エコーの翻訳【レインワールド】
・The Wall/The Exterior
(ザ・ウォール/壁 ザ・エクステリア/外観)
お前の存在を感じるぞ、小さな生き物よ。
お前の適合によって……より私たちに近い存在となった。
与えられた印は、お前の想像を絶する贈り物だ。
この苦闘、このサイクル……全ては、輝く太陽に照らされた朝霧のように消えていくだろう。
我々は道筋を見つけた。
・Chimney Canopy
(チムニーキャノピー/煙突キャノピー)
見よ、このもぬけの殻となった地を……
嵐と廃墟、そして醜悪なものが居着いている。ずっと、こうだったのではない。
かつて私は伯爵として生活区であるブロックを二つ治め、貴族たちからも尊敬されていた。私には跡継ぎもいたのだ!
この場所に腰を下ろし、私は肉体の内部から、日が昇るのを眺めていた。
肉体のことは、今や遠いことのように思える。ほとんどの者がこの地を忘れているだろうが、私は残っている。
去ることができないから、思い出に耽っているのかもしれない。思い出に囚われているから、去ることができないのかもしれない。
・Sky Islands(スカイアイランド)
小さきものよ、聞こえるか?
これは大気のざわめきか?
もう長く死んでいる幾千もの声が絶え間なく喋っているだろう?
彼らは居ない、だが彼らは喋っている。ここでもなく、そこでもない。
覚えがあるか? ああ、私のような苦境にある者としては、実に愉快なことだ!
・Farm Arrays
(ファームアレイズ/農場アレイ)
奇妙だ……これだけの時が過ぎた今でさえ、何かが私を引き寄せているのだ。
天気は随分と変わってしまったが、この畑は……たとえ眼で見ずとも、優しい風で未だに草が揺れていると分かる。
無限に広がる宇宙の空洞を掴んだ……しかし、ここで私は、かつてと同じように、熟考しては畑を眺めている。げっ歯類のような生物と話している。
・Subterranean(サブタレニアン/地下)
小さな獣よ!
だが、他の奴ほど昼行灯なわけではないだろう?
多くの者たちがそうだったように、お前も深く落ちて行くのだ。何度も何度も空虚に引き込まれて、幾度となくポタポタ、ポタポタ……
それらのように隧道や洞窟は私を楽しませてくれるぞ。忘れられた文明の骨が、そこらの棒切れとして積み重なっている。
奴らは深く掘りすぎたのか、それとも不十分だったのか?
愚か者共。ただ真っ直ぐ掘り進めた我々こそが正しかったのだ!
・Shaded Citadel
(シェイデッドシタデル/影の城塞)
君に名前はない。
私にはあった! 私は防腐処理をされ、装飾され、旅立つ準備が整えられた。
とても誇らしいことだ。歓喜の声もあった! 私の名は高らかに歌い称えられた。
彼らは知っていたのか? 私が去ることも、留まることもできなかったことを?
恥じるべきか? 私の記憶が保管されている、この場所にいるのを?
今となっては君の牢獄である肉体を羨んでいることを、恥じるべきなのか