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No.54 「GGG」のお話

 父親が無類のボクシングファン(特に、辰吉丈一郎)である影響で、僕もボクシングを見ることが大好きでした。

 辰吉vsウィラポンの試合を見て、その後ウィラポンに長谷川穂積選手が判定の末、勝利してバンタムチャンピオンになりました。このとき、父親が大好きだった辰吉の仇をとった長谷川穂積選手を父親と二人で追いかけることにしました。特に、ウィラポンとの再試合でのKO勝利で「長谷川穂積、強い!かっこいい!」と、ますます長谷川穂積選手の大ファンになりました。

 10度の防衛記録で5年間もの間、チャンピオンの座を守り続けましたが、当時WBOバンタム級チャンピオンだったモンティエルに敗れ、事実上の統一戦にて防衛記録は途絶えてしまいました。

 それでも諦めず、最終的には三階級制覇をした長谷川穂積はかっこよかったです。京都にいた関係で、よくテレビで長谷川穂積がテレビ出演していました。たまたま、そのテレビを見ていたボクシング好きの友達が突然「明日、ボクシングジムに見学に行こう!」と言い出し、勢いで自転車で行ったことを思い出します。

 とりあえず見学だったのですが、ジムの人のご厚意で体験を急遽させてくれました。そのときに、ジムの人が「君は面長やねぇ。パンチ食らい易いかもなぁ。。。でも大丈夫やで!赤井英和もトミーズ雅も顔はでかいけど強かったから」と僕に言ってきました。ボクシングをやらなくて良かったと思っています。

 そんなこんなでボクシングのビッグマッチは今でも録画を見るのですが、僕が一番好きな選手はメイウェザーでもなく、パッキャオでもなく、ゲンナジー・ゴロフキンです。通称、GGG(トリプルG)。

 顔はどこかキュートでセクシーなんだけど、とにもかくにもハンサムです。あの笑顔が素敵で、めちゃくちゃ優しい人な感じが伝わってきます。でも、リングに上がるとグイグイ前に圧力をかけて、相手を圧倒してKOします。それだけでもかっこいいんですが、僕が個人的に一番かっこいいと思っていて好きなところは、彼のリングコーナーへの帰り方なんです。あの堂々と帰っていく姿がなんとも言えないけど、めちゃくちゃかっこいいんです。

 自粛期間中に、自宅のテレビのハードディスクを整理してました。wowowでのボクシング中継が録画されていて、あらためて「ゲンナジー・ゴロフキンvsカネロ・アルバレス」の試合を二本見ました。

 一試合目はドロー。GGGのチャンピオン維持に終わったのですが、僕は絶対にGGG勝利だったと思ってます。

 それで諸々あって、再戦が実現したのですが無敗のGGGが判定の末、カネロに負けてしまったんですよね。本当にショックでした。

 そのGGGに勝ったカネロもスター選手で、あのメイウェザーと試合もしています。もちろんカネロも強いのですが、GGGに惚れている僕としてはカネロが憎い。

 メキシコ出身のカネロですが、メキシカン・ボクサーというのはすごく人気があるそうです。GGGとカネロの試合でも、アメリカのラスベガスで試合が行われていましたが、観客はカネロの大歓声。それに加えて、チャンピオンのGGGが先に入場してくるというカネロがメインと言わんばかり。

 ただ、是非見ていただきたいのがニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたGGGvsレミューの試合。GGGが入場してきて「Seven Nation Army」がかかった瞬間に、観客が曲に合わせて「オー オオオ オー オー」と大合唱するところは、鳥肌ものです。GGGもスーパースターであることをカネロファンだけでなく、多くの人に知ってもらいたいです。

 GGGを倒したカネロも、長谷川を倒したモンティエルも、山中を倒したネリも、みんなメキシカン・ボクサーです。確かに強いですが、応援している選手をことごとく倒すメキシカン・ボクサーが、僕は憎いです。

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