半田そうめん 乾めんづくりへの思い
私はそうめん製造する事業所の2代目です。
自分の会社だけでなく、産地を良くしたいとの思いで日頃から働いています。
その由来は、江戸時代中期
吉野川の川舟で物資を運ぶ船頭衆によって、三輪から淡路、さらに鳴門を経て半田の里にその製法が伝えられたと言われています。
剣山から吹き下ろす風と吉野川水系の水にも恵まれて今日に至っています。
手延べでつくる
半田そうめんは、機械製麺ではなく手延べと言われる技法が中心です。
手延べとは、麺生地をひねりながら延ばす製法で
小麦粉に塩水を入れて練った生地を熟成させ、時間をかけて紐状に延ばして麺を作ります。
機械製麺とは異なり、多層構造をもつ麺はコシはありながらも粘らず、歯応えがいいとされています。
職人の高齢化
当産地もご多分に漏れず職人の高齢化が進んでいますが、「手延べ」は手作りの温かみだけでなく、乾めんの美味しさを作り上げる大切な要素であることに改めて気づきました。
どの産地でも同様だと思いますが、省力化のために機械設備を導入しています。当社でも一部の工程において設備を導入しました。
それは、「人が担当すると作業がきつい」「機械で作業を行っても風味を損ねない」(むしろ均一に仕上がる)などの利点があります。
今後も、手頃な価格で良質の乾めんをお届けしたい、人口減少や高齢化にあっても製造を止めることなく事業を続けていきたいと考えています。
そのため機械化は進めていきますが、どうしても機械化できない工程があり、そこに手作業の意義があります。
機械でできること、人の手で行うことを見極めながら「手延べ」の価値を伝えていきたいと思っています。