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作品から学ぶロシア雑学(フルシチョフカ/クリスマス)

Привет!
大阪大学ロシアサークル【Рассвет】のなーたそです!
今回はロシアの有名なコメディドラマについてご紹介したいと思います!
※なお、ネタバレを含みますのでご了承ください💦

「Ирония судьбы, или с легким паром!」(運命の皮肉、あるいはいい湯を!)

あらすじ

大晦日の夜、モスクワで友達と酒を飲んで酔っ払ったЖеня(ゼーニャ)は、後に友達が乗るはずだった飛行機に誤って乗り込んでしまう。
空港で目を覚ましたЖеня(ゼーニャ)はそこがレニングラードであることを知らない。モスクワであると思い込んだままタクシーに乗り込み、自宅の番地を告げる。
すると偶然にもその番地はレニングラードにも存在し、さらに不運なことには、自宅と同じ外観、内装、そして同じ鍵のモデルハウスに辿り着いてしまったのだ!
モスクワの自宅だと信じ込み、疑うことなく入り込むЖеня(ゼーニャ)。レーニングラードにいるとはつゆ知らず、他人のベッドでぐっすりと眠ってしまう。
するとやがて、その部屋の持ち主であるНадя(ナージャ)が帰ってきて…

さてさて

ロシアでは、このドラマは大晦日に放送されるのが毎年恒例となっているそうです。日本でいう紅白歌合戦みたいなものでしょうか?

日本語字幕がついているものがあるのかわからず、私はYouTubeで英語字幕で見たので、一言一句を理解することは難しかったのですが、映像だけでも十分に理解することができました。

しかしこの話……  馬鹿げていますよね、、?(笑)
レニングラードにモスクワと同じ番地が存在していて、そこには同じ外観のモデルハウスがあり、内装まで似通ったその部屋が自分の鍵で開いてしまう、という。
なんのための鍵?って思ってしまいますけれども(笑)

フルシチョフカ

しかしまあ、この似通った地名や建物については、一応最初のアニメーションでも示唆されているんですね。
何か指揮者のような人がビルを統率し、建物の変形や装飾が規制されたような描写も見られます。

作品中のアニメーション

どうやら1960年代のソ連では、人口が密集している都市での住宅不足を解消するために、政府が住宅政策を行っていたようです。
政府によって建てられたそれらの代表的な集合住宅のことは「フルシチョフカ」と呼ばれますが、なるべく安く、早く、そして多くを立てることが重視されていました。
そのために鍵の種類も数種類しか存在しなかったのだとか、、!?(Wikipedia参照)

ところでこの「フルシチョフカ」、従来とは少し異なった建築の仕方が試みられたこともあるのだそう。効率を追求するあまりに行われた、その突飛な建築方法というのが、ズバリ、”屋根から造る” !!
所有台数に限りがあり、設置自体にも時間がかかってしまうクレーンを、なるべく使用したくなかったみたいですね。
この建設に関しては面白い記事がありましたので、気になる方は是非読んでみてください↓
ソ連時代、これらの建物が屋根から下に向かって建設されたのはなぜか?(写真特集) - ロシア・ビヨンド (rbth.com)

ただこれらの住宅は、人々にとりあえず与えるための一時的な家のつもりだったので、ほとんどプレハブ作りのようなもの。エレベーターさえもないことが多く、総面積は小さく、天井は低く、そして防音性も悪い。耐震性も何もあったものではない……(꒪ꇴ꒪|||)ギクッ
今では何百万もの建物が設計寿命を過ぎているにも関わらず、未だに使われていることも多いようで、中には「使い捨て」と「耐久性あり」に分類し、的確に解体作業を進めていこうという動きもみられているのだそうです。

ロシアのクリスマス

あともうひとつ余談ですが、冒頭のシーンでЖеня(ジェーニャ)とГаля(ガーリャ)はクリスマスツリーの飾り付けをしていますね。しかしよく考えてみると、この日は大晦日です。…あれれ、もうクリスマス終わってない??

クリスマスツリーに飾りつけをするシーン

実はロシアのクリスマスは1月7日、年が明けてからなんですね。
私たちが俗に言うクリスマスとは、グレゴリオ暦を用いるカトリック教会のものであるのに対し、ロシア正教会で使われているのはユリウス暦、そもそも暦が違うのです!そしてユリウス暦の12月25日は、グレゴリオ暦では1月7日にあたるんですね。

ではロシアでは正月も遅れるのでしょうか?
いえいえ、ロシアだってもちろん、今はグレゴリオ暦ですよ!年明けは1月1日、ハッピーニューイヤーが遅れることはありません。

ただし旧正月という行事は今も残っているようで、それが1月14日にあたるのですが、そのためにクリスマスから数週間はパーティーしまくり、ごちそう食べまくり!とても太りやすい時期でもあるんだとか…(笑)

ちなみに「旧正月」、
ロシア語では「Старый Новый год」(スターリィ ノーヴィ ゴッド)と言い、直訳すると「古い 新しい 年」。
古いの?新しいの?どっちやねーん!って感じで、これまた面白い豆知識ですよね〜

ほとんど「運命の皮肉」なニュース

ちなみに、この映画について調べている中で、面白いニュース記事を見つけました。タイトルは「Почти «Ирония судьбы». Уфимка обнаружила под ёлкой спящего чужого мужчину」(ほとんど "運命の皮肉 "だ。ウファの女性がクリスマスツリーの下で寝ている他人の男を見つけた)。
自宅に帰ってきたら、知らない男が部屋で寝ていた、という恐ろしい記事ですw
もし興味があれば下記のリンクから読んでみてください↓
Почти «Ирония судьбы». Уфимка обнаружила под ёлкой спящего чужого мужчину | АиФ Уфа (aif.ru)

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
なお、このブログはあくまで筆者の見解にすぎませんので、詳しくは以下をご参照ください。また、ご感想やお気づきの点などございましたら、お気軽にコメントしていただけると有難いです!

参考文献

○ドラマ「Ирония судьбы, или с легким паром!」について
 ・Ирония судьбы, или С лёгким паром! — Википедия (wikipedia.org)
 ・運命の皮肉、あるいはいい湯を - Wikipedia
 ・Ирония судьбы, или С легким паром, 1 серия (комедия, реж. Эльдар Рязанов, 1976 г.) (youtube.com)
 ・The Irony of Fate, Part One | ROMANTIC COMEDY | FULL MOVIE (youtube.com)

○フルシチョフカについて
 ・フルシチョフカ - Wikipedia
 ・「フルシチョフカ」の住人たち (rbth.com)
 ・ソ連時代、これらの建物が屋根から下に向かって建設されたのはなぜか?(写真特集) - ロシア・ビヨンド (rbth.com)
 ・フルシチョフはどうやって国民全員に住居を与えようとしたか - ロシア・ビヨンド (rbth.com)
 ・5階建てのロシアへようこそ - ロシア・ビヨンド (rbth.com)
 ・https://cyberleninka.ru/article/n/zhilischnyy-vopros-serediny-1970-h-godov-kak-problema-sotsialnogo-obustroystva-v-sssr 
 ・【ゆっくり解説】旧ソ連 闇の深い建造物【社会主義建築】 (youtube.com)
 ・ソ連時代の一般的なロシア人の暮らし (youtube.com)

○クリスマスについて
 ・クリスマス - Wikipedia
 ・なぜロシア人は新年を2度祝うのか? - ロシア・ビヨンド (rbth.com)

○その他
 ・Почти «Ирония судьбы». Уфимка обнаружила под ёлкой спящего чужого мужчину | АиФ Уфа (aif.ru)
 ・DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール





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