ぐるしい


風だけが強い日だったバスタオル着てるみたいに服がはためく

なんでいるのなんであなたがいるんだろ私が触れられないその距離で

ヤクルトの蓋を舐めても叱られず乳酸菌が増えても孤独

公園の遊具も夜は鉄だって記憶を取り戻すから無口

よく冷えた砂場の砂を手袋を外して触るこれが心臓

星を見てもほくろのことを考えるつまりは恋ではなく愛なのだ

手さぐりで月をさがしてつかまえたきみのからだの下は真夜中

ヨーグルトこぼすと臭い着たばかりのパジャマを脱げばさみしい乳房

レタスにはなれない萎れてしおしおに腐った嘘をLINEで送る

お天気は人間が決めることじゃないと思うけど会いたいと雨

泥だらけにしたいしそれを泣きながら拭いてあげたい許しませんよ

靴下が嫌いなんです靴下はドアで袋で鍵で罰です

性癖のふりしてきみになじられることばかりしてどんどん海へ

食パンで涙をふいた行かなくちゃ桜が性懲りもなくまた咲く

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