
left(セルフライナーノーツ)
見知らぬ窓辺に座る貴方を 浮かんだ言葉もかけられないまま
想いは巡ってまた過ぎていく そこに置き去りにして
leftをリリースしてからおよそ一ヶ月が経ちました。
たくさんの方に、様々なシチュエーションで聴いていただいているみたいで、本当にありがたく、そして嬉しく思っています。
この曲は、多分夏前ぐらいには、メロディーと歌詞は出来ていて、本格的にアレンジを検討しだしたのは、夏あたりだったと思いますね。
イメージ的には夏の終わりから秋、冬にかけてリリースしたかったので、そういう意味で言えば、狙った通りのタイミングでリリースする事が出来ました。
各種音楽媒体のインタビュー等で話している通り、HANCEの楽曲というのは、映像をイメージしながら作ることがほとんどです。
「シネマティックミュージック」
と自称しているのですが、こちらの楽曲も頭の中にぼんやりとイメージがありました。
ただ、今回の曲は、ドラマチックというイメージはなく、毎日の変わらない日常を切り取って、それぞれの人の人生やストーリーにフィットしたものを淡々と描きたいと。
そもそも、日常とはドラマチックでも何でもなく、何かに追われていたり、とりとめもない事をやらなければいけなかったり。ともすると、質素だったり、地味だったり。
でも、ふとした瞬間に、日頃表に出てこない感情がふっと顔を出してくる。そういう事って誰しも感じる事ではないでしょうか。
誰にでも起こりうる事、誰にでも感じうる感情を、そっと、そこに「置く」ようなイメージで曲にする事が出来たらと思い、「left」という曲を完成させました。
また、leftは大切な人との「別れ」をテーマとしています。
HANCEは「別れ」をテーマとして曲を制作する事は珍しくないのですが、この「別れ」についても誰の人生にも起こりうる事、起こっている事です。
恋人なのか、家族なのか、友人なのか。
それぞれの人生の中で、「分岐」となる別れに対して、解消できない「感情」があるとしたら。
閉じ込める事なく、またこじ開ける事もなく、そっと曲に出来たらと思い、紡ぐようなイメージで、メロディーに言葉をのせました。
この曲が、みなさんの日常に寄り添い、そして、ささやかな「支え」となることが出来たら、嬉しいです。HANCE