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【ミルフィーユ】ショートショート #うたスト#課題曲G/ソーダ・ヒロ

また君の姿が見えた気がした。

どこを歩いていても、全部全部思い出で、そう君との思い出に繋がっていて、僕は下を向きながら歩くようになっていた。

✴︎✴︎✴︎

「私、ケンのこと好き。でも大好きではないのゴメンね。」
それが最後の言葉だった。
別れの言葉って他にもあるだろうに、最後の言葉はそれなんだと、僕は一人カフェラテをもう一杯頼んだ。
外は小雨。赤いチェックのレインコートの君の後ろ姿。僕の真似をして、色違いで買ったレインコート。
その背中が黒い傘に入って重なった。
それは君の“大好き”な相手に違いなかった。

「お待たせしました〜カフェラテです〜」そう言いながらカチャカチャと音を立てながらテーブルに置いた。
どうやら僕の顔を見ながら置いたせいで手元が安定していなかったようだ。
そして僕が何か?というような仕草をすると、「顔に…」と言って小走りで行ってしまった。
僕は自分の頬に手を当ててみた。
何ということだろう…濡れている。
恥ずかしくなって熱めのカフェラテを一気に飲んでカフェを後にした。

最後の言葉は「好き」で終わらせて
別れはちょっとした勘違いだったと思わせて
喫茶店の椅子にレインコートをかければ
全て終われたのかな

✴︎✴︎✴︎

下を向いて歩いていると景色がない。
ふと見慣れたスニーカーが目に入って思わず顔を上げた。
それと同時にその女性が振り向いて、僕達はキスをする形になってしまった。
「きゃっ!御免なさい!!
ずっと後を付けられている気がして、それで、急停止して、顔を見てやろうと思って、振り向いちゃったの!」と言いながら顔は真っ赤だった。
いやそれ以上に僕の顔の方が真っ赤だったかもしれない。
「いえ、こちらこそ、すいません。
ちょっと考え事してて。でもストーカーではありませんから安心してください。」

彼女の足元にはケーキの箱が転がっていた。
「ケーキ!?」
「あ〜いいんです。また買います。」
「いえ、それは…よかったら一緒に買いに行きませんか?店は近くですか?」
「あーはい。すぐそこなんです。」
二人でそのケーキ屋へ行き、僕はお詫びに同じ物を買った。

「よかったらここでイートインしていきませんか?」そう誘うと、彼女は恥ずかしそうに頷いた。
思わずフラれた彼女と二人でよく食べたミルフィーユを選んでしまった。彼女も「同じので」というので二人で食べながら差し障りのない話しをした。
「人生もミルフィーユみたいに可愛らしくって甘かったらいいのに。」と突然彼女が言った。

「よかったら少し付き合ってもらえませんか?ちょっと行きたいところがあるんです。」僕の誘いに彼女はミルフィーユを食べながら、軽く一度頷いた。

窓から見える街は、太陽の光に照らされて、今まで見たことのない、まるで一枚の水彩画の様だった。

《おしまい》


G『水彩画の街』ソーダ・ヒロさんの作品への応募です😆
はい、どーも今回もへっぽこ〜!!
ヒロさん、素敵な歌をありがとうございました👍

そしてこちらが、参加したPJさんの企画です✌️3/14まで応募できるよ!

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#音楽

書くことはヨチヨチ歩きの🐣です。インプットの為に使わせていただきます❤️