Webデザイナーとして独立・起業、1年目にやったこと
新卒で入社したITベンチャーを20代半ばで退職し、転職せずに独立・起業の道を選びました。今から10年ほど前の話です。
別のnoteでも書きましたが、私はWebデザインやサイト開発について、専門的な知識やスキルがある状態ではありませんでした。どちらかというと「仕事をしながら学んだタイプ」です。
「どのように1年目を乗り越えたのか?」
今回は、起業して最初の1年目にやったことをお話しします。
前提──なぜ独立したのか?
独立の肩書きは「Webデザイナー」ですが、私はWebデザインをやるために起業したわけではありません。
本当の目的は「ゼロからWebサービスを立ち上げる」こと。その資金を集めるために、まずはWebデザインや開発の受託を手段として選びました。
仕事環境を整える──すべてゼロからのスタート
会社員時代は、デスク、椅子、PC……すべてが会社から与えられていました。でも、独立した途端にそれらは一切ない。まずは仕事環境を整えるところから始まりました。
デスクと椅子: メルカリで中古を購入。
PC: 仕事に耐えられるスペックのものを自費で用意。
Webの仕事は、PCとネット回線があれば始められる。独立の初期投資としては、比較的ハードルが低いのが救いでした。
友人・知人への「報告営業」──ビギナーズラックの恩恵
起業したことを友人や知人に報告しつつ、アポを取りました。「ホームページを作らないか?」「リニューアルしないか?」「アドバイスをさせてもらえないか?」という、いわゆる営業活動です。
ありがたいことに、「ぜひやってほしい!」という反応を多くいただきました。今振り返ると「応援したい」という意味合いも強かったと思います。(ビギナーズラックというやつです)
それでも、最初の一歩を踏み出すためには十分な反応でした。
ちなみに、その時に始まった仕事の多くは、今でも私を頼ってくれる大切な取引先です。
会社設立──フリーランスから法人へシフト
最初は税金のことも考えて、個人事業主としてスタートするつもりでした。しかし、前職の取引先が「Webコンサルとしてアドバイスをしてほしい」と言ってきたのです。条件は「法人化すること」。
当然、固定収入が入るなら断る理由はありません。独立後すぐに会社を設立することになりました。
結果的に、フリーランス期間は正味5日間。退職とほぼ同時に「会社設立」というステージに移行しました。
受託制作──とにかく「作って稼ぐ」
会社員時代はWebサービスの改善業務がメインでしたが、独立後はとにかく「新規のサイト制作」が中心に。
サイト一式の制作
LPやバナー制作
既存サイトの改善提案と実装
目先の目標は、「キャッシュフローの安定」でした。
そのため、どんな小さな案件でも断らず、ひたすら「作る→納品→売上を上げる」を繰り返しました。受託制作の良いところは、作った分だけ売上になること。初月から収入が入ることで、心の安心につながりました。
受託と並行して自社Webサービスの開発
私の起業目的は「自社Webサービスを立ち上げること」です。しかし、私はに開発スキルが十分ではなかったため、起業3ヶ月目には若いエンジニアを一人雇用しました。
今思うと、最初から正社員として雇ったのは大きな決断でした(今ならクラウドワーカーや副業人材に依頼する選択肢もあったかもしれません)。
エンジニアには受託案件をこなしつつ、空いた時間で自社サービスの開発を担当してもらう。
私自身も受託制作をこなしながら、設計、デザイン、コーディングに取り組む。
受託をしながら自社サービスを作るこのスタイルは、時間的にも精神的にもハードでした。しかし、出資を受けずに100%自力で会社を立ち上げたいという意地があり、このスタイルを貫きました。
1年目の終わりに、自社Webサービスをリリース
エンジニアと二人三脚で開発を進め、起業から9ヶ月後、ついに自社Webサービスをリリースしました。
受託とは違い、自社サービスはリリースしてからが本当のスタートです。まだ売上はゼロの状態でしたが、デスクで二人、缶ビールで乾杯したあの時の達成感は、今でも鮮明に覚えています。(美味しかったな〜🍺)
次のnote──自社サービスを育てていく日々
その後も受託をこなしながら、自社Webサービスを育てていく日々が続きました。なぜなら、自社サービスで食べていけるようになるには時間がかかったからです。
最終的には、自社サービスと起業4年目に立ち上げた小売店事業をM&Aで事業譲渡し、私は起業から10年で金融資産2億円を築くことができました。(本当はもっともっと大きい成功を夢見てましたが…)
今後のnoteでは、この道のりや、事業を成長させる中で得た学びについて書いていきたいと思います。