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くどうれいんさんに会った話

県文学賞の講演会にくどうれいんちゃんが登壇すると聞き、仕事を休んでかけつけた。
小さなホールでれいんちゃんが喋る。豊かな表情や言葉が可愛い。

テーマは「どうして書きたいんだろう」

高校生や一般の作家を目指す方、文章を書く方向けの講演で、れいんちゃん自身の経験や、彼女にとっての「書くこと」の意味などをお話ししてくれた。

私は書くことが好き。物心ついた時から変わらない唯一のことって、思えばこれくらいかも。書くことが、好き。
それを貫き通せばよかったのかなとも思うけど、そうしなかった私だから書けることを今書いてるっても思う。

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れいんちゃんの本は、実は一冊しか読んだことがなかった。

28年の人生で、1番ぼろぼろで、自分自身で人生の舵を取るしかないこともわかってて、だけどそれを投げ出したい、しんどいって思った日。

その日、姉が私に手渡したのが、れいんちゃんの「わたしを空腹にしない方がいい」。
追い出されるように家を出て、おいしいご飯屋さんで1人で読んだ。生きるしかないんだとボロボロ泣いた。手放そうとしたものを手繰り寄せる力をもらえた。

それは、読む気力も無くす日々を送っていた私が、数年ぶりに読んだ本でもあった。

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気づけばあれから季節は巡って、私は毎朝キッチンに立ちながら生活してる。でもこの生活の始まりには、あの日とあの一冊がある。

このことを、本人に伝えることができたから、今日は幸せ。姉には、まだナイショ。

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そんなこんなで、次にれいんちゃんの本を読む時は、元気な気持ちで読もうと思ってた。だからそれから彼女の本は読んでいなかった。

それを、今日、読むことができた。本人が書いてくれたサインと共に。笑顔と共に。

あー、元気だ。生きている。
生きているから、書いていく。その権利は私にもある。

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