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ラズベリーとの暮らし 2月 : はなとみやの12か月

〈自家農園栽培ラズベリージャム〉の はなとみや から、ラズベリーの栽培風景を中心に、ラズベリー農家の暮らしをお伝えします。
で、2月はやっぱり除雪なんです。何度も同じ話題で恐縮ですがご容赦ください。後半は他の話題もありますので… /文:宮下裕美子(はなとみやの片方)


冬のラズベリー栽培 = 除雪

越冬ハウスの除雪風景

ハウス内ポット栽培

〖はなとみや〗では良質なラズベリーを6月〜10月末まで切れ目なく収穫するため、ラズベリーをポットに入れてビニールハウス内で栽培しています。ポット栽培にするのはラズベリーの根が生育旺盛だから。地植えにするとどこにでも入り込んで収拾がつかなくなるんです。ポット栽培にすることで移動も可能なので、環境の整ったビニールハウス内を有効に使うこともできます。

ラズベリーは冬の間、枯れたように見える枝だけの状態です。この枝(=結果枝:春に実を付ける2年目の枝)を折らないことが重要なんです。雪の重みで折れないよう、越冬ハウス(=冬でもビニールを剥がさないハウス)内で収穫を終えた状態のまま冬を越します。

ラズベリーを雪から守る = 越冬ハウスを雪から守る = 除雪が欠かせない 
となる訳です。

越冬ハウスの除雪

2月はやっぱり除雪作業で終始します。
ハウスの上に降った雪は傾斜に沿って側面に落ちます。片側には屋根の雪の半分が落ちるので、あっという間に詰まってしまい… 次の雪が落ちる空間を確保するためにハウスの周りは常に除雪された状態をキープ。すると、こんな風景になっちゃうのでした〜。
連棟(れんとう)が一般的な本州とは違うでしょ。除雪のためには単棟(たんとう)必須。雪国の農業はどうしても非効率になりますね。

真冬の越冬ハウス お堀の中にいるみたい
ハウスの上に乗った雪が落ちないときは手で落とす

普段は側面だけを除雪していますが、寒気が続いたり大雪の後などはハウスの上に乗った雪が落ちないことも。雪の重みでハウスが潰れてしまうので、時にはこんな風に道具を使って手で掻き落とします。

2月も終わりになると・・・

新芽が動き出す

外は相変わらずの雪でも2月の終わりになると、越冬ハウスの中は太陽光で温められてラズベリーの芽が動き出します。

結果枝から出たラズベリーの新芽

温度管理が始まる

それと同時に温度管理も始まります。晴天の日は越冬ハウス内の温度が急上昇。暑すぎ注意のラズベリーのために側面のビニールを持ち上げ外気を入れて換気をします。これまで白と青しかなかった世界に(ビニールの下に張ってある)防虫ネットの鮮やかな赤が目に飛び込んできて、この景色はまさしく「春だなぁ〜」

開けたら閉めるのが仕事。太陽が西に傾いたら、大急ぎで開口部を閉じます。暖房しないので夜は氷点下に下がりますが、ラズベリーは大丈夫。日中温まったことで順調に生育していきます。

急激に気温が下がる中でハウスを閉める作業

ラズベリー農家の楽しみ

自由な時間が取れる冬、ラズベリージャムの改良や新商品の開発などもしています。試作に使ったラズベリーを有効活用するために、お菓子やお料理に使うのは生産者ならでは、ですよね〜♫ 

目に鮮やかならラズベリーの赤

この日はラズベリーパイを作ってみました。市販の冷凍パイ生地の中に試作のラズベリージャム(色んな糖度)を全部入れて焼いただけ。甘酸っぱくて、ほっぺたがキューンとなって美味しかったです。

3月になると・・・

ラズベリーの新芽が本格的に動き出し、水や肥料や・・・
来月をお楽しみに 🎶

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