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子どものヘアカットからの卒業

子どもたちはどういうきっかけでヘアスタイルに関心を持つようになるのでしょう?我が息子4,5歳も、彼らがまだ自分の髪型に関心が無いことを良いことに、前髪を極端に短くしたり、パッツンにしたりと、これまでいろいろと遊ばせてもらいました。ところがそれもそろそろ卒業なのかもしれません。

まだ日本にいた頃、当時2,3歳の息子たちは、近所のモールにある子供用の10分カットのお店で散髪していました。その間にじっとして居られない彼らに欠かせないのは動画コンテンツ。手持ちのスマホで大好きな「トーマス」や「しまじろう」を観せれば簡単に乗り越えられました。ところがどういうわけか、シンガポールに来てからはパタリと行きたがらなくなってしまったのです。とは言え伸ばしっぱなしというわけにもいかないので、代わりに僕が自宅で切ってあげていました。もちろん散髪中の彼らのお供にはスマホの動画コンテンツが欠かせません。そこそこ拘ってしまう僕の性格もあって、その散髪時間は2人で1時間くらいと短くはありません。子どもは大好きな動画がじっくり観られるので毎回満足気な一方で、僕はその散らかった髪の後始末を終わる頃にはもう腰がパンパンになりしんどいはしんどいのです。しかし、仕上がりを妻や周囲の友人が褒めてくれたりするので、それはそれで悪い気もせず、最初はハサミだけだった工具も、最終的にはバリカンも導入してそれなりに“ごっこ”を楽しんでいました。

そんな中、ついに自宅近くの洒落たキッズカット床屋さんでカットしてもらうことにとうとう成功したのです。 “キッズ”を謳っているだけあり、各席にタブレットが設置され、我が子の要件も満たしています。これまでずっと外でカットすることを拒んでいた長男も、カタログから自分の希望のスタイルを注文。仕上がりも素晴らしかったため、母親からはベタ褒めされ、周りのスタッフにもしっかりと煽てられかなり気分を良くして帰ってきた息子。自分好みのスタイルを注文して、動画を観て時間を過ごすだけで、気づけば周囲の大人たちにベタ褒めされるというこのステキ体験はきっと病みつきになったことでしょう。

これでそれなりに楽しかった私の“ごっこ”がなくなってしまうと思うと、それはそれで少し寂しい気もしますが。

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