良いデザインとは、を見つめる
どうも、BXデザイナーのハナザワです。
良いデザインを生み出すのに大切にしていること。
19歳でビジュアルコミュニケーションデザインを始めて10年が経った私は、ひとつの区切りとして、そんなプリミティブな問いにいくつかの切り口でざっくり答えてみようと思います。
あくまで自分の中の整理なので網羅性や再現性がどのくらいあるかわかりませんが、感覚として「わかるかも」とか「ちょっとわかるかも」とか思ってもらえると嬉しいです。
① RIGHTとNICE
良いデザインは正しくて魅力的。
ビジネスの場での意思決定はどうしてもRIGHT(正しさ)に話が寄りがち。ロジカルに道筋を立てて議論してきたはずなのになんか微妙。結論やアウトプットにしっくりこない。そんなとき、そのテーブルには「NICE」が足りてないのかも。
私のおすすめは「NICEと感じないものはRIGHTじゃない(正しくない)」という判断軸を持ってみることです。なぜなら世の中のほとんどの仕事ではその逆の「魅力的なアウトプットとは言えないけど要件に答えるとこうなってしまう状態」であるからです。この状態にならないようにハンドリングしてくのがデザイナーとしての自分の責任と考えるようにしています。
過程が正しいことと、アウトプットが正しいことはイコールではないのです。「いい感じ」を実現するまでの「ナイスまでの距離感」を逆算できるデザイナーは良いデザイナーなんじゃないかと思います。
右脳と左脳をパチパチ切り替えてRIGHTとNICEをマネージメントできるデザイナーになりたいものです。
② Issue/Fit/Art
イシュー(Issue)
何のためのデザイン。正しい目的。
取り組むべき課題の見定め、課題に対してのアプローチが最適か、見た人にどういったアクションを促すのか、といった大きなイシュー。ビジュアルで表現すべきこと、言葉で表現するべきこと、媒介やシーンごとに伝えるべき最適な情報量や順番などのサブイシューまで多岐に渡り「何のためのデザインなのか」を意識する。
「気づいてみれば当たり前のこと」にいくつ気がつけるかが良い仕事、良いデザインをするための重要な要素だと思います。
フィット(Fit)
最適。似合う。自然。ちょうどいい。
ブランドに、TPOに、ターゲットユーザーに、社会の気分に、さまざまなものにフィットしているデザインは見る人にとって違和感なく、高い浸透度で機能するのではないかと思います。
アート(Art)
感性を動かす。魅力を作る。印象のディレクション。
感性を動かす・魅力を作るためのキーワード
魅了|美しさ トレンド シズル感 かわいい かっこいい
共感 |ナラティブ 心地よさ らしさの連続性
独自性|新しさ エッジ 差別化
注目性|凄み 驚き フック 脱普通 コントラスト
印象のディレクション。どのように感じて欲しいのか
上記キーワードの中から狙いたい印象、ブランド想起に合う表現方法を検証します。参考資料集めやプロトタイピングをしながら理想とする印象や魅力に近づけられるように、バックキャスティング的にアートディレクションを進行します。
③ 多角的にチェック
今年BXチーム内で施策・制作物の品質を高めるためのチェックシートを策定しました。これまで書いたような観点を様々なプロジェクトで漏れているポイントがないかチェックできるシートになっています。
④ デザインアウトカム
アウトカム
イシューの話に近いですが、大切なのはアウトプットそのものではなくアウトポットがもたらす効果、すなわちアウトカムです。常にプロジェクトの前後に目を向けて、どのような変容を起こせるかに集中してデザインを検討していきます。
良いデザインは役割を超えて文化に。
アウトカム論で見落とされるアウトカムとして、ブランドの観点がありますが、実はそのさらに外側には「社会の文化」としてのアウトカムがあるのではないかと考えています。
「旅行中に見つけたグッドデザインからの学び」
今年旅行で訪れたフィンランド・ヘルシンキ市内の建物には番地?を示す共通のサインとして、サイコロのような可愛らしくもミニマムクールな正四面体がくっ付いていたり、のき下にぶら下がっていたりした。景観を損なわないだけに留まらず、自分の家にもつけたくなるような素敵な公共デザインに心を奪われました。
マネーフォワードもユーザーだけでなく社会全体をフォワード、良くしていきたいという思いを持って事業を行なっている会社ですし、日々の例え小さな仕事、小さなデザインでもユーザーの、地域の、国の文化を形つくっているのではないかと思います。だからデザインには手を抜けないなと感じる今日この頃です。
ブランドと社会をフォワードしくれる仲間を待っています。
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