
アニメ放映どころか舞台#1初演よりも前に、「スタァライトとは何か」を伝えるために作られたトレーラー動画です。
ふたかおが映るシーンもありましたが、違和感を感じた方もいるでしょう。
双葉のバイクが全く違うのです。
カウルが全くない丸目のネイキッド。
砲丸型デュアルメーター。
セパレートハンドル。
正直特徴が一致する車両が多すぎて特定はできません。
私は「2007年式のVTR(イタリアンレッド)をセパハンにしたカスタム車」だと予想します。
もし07年式のVTRだとしたら、「免許取り立ての高校生ライダーのファーストバイク」にはピッタリです。
中古価格は状態が良い物でも20万円後半~40万円台と、お年玉貯金やバイト代で手が届くレベル。
玉数がある人気車のため、故障してもノウハウが転がっているし部品も多い(新品が出るとは言っていない)。
セパハンカスタムも専用パーツが出ているため簡単ですし、なんなら前の持ち主がセパハン化したものを探して買うこともできるでしょう。
でも、アニメ放映段階では双葉のバイクはまったく別物になっています。
双葉はヤンキーだった?
今でこそ、少し男勝りでまわりをよく見て気遣いできる子として描かれていますが、#1の双葉は同級生を殺陣の稽古でしばいているオラオラ女子でした。
初期のふたかおには「ヤンキーとお嬢様」みたいなよくある対比も投影されていたのかもしれません。
#1初演の時の自己紹介を見ても、「口が悪い」「実戦仕込みの殺陣」というワードが出ます。
というか初演のてっさんかわいいですね。
ヤンキーと言えばバイク。ヤンキーのバイクと言えば族車。
そこに双葉のバイクのヒントが隠れています。
VTシリーズ、特に初代のVT250Fは、実は族方面にも人気があります。
単純に頑丈、玉数が多いので安い、と言う理由もあるのですが、全体的なシルエットがCBX400Fというバイクに似ている、というのも大きな理由でしょう。
CBX400Fがなんで族な人々に人気なのかははっきりしないですが、(自分は単に暴走族黄金期の車両だから、だと思ってる)とにかく人気なバイクです。
中古車価格は3桁万円が当たり前。鍵付きガレージに入れてもパクられる。
どんな部品でも価値が付くため「マグロバイク」なんて言われることもあります。
CBX400FとVT250Fの共通点は発売年が近いってとこと、ホイール。
ブーメラン型コムスターホイールと呼ばれるタイプのホイールと、ブレーキディスクをカバーで覆う当時最新のインボードディスクブレーキは、CBXそっくりです。
カスタムが難しい足回りがそっくりなら、あとはそれっぽいパーツを付けてライト類を変えれば疑似CBXの完成です。
ただし、直列4気筒のCBXに対しVTはV型2気筒なので、音は全然違います。
当然コールを切ってもです。そこはごまかせない。
音を寄せるか見た目を寄せるかの選択ですね。
おそらく初期の双葉には「特攻の拓」や「湘南暴走族」といったヤンキー漫画に憧れている、みたいな設定があったのでしょう。
監督たちリアル舞台創造科サイドも、レヴューを河原のヤンキー殴り合いに例えたりしていたので確実に意識はしていたでしょう。
しかし、マジモンの族車に載せちゃうと設定が瓦解します。
なので「族車の象徴たるCBXに似たVT」「乗りにくいロケットカウルじゃなく純正フルカウル」「2ケツ」という要素を加味し、バイク便のイメージしかないゼルビスではなくVTインテグラを選んだのでしょう。
双葉の足バイク、お値段は?
VT250F インテグラ。これを欲しいと思った方、いらっしゃるんじゃないですか?
アニメに影響されてバイクを買う。いいと思います。
かくいう私も「スーパーカブ」というアニメを見た結果「ビーウィズでも買うか」って足原付を買いに行ったヤードで郵政カブを衝動買いしています。
色こそ違うものの、低走行の極上車が出てます。91万円。
俺は自分でなんとかするぜ、という方ならヤフオクで探すという手もあります。ヤフオクではレストアベース車が20~30万くらいで取引されていますね。
まあ高いです。前述したVTRと比べても全然高いですし、高年式のVTRとはかかる維持費も違います。(ちなみに私の友人は、00年頃の最初期のVTRをヤフオクで8万円で買ってました。)
部品が一つ壊れればバイク屋と財布との三者面談が始まりますし、場合によっては四六時中ヤフオクをチェックしないと気が済まない病気にかかります。
わかります。私が乗ってる93年式のバイクでもそうですから、もう10年古いとなるとかかる手間も違うでしょう。
双葉はそんなバイクを日常の足に乗ってます。毎日の通学で使ってるので、数キロ/日くらいの勢いでオドメーターを回しているでしょう。
(聖翔と星光館、それぞれ場所は特定されていますが、学校と寮の位置関係としては明らかに離れすぎているそうです。)
旧車ながら気軽に乗っている。それどころか、自分でメンテナンスしてる描写もある。
おそらく、親か親戚から譲り受けたバイクで気楽に接している、みたいな裏設定があったりするのでしょう。
そのへんも、監督に聞きたいです。監督や樋口さんにくだらない質問をしまくれる会の開催待ってます。
自分でメンテやってるの偉いですね。私なんかめんどくてオイルもバイク屋に投げてます。
香子は立ちごけを内緒にできるのか?
劇スのエンディング。香子は花柳彗仙を襲名して京都に行くわけですが、怨みのレヴューの最後にした約束通り、バイクを双葉から預かっています。
そして思いっきりぶっ倒してますね。
左を下にして倒れているので、センタースタンドのかけ方が甘かった・・・のか、地面が砂利か何かで沈んでバランスを崩したのでしょう。
VTインテグラはフルカウルなので、こかしたらどっかしら逝きます。
またがった状態でゆっくりこかす立ちごけではまだいいのですが、この感じだと誰も触ってない状態でバーン!!といってそうです。
当然カウルは悲惨なことになりますね。この倒れ方だとハンドルやウィンカーが折れたりもするかもです。
さあ双葉はんにバレる前に部品を買わなくては。
香子が目を皿にしてヤフオク見てると思うとちょっと笑えます。
幸いにも、記事執筆時点で同色のカウル一式が出品されていました。
即決五万円也。
先日行われた新宿ピカデリーでの劇ス舞台挨拶上映。
ふたかおの中の人であるあやてるが登壇しましたが、その中の質問でこの立ちごけの話題が出たそうです。
生田さん曰く、双葉は見て見ぬふりをするそう。
聖人君子だと思います。香子はこの相手を手放さない方が良いです。
カウル一式が無くなってストファイ仕様になってる元・愛車を前に必死にこらえる双葉も見てみたいですね。
ふたかお:浮気#スタァライト pic.twitter.com/BN5WXLWY0g
— 羽田🍅 (@haneda_n2) November 18, 2023
双葉のバイクのナンバープレート
双葉のバイクのナンバープレートは、アニメ2話の登校シーンで一瞬写ります。(これ、とんでもねぇ危険運転だよな)
登録番号は「2 品川 へ 88-28」。
「88-28」が「花柳-双葉」を表すというのは有名な話ですが、ここではそのほかの要素について考察してみます。
まず「2」。
これはVT250が軽二輪なので正しいです。軽二輪にはここに分類番号1か2が付きます。ちなみにオート三輪のような三輪自動車には3が付きます。
次に「へ」
ひらがなの「へ」は屁を連想させるため実際のナンバープレートには使われません。
他には「お(あと混同)」「し(死)」「ゐ」「ゑ」「ん」が使われません。
まあ、実際に発行されているナンバーと被らないためですね。
さて、本題は「品川」です。
これは、東京運輸支局管轄地域の内、世田谷区以外の地域で登録された車両を意味します。
要は、車両の「所有者の住所」「使用者の住所」「使用の本拠の位置」のいずれかが「中央区・千代田区・港区・品川区・大田区・渋谷区・目黒区・島しょ部」のどこかで登録されているという事。
聖翔音楽学園と星光館の位置が特定されている、という話が先ほど少し出ましたが、その星光館の位置は杉並区荻窪。
双葉が住民票を星光館に移していたら、バイクを登録する時に杉並ナンバーになるはずです。
聖翔の所在地は小平市なので、聖翔の敷地近くに星光館があると仮定しても多摩ナンバーになります。
もし仮に実家から住民票を移していなかったとしたらバイクは当然京都ナンバーになります。
ではなぜ、双葉のバイクは品川ナンバーなのでしょうか。
双葉のバイクの真の持ち主
これは完全に憶測なのですが、双葉はバイクを「東京に住む親戚から借りている」のではないでしょうか。
花柳丸の項で触れた「打ち上げ大パーティー」。
この中で、生田さんが樋口さんに「双葉は何故関西弁を話さないのか」の質問をしています。
その質問に対し、「双葉は西の学校に行っていたけど西の子じゃないのでは」という可能性の話を樋口さんがしています。(双葉が何故関西弁ではないか、については『双葉が香子のプロモーターだから』という理由もあるそうです。)
双葉はバイクが欲しいけど、親から「自分名義のバイクを所有するのは高校生ではまだ早い」みたいな感じの事を言われたのでしょう。
そこで、東京の、品川ナンバーの地域のどこかに住む親戚から「無期限無償貸与」という形でバイクを入手したのでしょう。
だとすると、高校生には不釣り合いな旧車に乗っていることの説明が付きますし、バイクが品川ナンバーでもおかしくないでしょう。
任意保険も、年齢を無制限にして家族親戚もカバーする補償にすればOKです。そのかわり保険料は跳ね上がるでしょうけど・・・
2ケツすることも加味すると搭乗者補償も入れているでしょうね。
双葉の免許と香子の2ケツ
中村彼方さんが脚本を手掛けられた、前日譚の漫画「少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア」の第一巻に双葉が免許を取る話があります。
作中の描写から、双葉が免許を取ったのは聖翔に入学した後ということになります。
日本では、二輪に二人乗り、つまり2ケツすることは免許取得後1年以上経たないとできません。
なので、1年の間は双葉だけがバイクで通って・・・いたのだろうか?
オーバーチュアで描かれている双葉の免許、種類表記をよく見ると、「普自二」の所ともう一か所に表記があります。
下段の左から二番目。ここは「原付」、原付免許の欄です。
原付も普通自動二輪もともに16歳から取れる免許。普通自動二輪は原付の上位なので、二輪免許を取ってから原付免許を取得することはできません。
つまり、原付免許を取ってから普通自動二輪免許を取りに行った、ということです。
でも自分一人の通学だけであれば、原付で十分でしょう。
双葉が免許を取ったのは「歩くのがつらいと香子が言ったから」。
聖翔に入学してすぐ、寮まで歩くのが億劫と感じた双葉は4月17日に16歳の誕生日を迎えると、すぐに原付免許を取得。
スクーターか何かを借りるなり買うなりしてそれで通学し始めます。
それを見た香子が「歩くのつらい、うちも乗せて」と言う。
当然原付じゃ2ケツできないので、双葉はバイクの免許を取りたいと親に言ったのでしょう。
免許取得から1年経って2ケツができるようになるまで、二人は仲良く歩いて登校していたのかもしれないですね。
以上、妄想でした。双葉がフルビット免許を目指していたという説もある。
アニメ2話はレヴュー初日の翌日、5月15日の話。
バイク免許の通いでの取得には最短でも23日ほどかかるので、15日と言うとおそらく2ケツ解禁直後。
そんな中AKIRAドリフトで止まる双葉も双葉だし、2ケツ初心者の後ろで爆睡できる香子も香子です。
メットの紐は締めた方がいいよ。
もしかしたら、一発試験で取ったという説もあります。
オーバーチュア作中の双葉のセリフにも「最短」という言葉が出てきますし。
作中では少なくとも5日、双葉は外出しています。
取得時講習の1日を除くと4日。つまり、4回の試験で合格したということになります。これはすごいことです。
実際は、一発試験の予約はけっこう埋まってて連続でサクサク取れるものではないようなので、こう最短には行かないかもしれませんが。
余談:ふたかおのヘルメットと双葉のバイクじゃなかったバイク
アニメ6話、ふたかお回。
実家に帰ると言い寮を出て電車を待つ香子の耳に、バイクのエンジン音が聞こえます。
一瞬期待し見るも、通ったのはバイク便のバイク。
VTシリーズは壊れにくく燃費がいいことから、族だけでなくバイク便でも重宝された車両。
バイク便のバイクの音と間違えるのも自然な事でしょう。
ただ、塗装はCB400系みたいなトリコロールでしたが・・・
ふたかおのヘルメットのモデルですが、SHOEIのZ-7と思われます。
現在は後継のZ-8が出て生産終了していますが、放映当時の最新モデルです。
双葉はワインレッド、香子はルミナスホワイトですね。
後継のZ-8もほとんどデザインは変わってないので、VTインテグラを買おうと思ったあなたはこっちも是非。
いかがでしたか。
筆が乗ってきた勢いでガリガリ描いてたら1万文字超えてしまいました。
オタク・トークをここまで読んでくださったあなたはすごい。ありがとうございます。
投稿日に読んでくださっている方の中には、エルドラドを浴びに行く人もいる事でしょう。
私は17日です。お互い無事でいましょう。
以上、アドカレ企画「デコトラとバイクとスタァライト」でした。
『飽きたわ』捨て台詞で
— しょる🍅 (@StLtDDD) October 29, 2023
絶交高速道路[わがままハイウェイ](highway night)#スタぬいのある生活 pic.twitter.com/gVu9zXPc2v