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クリスマス13人のサンタ計画(注意すること)〜カカさん編〜#13

《これはトトさんと、私カカさん。そしてココちゃん2歳の暮らしのお話》

赤色と緑色の画用紙を1枚ずつ、キラキラ光る星型のシールと、花と星と音符のクラフトパンチ。あ!ゴールドのペンを買ってと。
それから、プチプレゼント13個。
最近、キラキラ光るものや、プリンセスが好きな2歳児ココちゃん。
プリンセスのシール、キラキララメのメモ帳、ラムネ、髪ゴム、ビスコ、シャボン玉、みかん、アンパンマンの絆創膏、クッキー、風船、ボール、
他に何かいいものないかな……100均ってなんでもあるのね。

仕事の休憩時間を使って、アドベントカードの文字を印刷する。
「休憩時間にやってんの?手伝おうか?」と、えみり。助かる!!
アドベントカードのサンタさんが私だってバレるのだけは避けたいの。
夜はココちゃんと一緒に寝ちゃうしさ、こないだはココちゃんが起きてきて、急いでテーブルの上のものを
ポテチの下に隠したの。
そしたらトトさんが「ポテチは隠さなくて良いの?」って小声で聞いてきて
「隠して」って、コソコソよ。
去年(ココちゃん1歳)は、まだよく分かってなかったけど、2歳になって、おんなじ探しがブームでさ、
もしもココちゃんに見られたら。
ダメダメダメっ。
これから20歳までのカカさんサンタ計画は2回で終了してしまうじゃない。
このマスキングテープも、クラフトパンチも、家のあちこちに置いておけないの。
そこまでするぅぅー??って、そこまでするよー!!

だってさ、

私のサンタさんは箱に[開けたら怖いのが出てくる][めちゃくちゃこわいで!!][きけん!]と書いて
自分の子ども(私の従兄弟)に見られないようにしていたらしいの。
あ、これね、お母さんと電話で話しているのが聞こえちゃってさ、
あの時はバレないように隠してくれているのに、聞いちゃった!どうしようって思ったんだよ。
だからね、クラフトパンチやマスキングテープ、同じ色のペンは、他の時に使わないようにして、
紙の余りにも注意を払う。トトさんにもしっかりお願いしておかないとさ、
「これうまく書いたね!」とか「このマスキングテープどこで買ったん?」とか聞いてきそうじゃない?
褒めてくれるのは嬉しいけど、今じゃないんだよ、トトさん!!って目配せして知らせている自分の姿が目に浮かぶのよね。

確かに!と、えみりが大笑いした。
「トトさん褒め上手だもんね」と、コーヒーを一口飲んでから、「あんた達夫婦のそういうやり取りしてるとこ好きだけど」と、付け加えた。
「えみりのそういう褒め上手なとこも、そういう乙女なお目目をするところも好きだけど」と、目をパチパチさせ、えみりの真似をすると「やめて〜」と照れた。

13枚のアドベントカードはなんとか1日前に完成した。

1日目に選んだのは、キラキララメのメモ帳。
枕元に置いたプレゼントと手紙を見つけて「サンタさん来た!」と、本番さながらの喜びよう。
プチプレゼントの袋を開けて「おてがみカキカキするから、カキカキちょうだい」と、
いつもより目覚めも良く起きてきた。
「朝ごはんを食べてからね」というと、「やだ、カキカキしてから」

しまった。

平日の朝は、これじゃないのが良かったかなぁ。
トトさんが鉛筆を持ってきてくれて、ご機嫌でお手紙を書き始めた。

早くご飯を食べてほしい。

「なるべくみんなでご飯を食べよう」は、トトさんが大事にしていること。
先に化粧を済ませ、「ココちゃーん、そろそろ書けた?」と聞く。
横に1本ヒョロヒョロと線を書いたメモを1枚持ってきて
「カカさんのお金れーす。ゴジュウハチヒャクれーす。」
「それは、うんと58円と100円かな。5800円かな」髪をお団子にしながら
再度「ご飯食べよう」と誘ってみた。
「まだ」「先生にも書く」

ヒョロヒョロの印をつけてはちぎり床に広げる。
今のうちにココちゃんの髪をくくる。
ヒョロヒョロ製造は終わりそうにない。

キッチンからジプロックを取り出し、ココちゃんの名前を書いて、即席で紐をつけ
「そちらのプリンセスは郵便ができるかしら?」
こちらもプリンセスになりきり聞いてみる。
「あなたも、カカさんも、プリンセスなの?」
「そうよ。でも、私にはお手紙を集めることができないの、あなたはできるの?」
「おてまみ(手紙)できましゅ」

はぁ。やっと、朝食。
もう15分しかないよ!

明日のプチプレゼントは何にしようか。シャボン玉は週末にしないと。

そんな毎日を13回過ごした。

ココちゃんが一番喜んだプチプレゼントは、仕事帰りにスーパーで買った魚肉ソーセージだった。
これは朝食にもなって親としてもラッキーだった。
1本はサンタさんにあげるのだと、ヒョロヒョロ線のお手紙と一緒に置いてある。

今夜はクリスマスイブ。
「早く帰れる?絶品魅惑のカニクリームコロッケ作るわ」
トトさんが作るカニクリームコロッケのおかげで食べられるようになった魅惑のアレね。いいじゃない!
「多分、早いよ。ケーキも作ろうよ、飾るもの買って帰るね」

急がないと。「行ってきます!」
ココちゃんが見送りにこなかったから呼ぶ。今日のプチプレゼントがプリンセスのシールだったからね。
ちゃんと玄関まで来て見送ること。これは私が大事にしていること。

電車の中で‘今日のケーキ、スポンジは買うから“とLINEした。“焼いておく“とトトさんから返事がきたけど
“買うからいい“と返信した。

トトさんへのプレゼントは 「1人時間」
ずーっと家族のことを考えてくれていてありがとうの気持ちを込めてね。


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