21歳 #13
僕は年齢で自分がどれくらいの人間か考えたりするのが好きだった。
14歳の時、絵にはまった
「僕の好きな絵師さんは23歳だから、まだあと追い越すまで9年あるな、良し!」
16歳の時、音楽にはまった。
「米津は28歳かー、あと12年間も音楽を練習する暇がある!」
間抜けである。どの教育を受けてこんな思考回路になったのかは謎だし、米津を追い越そうとしているのも、もはや可愛らしい。
ただ21歳になった今、そんなバカバカしい思考回路が時々蘇る時がある。
「言葉も喋れなかったところから、たったの21年でここまで成長したのだから、40歳になる頃には最強になっているのでは!?」
ただ、現実では40歳というのは最強どころか、40歳でお世辞にも尊敬できない人も多々いる。だから、この理論はいとも簡単に破綻する。
これからどんどん大人になって、やらなければいけないことも増えて、難しくなっていくのであろう。成長というのは線形的に増加するのではなくどちらかといったら対数的に増加するのであろう。なんなら増加するかも怪しいところである。
子供を見て、エネルギーの違いに驚く。21歳とは若い数字ではあるが、そんな僕でも小さい子供のエネルギーには驚く。そっか、このエネルギーを使って僕は成長していたんだな。
60代半ばの方と話したら、やはり昔より「ガツガツやる」という気力がないのだという。それはきっと自然の摂理で、悲しいことではないのだろうけど、僕はその場ではあまり考えないことにした。
世界がもっとゆっくりになって、難しくなっていく。僕もどんどん大人になっていく。けど、もうちょっとあらがってみようかな。