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【警察エッセイ】品行方正な髪型

ハイどうもぉ。
皆さんの心の中のサラサラヘアー。
元警察官の花山烏一はなやまけいいちです。

皆さん、髪はどこで切っていますかい?

『男は黙ってバリカンで五厘刈りだろ、この野郎。』というツッコミは置いておいて、美容院、床屋、自宅などなどで、たまに何年も髪を切ってないという方もいたりするけども、ほとんどの人は定期的にどこかしらで散髪をしているかと思う。

ちなみに花山は髪が伸びるのがめちゃんこ早いエチエチな体質だから、最低でも月1、多い時は月2で散髪しに近所の床屋に行ってるんよね。

大学生の頃は見栄を張って一丁前に美容院という魔の巣窟へと行っていたんだけども、散髪のスパンが短いからボンビー大学生からするとなかなかの負担だったんよね。結局4〜5回行って、それ以降は小学生の頃から通っていた床屋に切り替えたモンだから、花山は19歳の時に数回美容院に行ったきり10年近く美容院には行ってなかったんだけども、最近はパーマをかけに美容院へ行くようになったんよね。

ちなみにだけども、床屋にも普通に通っていて、花山は男性だから床屋に行くと顔剃りとかをお願いしたりするんだけども、美容院だと顔剃りって出来ないんよね。美容師と理容師で出来る行為に制限があるらしくて、何かきな臭い利権を感じるけども、美容院と比べると床屋は安価な所が多くて嬉しい。

ちなみに花山の髪型遍歴は、マッシュショート(保育園•小学校)→スポーツ刈り(小学校)→坊主(中学校)→マッシュ(高校•大学)→角刈り(警察学校)→ツーブロック(現在)な感じ。

途中に坊主とか角刈りとかの髪型が入っているけども、坊主だったのは中学生の時に野球部に所属していたからで、角刈りだったのは警察学校でその髪型にせざるを得なかったから。

『え?警察学校で角刈り?』と思われたそこのアナタ。

警察学校は角刈りの宝庫なんよね。


■品行方正な髪型

※今から話すのはあくまで花山がいた都道府県警でのハナシで、全国的にはどうなっているかは不明。

警察官採用試験に合格して警察学校に入校する1ヶ月ほど前に警察本部で入校説明会があったんよ。

説明会といっても入校を1ヶ月後に控えていた状況だったから穏やかな雰囲気じゃなくて、結構ピリついた状態だったのね。説明会は淡々と進んでいって、何が必要なのかとか、どういった心構えで臨めばいいのかというハナシを聞いていたんだけども、途中で頭髪についての説明が始まったんよ。

花山は『どうせ半年間ほとんど監獄みたいな生活をするんだから坊主でいいや。』と考えていたんだけども、あろうことか、我が某都道府県警は警察学校での坊主は禁止となっていたのね。

『おいおい。だったらどんな髪型にすればいいんだ、この野郎。』と思っていたんだけども、チカラなき花山は声を上げる事が出来ずに説明されるがままにモデル写真が掲載されている資料に目を落としたのね。

そこに載っていたモデルは均整の取れた惚れ惚れするくらいキレイな角刈り男児。平成も佳境だった時代において、何故かそのモデル写真だけがセピア色に色褪せて、時代が逆行しているかの様に思えたのね。

何より悲しく思えたのがこのモデルの男性。

何が悲しくて角刈りになって会った事もない奴らに『何コレwww』って言われなきゃいけないんだよと思ったに違いない。警察の仁義なき階級社会の恐ろしさが凝縮されたモデル写真だったね。

哀愁漂うモデル男性を憐れんで、花山は『角刈りにせなあかんのかぁ。』と嫌な気持ちになったんよ。


坊主がアカン理由が見つからずに不安に満ちていた花山。

『中途半端に角刈りにするくらいなら坊主の方がスッキリするのにな。』と思っていたところ、担当の者から坊主が禁止な理由について説明があったんよ。説明者曰く『坊主が警察官らしい品行方正な髪型かどうか話し合った結果、そぐわないという結果になった為、ここ数年は坊主を禁止にしている。』とのコト。

何やねんその議論。本気で警察学校生の頭髪についてオジサン達が真剣に話し合っていたとしたら滑稽過ぎる。

『というか、別に角刈りも品行方正は取れてなくね?』なんて言える雰囲気でもなかったから、渋々入校直前に奥歯をギリギリと噛み締めつつ涙を流しながら角刈りにしたのね。

散々『板前』だとか『三丁目の夕日ヘアー』とかイジられて警察学校入校当日を迎えたんよ。

花山のいた都道府県警は入校当日は直接警察学校に行く感じじゃなくて、一旦警察学校の最寄駅に集合してチャータバスで向かうという形だったのね。

断腸の思いで角刈りにしたもんだから、花山も並々ならぬ覚悟でビシッと決まった角刈りヘアーをなびかせて集合場所まで向かったんよ。その集合場所には黒のスーツで身を纏った今後警察学校で同じ釜の飯を食う同期の角刈り集団がいたんよ。

花山が率直に感じた事は『皆んな悲しみに暮れながら角刈りにしたんだな』って事。

不安に塗れていたけど、何だか元気が出た時だったね。

■まとめ

髪型って人のビジュアルを決める上でかなり重要なエッセンスのはずだから、気にするに越した事はないよね。

ちょっと前に夏の甲子園で坊主の球児がいない慶應義塾高校が優勝した事で、髪型についても注目される様な大会だったよね。『野球の大会なんだから野球の内容だけにフォーカスすれば良いのに余計な要素を入れんじゃねぇよ。』と花山は正直思っちゃたんよ。

大半の人が感じている事だと思うけども、伸ばしたけりゃ伸ばせばいいし坊主にしたけりゃ坊主にすればいいだけのハナシだと思う。それ以上もそれ以下もないよね。

そんで、これ見よがしに坊主である事を『今時は』とか『古い考え』だとかって言うのもどうかなとは思う。わざわざ言わなくても、やっている人達がどうにかしていく問題なんだから静かに見てたらええわって感じ。

何かをすれば文句を言う人は一定数いるから大切なのは自分がどう考えているのかという事だと思った次第。

今回は以上となります。
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花山 烏一/ハナヤマ ケーイチ
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