夜の呼吸
メダカが生きる
甕の中で
ただ浮かんでいるだけの
水草から
花が咲いた
生きているのかすら
わからなかったけれど
黙ったまま狭い水の中で
夜が訪れるたびに
光合成をやめて
水草は
呼吸をしていた
スクロールする
暗闇の布団の中で
混沌を集めては
ため息が また打ち上げられる
生きていることも
わすれかけていたけれど
水面の窓に浮かんだ月は
探してばかりの不安を
静かに照らしてくれていた…
ああ、そうか
僕も水草みたいだなと
あたたかい闇の隙間から
夜を静かに吸い込んだ
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