行政書士試験に合格した私の思う「育休中のリスキリング」について
X(元:Twitter。いつもTwitterって書いてるのでTwitterって書きます。)では報告しましたが、この度令和6年度行政書士試験に合格しました。
私は現在育児休業取得中のため、「育休中のリスキリング」に成功したということです。
(やったー!うれしいね!)
ですが、育休中のリスキリングについて、言及した岸田総理(当時)はTwitterでかなり叩かれていたように記憶していますし、今もTwitterでは「配偶者が育休中なのに資格の勉強をするとか言い出して困る…」とか、「育休中の資格取得なんか無理!」といった投稿を目にすることもあり、あまり前向きな話は聞かないイメージがあります。
では、実際挑戦してみてどうだったのか?
私の経験についてお話したいと思います。
1.資格取得の動機
そもそもなぜ「前向きな話を聞かないイメージ」を持っていた育休中のリスキリングに挑戦しようと思ったのか?
「育休中のリスキリング」という言葉を知ったのは、「岸田総理(※当時)の炎上」がきっかけでした。
野党議員からの追求もあり、Twitterでも炎上していたそうです。
私は育児中の友人から、「(岸田さんの発言は)ありえない」という話を聞いたことでこの炎上を知りましたが、当時子供のいなかった私はその「ありえなさ」を深く理解することは出来ず「ふーん、そんな話があるのか」とだけ思い、頭の隅に「育休中の学び直し」という発想を残すこととなりました。
時は過ぎ、2024年5月、第1子を出産。
3時間おきの授乳に代表する睡眠がうまく取れない育児生活が始まり、夫は転職直後(妊娠と同時期に前職より高待遇での転職が決まりました)で長期育休などもってのほか。夫の両親も私の母も県外に住んでおり気軽にヘルプを頼めない…。
夫が定時退社可能でかつかなり家事に協力的であったため、育児のみに専念することが可能でしたが、夫が帰宅するまでは私ひとりで言葉の通じない新生児のお世話をしながら新生児を警戒する猫のメンタルケアをして、話し相手はTwitterのみで家から出ることもほとんどないといった状況。子供は退院直後からあまり泣くことがなく、空腹時にのみ泣き、疲れたら寝落ちをしてくれる子だったのですが、体力が着いてきたのか「眠いのに寝られなくて泣く」が追加。じゃあ寝ろよと泣く子にキレ散らかしたくなるほど…。
「母性」に満ち溢れた人間ではなかったのか、赤子のお世話だけをする生活が辛くなり、夫に「帰宅後からの役割チェンジ」を依頼しました。それまでは私が育児をし、夫が帰宅後に家事(私たちの夕食を作る、風呂を洗う、洗濯物を畳む)をしてくれていたので、夫の帰宅後は育児を夫に任せ、家事を私が担うことに。幸い子供は「ねんねが上手」で、夜19時の寝かしつけのあと朝までは空腹で2度目を覚ます以外は起きることなく、しかもその時間帯のミルク後は寝かしつけせずに寝てくれるようになっていました。(夫就寝後、だいたい3時~4時頃発生するいわゆる「夜勤」は私が対応)
そうすると子供が寝てくれることで発生した「自由時間」を夫婦の時間にあてたり、ゲーム等自分の好きなことにあてられるようになり、メンタルもかなり回復してきました。
そこで思い出したのが「育休中のリスキリング」。
婚前に買って仕事の忙しさや結婚式準備、妊娠中の不調を言い訳に放置していた行政書士のテキストが目に入り、2024年7月、産後ボケ防止も兼ねて試しにやってみようかな…と、思い至ったのでありました。
2.合格までの道程
育休中のリスキリングといっても、なにをどのように取り組むのかは人それぞれです。そのため、簡単に「私がどうしたのか」を説明します。
対象:行政書士試験
勉強期間:2024年7月~試験日(2024年11月10日)
前提条件:法学部卒
一応法学部を出ているといえども、法律関係職にはつきませんでしたし、ゼミでやっていた民法はまだしも他の科目についてはほとんどなんのことか忘れているような状態でした。
そのためまずはインプットから。7月~9月半ばはテキストを思考停止で丸写しし頭にぶち込み、並行してアプリで過去問を選択肢ごとの○×で解き知識の定着をはかりました。
10月頃から、問題集での演習を開始。択一の問題集は持っていたので、記述対策の問題集を購入し、それぞれ3周ほど繰り返しました。
取り組んだ時間は正確に記録していないのですが、おそらく200時間弱です。7~9月は勉強しない日もあり平均して1日1時間ほどやっていたと思います。10月、11月はほぼ毎日机に向かい2時間ほど勉強しています。机に向かっての勉強は子供が寝ている時(19時就寝)に行い、日中は子供の昼寝に合わせて睡眠を取り簡単な家事を済ませました。子供が起きている時は勉強らしい勉強はしませんでしたが、誰かに話すことで記憶の定着になるので、子供に話しかける際に思い出し学習として勉強した制度や判例を口にすることがたまにありました。
得点は以下の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1738559660-q4oT7w5DChrNHGLVUyJ1iMjd.jpg?width=1200)
3.育休中のリスキリングは「ありえない」のか
以上の経験より、「育休中のリスキリング」はありえないのか?結論としては、ありえますということになるのでしょう。
……私の「合格」という結果のみに着目すれば、の話ですが。
というのも、「動機」の項目である程度言及していますが、育休中のリスキリングについては欠かせない条件がいくつかあると思っています。
私の試験合格の結果は、その好条件が重なった上で成し遂げられたものである。このことはハッキリと断言しなければならないと思っています。
育休中のリスキリングそのものがありえないのではなく、全ての育休中の父母が可能でありすべきことだとの考えがあるのであれば、それは流石にありえないだろうとの立場です。(私としては、先述の岸田総理(※当時)の発言については、育休中のリスキリングを強制しているものではないとの認識です。)
4.育休中のリスキリングに必要な条件
では、その「条件」とはなんなのか。
以下述べたいと思います。
①自由時間の創出が可能
言うまでもありません。
この条件をクリアするために必須と思われるのは以下2点です。
(i)配偶者の協力
私の場合、仮に、家事育児をすべてやり資格取得も!となっていたとすると確実に不可能でした。
帰宅後になんの不満も言わずに子供を風呂に入れ、ミルクをやり、寝かしつけてくれる。これだけでかなりの体力気力が温存でき、机に向かおうという気になれました。
(ii)子供がよく寝る子である
配偶者の協力があったとしても、子供が寝ない子だったらやはり資格取得は不可能だといえるでしょう。子供が泣き、働く配偶者がその対応を何十分も何時間もしている中で勉強ができますか?
8月頃から夜はほとんど寝かしつけ不要ですんなり睡眠に入ってくれた我が子が、私の挑戦を支えてくれたと言っても過言ではありません。
(「セルフねんね」については最近でもTwitterで悪い方向に話題になっていたのですが、私個人としては、子供が元々寝ることが上手だったため、セルフねんねを目指すことを可哀想と思ったことはありませんでした)
また、この条件に関連して、(私側の身体の都合で不本意でしたが)完全ミルク育児であったこともプラスに働いていると思われます。
②試験への適正
行政書士試験は合格のために約500~1000時間はかかる試験とされています。
この試験に育児をしながら短期間で合格出来たのは、試験への適正が少なからずあったからではと思います。
それは能力の話ではなく、興味関心を強く持って向き合うことが出来るか?という観点の話だと思っています。集中して向き合うことが出来たのは、そこに楽しさがあり、ストレスがなかったからです。
行政書士試験ではなく別のものを選んでいたら、合格出来なかったか、あるいは撤退していたでしょう。事実私は産前休暇(第1子の産前休暇はお世話する子もいないため、体調さえよければ正直暇で仕方ないと思います)に簿記2級取得を試みていますが、参考書を開いてしばらくしてすぐ断念しています。何を書いているのかあまりわからず読む気になれなかったので……。
以上、これらの条件をクリアしたからこそ、「育休中のリスキリング」に成功することができたといえるでしょう。
5.結局何が言いたいの?
アツくなれたぜ!!ひとりじゃ出来なかった
本当に 仲間たちに スゲーッ マジで感謝!
行政書士試験の合格は素直に嬉しいので、褒めてください。
以上です。