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【子育てママ】子どもが作るキャンプ飯 #32

《これはトトさんと、私カカさん。そしてココちゃん3歳の暮らしのお話》

「卵を割る時は、こう持ってな、
コンコン」
コンコン
コンコン
あれ?ゴン!!
「あーあー!力入れすぎや」

キッチンからトトさんとココちゃんの声が聞こえる。

「カカさんに見せる!」
「こぼさないよーに両手で持ち」

ココちゃんが大事に持ってきたお椀の中には、黄身がプックリと膨れて濃い黄色。卵かけご飯にしたらめちゃくちゃ美味しいに違いない卵が1つ、つるりんと入っていた。

明日はキャンプだ。川遊びもできるし、アスレチックもあるらしい。
たけのこ掘りをしたかったけど、期間が過ぎてしまっていたから、今回は諦めることになった。
近くにある温泉も楽しみだし、えみりとキャンプも久々だし、
なんたって外で食べるご飯は美味しい。

そういえば…。休憩中に、キャンプ飯動画を見ていたえみりが、
「なんかさ、ソロキャン女子がおっしゃれなギアでやってるの良いよね。
めちゃ観てしまうわぁ」と、つなぎ姿の可愛い系女子が焚き火の前であぐらで座り、大きな肉をジュッ〜っと焼いている動画を見せてくれた。
「かっこいーじゃん。おいしそーだし」
「でしょ、この人、いつも美味しそうなの作るんよ」
「いつも観てんの?」
「そそ、ソロキャン憧れる〜」
えみりはソロだからなぁ。明日のキャンプに、男友達を連れてくるらしいんだけど、実際のところどうなんだろ。彼氏ではないの?と、トトさんは言うけど、多分、えみりは一生独身のような気がする。と、私は密かに思っている。
「みんなオシャレよね。私、子どものキャンプの服とか見ちゃうわ」と答えた。
「ココちゃんいるもんね。子どもの服は見ないな〜」だって。
そりゃそーか。と笑い合った。

冷蔵庫からウインナーと、冷凍していたスライス玉ねぎを出しジプロックの中に入れる。
そこにココちゃんが割った卵を入れ、豆乳、チーズ、塩胡椒、よく振っておく。
チーズは多めにね。あと3つ作って、ココちゃんに冷蔵庫に入れてもらった。

この卵はね。沸騰したお湯の中にジプロックごと入れて、卵が固まったら完成の簡単オムレツ。
スペアリブ、コーラとお醤油、ニンニク、生姜入りのジプロックも2つ作っておく。
子どもとご飯の下ごしらえをすると、キャンプの楽しみが増すのでオススメ。
茹でたジャガイモを入れてつぶしたものでポテトサラダにしておいたり、
きゅうりの浅漬けにしておいたりと、ジプロック料理はキャンプ以外でも活躍する。

「えみりが連れてくる男友達、なんて名前だっけ?」
ぐっすり寝ているココちゃんの向こうから、トトさんが話しかけてきた。
「けいご?けいた?け・・・がついていたような気がしたけど『しょうた』だった気もする」小さな声で答える。
「子連れキャンプに、女友達に誘われてついてくるなんて、
えみりは興味がなくても、しょうた君(違ったらごめん)はあるんじゃないか?
もしそうなら、このキャンプで距離が縮まると良いなぁ」と、トトさん。

良い雰囲気になるうまうま料理を作るらしいよ。
どうなることやら。

じゃぁ、明日は早いので、おやすみなさい。
「アヒージョにしよかな」

「私はもう、寝てる」
「起きてるやん!」

遠足が楽しみすぎて寝れない小学生=キャンプが楽しみすぎて寝れないトトさん

では今度こそ、おやすみなさい。


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