サッポロ一番みそラーメン から転調を学んだ話
※この記事は音楽理論のことをあんまり知らない人向けと思って書いています。消してあるところは正確に表現するために追記しているので無視していいです。
こんばんは。
ふと思い出したのですが、昔(小学生くらい?)姉と言い合いになったことがあります。「サッポロ一番みそラーメン」のCMソングについて。
うまく音声貼り付けられなかったので楽譜だけ…( ; ; )
CMソングって歌う人によってキー(高さ)がコロコロ変わるイメージがありますが、ひとまずCメジャー(ピアノの白鍵だけの、♯や♭がつかない調)で書いてみました。このメロディーはお馴染みですよね。
ちなみに「みそら」が移動ド的にミソラだったりします。意図的ですかね、粋ですね。
さて、なんで言い合いになったのかというと、この粋ソングを私はあろうことか間違えて覚えていたのです。
さ勘違いver.のほうは実は「みそラーメン」の部分がCメジャー(ハ長調)からCマイナー(ハ短調)に転調しています。長調から短調になっただけなので自然に聞こえるというわけです。この調の関係は、キーが同じなので「同主調」といいます。同主張に転調したわけです。
当時の僕はむしろ正解のほうに違和感を感じ、なかなか信じませんでした。というのも、原曲も実は転調していると言えます。
この曲は前半「サッポロいっちっばん♪」は明るい感じです。つまり長調です。しかし、後半「みそラーメン」は暗い感じです。つまり短調です。ただし、曲が長調なのか短調なのかは一概に決めにくいところがありますが…トニックで始まり、トニックで終わっていると仮定すれば、C→Amで転調しているわけです。
しかし、楽譜を見ると原曲には♯や♭が無く、転調している感じがありません。この転調こそ、「平行調」への転調と言えます。平行調とは、Cメジャー(ハ長調)とAマイナー(イ短調)のような、同じ音を使って表せる長調と短調のことを言います。
まとめると、原曲は「平行調」への転調、勘違いver.は「同主調」への転調をしていたわけです。
ここまで正確に把握していたかは忘れましたが、”あぁどっちも転調してるんだな” くらいでその当時は腹落ちした気がします。
音楽理論は基本的に、先に事実があって、なぜ?を追うように学ぶものと思います。これ自体はあらゆる学問に共通します。しかし客観的な事実をベースに展開される科学などと違って厄介なのは、根底の事実というのが「気持ちいい」とか「違和感」とかの主観的な感覚であり、人によって異なるところです。今回の場合、勘違いver.が全然しっくりこない人は全然面白くない話だったはずです。そういう意味で、ネガティヴに言うと、この理論はすごく人を選ぶと思います。なんとなく、音楽が「学」でなく「楽」である理由とも言っていいかもですね。つまり音「楽」できない人は学べないわけです。もちろん、数学で文字を使った計算に違和感を覚えなくなったように、感覚も学問を進めていけば育めますがね。むしろそこに魅力があるわけですが。
…脱線しましたが、ちなみにこの同主調、並行調への転調はかなりオーソドックスで、組み合わせもよく使われます。
(同主張の平行調、平行調の同主調)2つ組み合わせると、マイナスのマイナスはプラスみたいな感じで長調(単調)を維持したまま単純に+4とか-3とかできるんですよね。知ると一気に幅が広がるところです。
https://www.studionoah.jp/book/2012/04/_15/
ちなみにサッポロ一番みそラーメンは父のお気に入りであり、我が家では常にストックされていました。その反動からか、私はたまに食べていた塩が一番好きです。皆さんのお気に入りサッポロ一番は何味ですか?
最後まで読んでくれたあなた、さぞかしラーメンが食べたくなったことでしょうが、冷静に時計を見ましょう。それではおやすみなさい。