💞マッチングアプリの辛さを乗り越えて　　　　　　　　　　　　　🌔🌓🌒🌑🌗🌖🌕

LOVE ノート　~告白~ 2

アプリに登録して一年余り、無事好きな人とマッチングできたわけだが、
ここまでくるまでのメンタルは喜怒哀楽のジェットコースターだった。

今は、多くの方が気軽にマッチングアプリで活動しているが、中々成婚までは難しいと感じているのではないだろうか？
何故ならモグラたたきゲームのように、アプリを互いに退会しないかぎり、ライバルは現われるからだ。

というより、手中にスマホがあれば、いつだって異性と繋がれる時代。
Xやブログ、インスタ、あるいはnoteでもDMを送って関係を始めることが
出来る。

ナンパより効率がいいし、信用しやすい媒体だ。
キッカケづくりは多様で簡単だが、パートナーとして、永続的な信頼関係を築くのに、今ほど大変な時代はなかったのではないのか。

アプリを始めとする婚活市場では、恋愛強者なら上手く成婚できるかというと、意外と何年も成婚できない人が多い。
人気が集中しすぎて数百人の中からは選べないのだろう。

選ばれる一番のポイントは写真である。男女とも笑顔で好感が持てること。
共に暮らすのに安らぎがあること、を基本として他の条件が加わってくる。
男性のプロフィールで気付いた点は、何才であっても１００％一人暮らしだということ。ごくまれに家族と同居していたら、いつまでに出ていくかと明記していた。

新しい家族を作るにあたっては、それまでの家族との別れを決意できる者が
パートナーを得ることが出来る。
親離れ、子離れできていない人にとっては厳しい現実がある。
更に、家族の状況によっては婚活はあきらめざるを得ない方もいるだろうが、時間が解決することもあるし、高齢になっての出会いもある。
希望を捨てなければ必ず実現のチャンスはあるのだ、ということを知ってほしい。

私が利用したアプリはパートナーズとPairsである。
パートナーズは主に中高年、Pairsは２０代から８０代と幅広い。
始めはパートナーズだけだったが、他のメンバーのお勧めもあって、
もう一つ追加することにした。

パートナーズでは、会員同士の掲示板があった。

そこに私とマッチングしたばかりのお相手がマッチング成功の喜びを報告していた。
お相手への最大限の誉め言葉が、私へのセリフと同じだったので、恥ずかしさと嬉しさで頬が熱くなるのを感じた。

が、読み進めていくうち、今週の土曜日にデートの予定だというところで、お相手が私ではない！ということに気が付いた。
腹立たしいことに、デート服のコーディネイトまでアップしている。

事務局に承認受けて掲示板に載るまで30分かかる。原稿を書く時間を考えると、自分とのマッチング後１分と違わなかっただろう。
いくら関係がまだ進まず、当初は複数候補がいても当然とはいえ、あんまりな男である。目前にいたら自慢のファッションを切り裂いていたかもしれない。彼にラストメッセージを送信した。

”貴方のような無神経な方と交際しなくてラッキーでした。末永くお幸せに。”
彼からは言い訳にもならない、しどろもどろの返信がきた。

後日の投稿は
”僕にはもったいない、ステキすぎる方”から、１回目のデートで断られた、とあった。彼に限らず婚活で2回目のデートに行ける確率はかなり低い。
ステキすぎる方ならば、候補者は掃いて捨てるほどいただろう。

”もったいなくない、素敵過ぎない私”にとっても、もはやどうでもいい男であった。

次、いこう！
次は”白馬の王子様”が来た！冗談ではなく本当に。
飛行機内のファーストクラスで、ワインを持ちながらじっとこちらを見つめている。
思わず引き込まれそうな瞳である。白いジャケット、白いパンツスタイルで、俳優であってもめったにいない容姿をしている。

彼からは自己紹介と熱烈なアプローチ文がびっしりと書かれてある。
世界を股にビジネスを展開している様子、だが、、、。
プロフィール欄には空白があった。出身地が書かれていない。

そこを指摘したとたん、態度が豹変した。
曰く、
”私のような上流社会の男から声をかけられただけでも名誉と思え！
君のような凡人とは住む世界が違う。云々。”
考えられる限りの罵倒をして去っていった。私も詐欺師には用は無い。

次！
ノーベル賞受賞者を輩出し、海外事業所もいくつかある団体の研究員。
気さくな方だったが、頭が良すぎる人と、この先、彼が満足できる
コミュニケーションが取れるのか、と思った。

更に接待好きな彼が、知人達を頻繁に自宅に招くだろうことを想像すると、
話題もさることながら、豪華なパーティ料理を毎回作れるだろうか、と
考えただけで気が重くなった。

先を見すぎなのは滑稽かもしれないが、婚活では、この人と結婚したら、
どんな生活が待っているのかを考えると思う。
実際、”今度お邪魔するときはどんなご馳走をしてくれるかが楽しみ！”
と言われ、彼とは続けられないな、と感じた。慣れないストレスより
これからは安らぎが欲しい。

まさしく前回の”白馬の王子様”のセリフ同様、住む世界が違うのだ。
アプリでは日常では出会えない人たちと出会う。
面白さがある反面、これまでの人生とあまりにもかけ離れたお相手とは
難しいと実感している。


はい、次！
旅行会社に勤務する在日３０年のアメリカンである。優しさいっぱいの笑顔が気に入った。日本人への敬意もある。
東京在住で私の住む地方都市には数日ホテルに宿泊して会う時間を取って
くれた。
始めて会った時はパンツスタイルの私を一巡して口笛を吹いた。スタスタ歩く速さも印象づけたようだ。ロスの実家に集合した一族の写真を見ると
大家族である。自分の姉は君を大歓迎してくれるだろう、今度帰るときは連れて帰りたい。一緒にオープンカーでハイウエイをドライブしようね、と。

だが、二つ問題があった。
一つは、将来彼はアメリカに帰国すること。
それに対して私は家族のいる日本を離れる意思はない。
もうひとつは宗教。
アメリカにいるときに入信したとか。宗教は生活の核となるものなので、
いくら小声で念仏を唱えると言われてもそういう問題じゃない。
私の意見を聞いてからは改宗を真剣に迷うようになった。

この間、彼以外でも何人かとの出会いはあったが、縁にはつながらなかった。
オペラやクラシック音楽の素養の無さを見下されたり、
セフレ目的が明らかになったり、
アプリ移動しても違う写真とアプローチでストーカーされたり、
会っている時は好感が持てたのに、その後はかなり若い頃の顔写真を何度も送ってきたり、
性急なアプローチに危機を感じてお断りしたのに”いつデートしてくれるの？”と際限ない催促をされたり。

ところで気付いたのだ。
日本人と日本人を含むグローバルに生きている人との恋愛の違い。
グローバルな人は、遠距離恋愛をものともしないことだ。
自分にとって、
この世でただ一人のエンジェルを探すのに距離は関係ない。
互いの価値観が合って、時間を忘れて共に過ごせる人を探すのに労力は
惜しまない。

ご近所だけの範囲よりは、地球規模で見た方が見つけるチャンスは大きく
拡がる。自分がユニークだと自覚している人ならその方がいいだろう。

ほとんどの方は、関東住まいなら関東から探すのではないだろうか。
近ければ便利でコストもいい。だが、たとえば日本に住む外国人にとっては、どこに住んでようと関係ない。フットワークがとても軽いのだ。
しっかり休暇を取ってしばらく滞在し、大切な人と確かな絆を深めていく。

アプリであれ、他の手段であれ、これまで私に交際を求めてきた人達は、
ヨーロッパ、米国、東アジア、もちろん日本、と多彩である。

サテ、これまでの所、アプリ婚活は楽しさよりも”しんどさ”が勝っていた。
もうやめようかなぁと考え始めた頃、遂に私のド本命がアプローチしてきた。

彼の瞳を見た瞬間恋に落ちてしまった。動物としての本能なのだろう。
この感覚は大切だという。
始めにお互い、異性としての魅力を感じなければ、結婚後のsexレスにつながりやすいのだそうだ。
結婚の形態は人それぞれとはいえ、カップルとしての大切な絆を育むのに
愛情あふれるsex以上に幸せなことは無い。
日頃の思いやりが相手の心を開かせ、花芯を開かせ、とろけるような交わりが出来る。

金を介在したsexは、刺激あるマスターベーションにすぎない。
１０００人切りなどと自慢しても、幼いことを自白しているだけである。

”美幸さん、マッチングしていただいてありがとうございます。
笑顔がステキだったのでとても嬉しいです。
僕は中野に住んでいます。これからご縁があって、
仲よくなれればと思っていますので、よろしくお願いします。”

これが今日に至るまでの私達のスタートだった。
今私は、彼と半同棲になる転居の準備で忙しい。同居できないには
訳がある。再婚には初婚と違い様々な壁がある。
が、その中で、限りある人生を生きるために、今出来るベストな状況を
作り出すことにした。

人は思い出だけが財産だから。

無宗教なので、亡くなったら全てが消え去るものと思っている。
たとえ１００歳まで生きたとしてもアッという間の時間である。
たった１００回しか桜の季節は楽しめないのだ。

悩んでいる暇さえ無い。他人を気にしている時間さえ無い。
不幸を人のせいにしているうちは幸せにはならない。
自分の課題は自分で解決するしかないのだ。
たとえそれがどんなに不条理でも。不遇な境遇でも。

幸せは自分の中にある。
せっかく授かった命、母が命がけで自分を誕生させてくれた命。
それをこの一瞬に輝かせないでどうする？
全ての苦悩を放り投げ、精一杯、今日も生かされていることに感謝しよう！