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【解釈・仮説】恋愛創作の評価方法 とその提案(第2章 恋愛創作について①)


 『恋愛創作の評価方法とその提案』を行うに当たり、前述『現実恋愛について』を元にして行う。

 前述との具体的な関連項目としては、登場人物への感情移入によって疑似体験する『恋愛のジェットコースター』こそが、恋愛創作におけるカタルシスの根源ではないかという話である。

 以下の情報は、10年以上前、2012年頃の自分が学生の頃に恋愛創作に触れる時間の中で友人らの意見を参考にしながら立てた仮説であり、そこから現在までにアップデートを行っている。(10年も経っている事を自覚して泣いた)
 はずであるが、実のところ情報を更新する叩き台が十分にできていない状態であったため、この本文完成までの間のおよそ7年間は変わらず更新されていないものも多い。
 独りよがりの、独り相撲になってはいけない為、可能な限り多くの人の目に触れた上で様々な意見を取り入れ、多くの可能性について視野を広げた状態で、より現実的なモデルを抱いた状態で、今後も恋愛創作に触れていきたいと考えている。



【創作について】


●創作における関係
 創作者が物語を作る。観客がその物語を見る。


●観客が創作を見る意味は?
 カタルシス(排泄・浄化): 紀元前の古代ギリシアにて悲劇(運命に抵抗して苦悩する人間の姿を描く劇)がある。これについてアリストテレスは、悲劇の効果は恐れと憐みによる浄化(ヒポクラテスの医学で 言うところの排泄)にあるとした。
 要は、観客は登場キャラクターに感情移入する事により、実際に自分がその体験をしている訳では無い が、擬似的に体験して感情を発生させる(感情は結果。アウトプットする)事こそが、排泄(体内にある物 を外に出す)である
 また、前提として排泄行為(排尿、排便含む)は人類にとって快楽を感じさせる構造になっている。これにより、本来自分の人生では呼び起こされる筈のない感情さえ疑似的に排泄可能。(使っていない筋肉を使う理論)
 成功体験でなくとも失恋でもバッドエンドでも楽しめるのはカタルシスに依るもの。
 この理論で言うと、人によっては寝取られも(彼女・嫁を他の人に盗られる擬似的体験が可能である為)快楽となり得る。カタルシスとなり得るほどに本気で辛い。
 ※創作者も、創作中に同様の過程を辿る。そもそも創作はアウトプットである。



【創作における恋愛と、感情移入について】


●創作における恋愛
 前述、感情移入によるカタルシス(排泄・浄化)により、現実の恋愛における「感情のジェットコースター」を 擬似体験すること。


●感情移入について
 自分の意識(感情や精神)を投影すること
 キャラクターと感情を一体化させることで、キャラクターの感情が観客の脳に流れ込むという事を指す。
 感情移入する対象は必ずしも1人を指すのではなく、可能な状況になっていれば登場キャラ全員に感情移入する事も技術的には可能。
 また、感情移入については、「自分はそのキャラクター・配役になりたいか/なりたくないか」についての意思は関係しない。キャラの性格について理解や共感を得られる仕組みになっていれば、意思に関わらず感情移入は可能。感情移入を拒絶する場合は、そのキャラ造形が失敗(カタルシスが発生しない為に嫌悪する)しているか、あるいは理性よりも生物的な好みを優先している可能性がある。


 感情移入は、誰でも、どのキャラにでも、簡単にできるモノではない。創作における大きな課題の一つである。
 キャラの性格、感情、行動原理(筋)がしっかり表現出来てないと感情移入は難しい。作者の技量に依存する。
 リアリティ(現実味、理解の中に居る)が高ければ高いほど、観客の自身の立ち位置に近くなり、感情移入しやすくなる。
 作品におけるリアリティは、登場キャラクターの思考を、まるで生の人間を相手にしているかのように生き生きと感じられれば表現出来ていると言える。 


 好みのキャラは感情移入しやすいというパターンと、感情移入してキャラを好きになるパターンがある。
 極限にストレスフリーな感情移入の為には、個性(意思)を極限まで消した中身空っぽ(人物の雛形さえ あればどんな読者でも入れる)のキャラ(平凡主人公など)を作成する手法がある。しかしその場合は正確な意味での感情移入が無く、質の良いカタルシスが発生しづらい。そういった場合においては、実際に感情移入するのはそのキャラと対峙する相手キャラの方になる場合が多いと考える。


 感情移入先は、ある程度は濃さのある人間性とかキャラ作りがなされている方が面白みが増す。しかし、個性や思考が強すぎたり、何かしら偏りが強くあるとすぐに感情移入は途絶えてしまう。そのあたりの調節が難しい。
 その調節には正解は無い。読者それぞれが「この加減が良かった」というものを、それぞれの好みや、タイミング、その時の体調、メンタルなど読み手は毎回違うものによって評価する。”確実”を掴むのは不可能。
 要は、
『登場キャラクターがどういう性格』で、
『現在どういう思考をしているのか(感情表現)』、
『何故そういう性格になったのか(育ち)の根拠』、
『その行動の理由は何か』、
『何を目的としてそうしているのか』、

を極力全部描いて、そのどれもに矛盾が無ければよい。(難しい)
 逆にこれを無視すればする程にクソ主人公(またはクソキャラ)が作れる。例えば、途中で主人公が理解不能な行動を起こしたり、身勝手な正義を振りかざしたり、意味不明な説教したりとかすると感情移入が途切れてしまってキャラに寄り添えなくなる。


 創作を見た後に、辛い気持ち、悲しい気持ちになった場合、それは感情移入が出来た事を示す。感情移入ができたと言うことは、少なくともその観客にとって作者の表現技量が確かに有ったという事であり、作品を楽しく堪能できたものとして作品に対しての価値を認める事ができる。感情移入の結果として胸糞になる事さえも創作においては(それが作者の意図に沿っていれば)幸福な事である。
 反対に、作品の出来の酷さによって受ける読者の影響については上記を考慮しない。「作者の不出来」あるいは「読み手の好みではなかった」事を示すため。

●感情移入の例

・『ヒロインかわいい』
 ⇒主人公に感情移入した上での可愛さ。 / ヒロインに感情移入した上での恋愛疑似体験。
・『主人公の成長』
 ⇒成長前の主人公から感情移入していた場合、主人公の成長と共に観客も成長体験。
・『自分とは相反するキャラ』
 ⇒自分にはない考え、モノの見方、思考をしたキャラに感情移入することにより、自分には無いモノに触れる、新しいものに触れる発見の喜びがある。
(例)個人的に、ボスキャラなどアウトローなキャラ。


 ※感情移入は自己投影であるが、あくまでもそのキャラクターの人格を理解し、読者の脳内で再構築に成功する(キャラクターイメージを確立する)事を指す。
 「自分がそのキャラクターそのものになる」という事ではない。それは不可能。あくまでも観客は、対岸の火事の傍観者の立ち位置。
(例)ジョジョ4部の敵キャラである吉良吉影に感情移入した場合、そのキャラクターの”理解や共感”までを指す。
「自分(主人公)は、作品に感情移入した結果、吉良吉影である。よってストーリー上、東方仗助を抹殺し勝利しなければならない」という意味にはならない。 


●感情移入の深度(以下、あくまでキャラクターに対して)

深度1無知。全く知らない。知らないという自覚さえ持ち得ない。
深度2。そのものの名前(単語)だけ知っている、など。意味や理由を知らない。
深度3。名前、意味、理由を知ったけど、筋道が立っている状態で飲み込めていない。この場合、キャラ名と性格と行動を頭に入れたけど、理解に達していない。何を言ってるかよくわからない状態。
深度4理解。名前、意味、理由を知り、筋道が立った状態で飲み込めた。"けど、自分はそうは思わない"。(言ってる事はわかるし理解出来るけれど、自分は違う意見を持つ)
深度5共感。名前、意味、理由を知り、筋道が立った状態で飲み込め、"自分もそう思う"。

 感情移入到達には、上記における深度4〜5までの表現が必要と考える。



【感情移入を利用した展開の例】


※感情移入可能な作品である事を前提とした上で、好きな展開についていくつか述べる。
※以下、主人公(先に恋をした方)、ヒロイン(恋をされた方)であり、男女は問わない。


・途中から『ヒロインへ感情移入する』”展開”が活きる時
 主人公は、恋の成就のために努力をする。それに感情移入する事で、主人公視点で「意中の相手と結ばれるという目的」を同じく抱える。
 そして、主人公視点で惚れていたヒロインを追いかけていた前半から、後半にヒロイン視点になり、そのヒロイン視点で主人公に惚れ、そしてヒロイン視点で主人公を追いかける展開。今まで主人公が努力し四苦八苦していた分の想いの分のチャージショット。
 復讐形式に近い。
 ヒロイン視点の為、ヒロインがどれだけ主人公のことが好きなのかについて説得力が付加される。。
 この技法が活きるのは、まだ結ばれていない時、かつヒロインも主人公に恋を自覚した時。ヒロインが恋に悩むことがメインとなる。
 恋に対してヒロインも主人公と同様に苦しむ事で、状況がフェア(天秤の均衡)になる。この場合の苦労の質量は同様かそれ以上であると良い。(苦労が少ないと個人的にバランスが悪い)

 (例)・レンジマンの神楽坂風香
    ・トラブルの西連寺春菜
     (無印はリト→春菜。ダークネスは春菜→リト)
    ・高橋留美子作品はよくある。(天秤の均衡ではないけれど)


・ヒロインに感情移入させない手法
 前述、感情移入は出来れば出来るほどカタルシスの為に良いと話したが、敢えてさせない方法もある。
 主人公は、恋の成就のために努力をする。それに感情移入する事で、主人公視点で意中の相手と結ばれるよう気持ちを同じくする、ところまでは同じ。
 その後、結ばれる/破局するまでに、ヒロインの心理描写を(ヒロインの台詞や、言葉でのお気持ち表明は有り)描かない事で、あくまで主人公視点を貫き、『ヒロインが何を考えているのかわからない』という主人公視点の心理的不安のリアリティが増す手法。
 (言葉ではそう言ってくれているけど、本当にそう思っているか わからない。自分なんかに本当に惚れてくれているのか、など)。
 リアリティ重視の手法。

 (例)・アイズの葦月 伊織



【恋愛創作の範囲とアフターについて】


●恋愛創作の範囲
 作品の中の『boy meets girlの範囲』。
 作品自体を一概に恋愛創作であると指し示す必要はなく、作品中の部分に対して呼称する事も可能。
 主人公とヒロインがそれぞれ登場(最初から知り合っていなくともよい)してから、前述、『恋期間と愛期間』。そして、結ばれるまで、あるいは物語の最後まで、を指し示せる。
 ヒロイン未登場期間は、(恋愛創作の観点から見て)主人公と世界観の自己紹介期間と捉える事も出来る。


●恋愛創作の範囲における分類例

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【大分類】
1.恋がまだ始まっていない時期
2.片思いの時期
3.両想いが発覚。
 そして、その後(アフター)
【小分類①(シーンの例)】
1.①AだけがBを知っている期間 、②AとBのお互いに知りあった期間 、
   ③AとBの友達としての期間
2.④AがBを意識する期間。この時、Aには恋であるという自覚は無い
  ⑤AがBを意識している事に気付き、恋愛感情だと自覚している期間
  ⑥BがAを意識する期間。この時、Bには恋であるという自覚は無い
  ⑦BがAを意識している事に気付き、恋愛感情だと自覚している期間
  ⑧片方が片方の好意を知っている期間
  (片方が告白を行って知る場合、または片方が告白を行わずに知る場合を含む)
  (⑧の後に④~⑤または⑥~⑦がくる場合もあり、発生時期が前後する場合があるので緑色で図示)
3.⑨両想いが発覚 、 ⑩その後(アフター)

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【小分類②(”展開”)】
1.a.片方が片方を知った瞬間、 b.お互いに知り合った瞬間、
    c.仲が良くなってきた時
2.d.意識するきっかけやイベント、 e.自覚した瞬間、
   f.意識するきっかけやイベント
   g.自覚した瞬間、 h.片方の気持ちを知った瞬間
3.i.両想いが発覚した瞬間、  j.お互いの壁が感じられなくなる時、
   k.別れや死亡

 小分類①・小分類②については、この順番である必要はない。
辻褄を損なわないのであれば、作者は描きたいところだけ(順番をかえる、フェイズを飛ばすなど)描きたいように描くことが出来る。


※個人的に仲良くなる経過は必要。最初から主人公に好感度高いヒロインはNG。”チャージショット”が無い。(チャージショットについては後述)


●アフター(前述の、大分類3、小分類⑨~⑩ / i~k)
 主人公とヒロインが結ばれた後の期間(『愛期間』)、これを「アフター」と呼称する
 恋期間の感情の起伏以外の手法で、お互いの心の距離の詰め方を表現すること。

 ※恋愛創作においての醍醐味は『恋期間』のジェットコースターの起伏への感情移入である為、『恋期間』のみを描く場合が多い。
 起伏が無い『愛期間』を描く事は難しい。創作において愛を描けば描くほどにリアリティが高くなり、感情移入は深まる可能性があるが、作品としての面白味が無ければ夢世界への没入からは遠ざかる可能性がある。
 描く上で の表現の困難さ、またはリアリティの高まりにより、「結ばれるまでは面白いけど、結ばれてからは面白くない」などの感想も抱きやすい
 面白い「アフター」を描ける作者はかなりの希少種である。
 技術力(表現力)が高い。それは女性作者の方が多い可能性があるイメージを持っている。
 多分、”展開”で魅せるんじゃなくて、”スパイス”で魅せてる。(スパイスについてじゃ後述)

(例)・秋枝様の煩悩寺
   ・河内和泉様の機構魔術師

 (もっともっとあると思うし、良質なアフターに出合いたい…)


【恋愛創作のモデル化について 仮説】


創作の表現モデル
・それぞれの要素の関係性を示すことがモデル化の一番の目的
・基盤となるモデルを料理で例えて考えます。
 『観客視点で、創作を食う(世界・キャラ全て食べ物とする)』という例。皿の上には、”良質”な料理が、”分量は多いほど良い”という前提となります。
(料理が何料理であるかは特定しない。デザートではない。他に良い例が思いつかない。例え話を料理で例えると失敗するという説も聞くが…)
・以後登場するキーワードが、自分が作品を語る上で用いることがある単語となる。


●数直線(『物語』)
・作品内における時間の流れを、過去から未来へ向かって一本の「数直線」で示す。
 その数直線上にある点(基本的に点は1つ)を『現在』とし、点は過去から未来へ向かって、ある一定の速度で進む。速度は、作者が描く作品内の時間の流れと同じである。
・この『数直線(時間の流れ)の始まりから終わりまで』を、『物語』(あるいは、作品)と呼ぶ。

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●皿(『世界』)

・点の上には、「皿」が乗っている。
 皿は、作品内の『舞台・世界観(現代、異世界、人間関係、家庭環  境、裕福貧乏、など世界において主人公の置かれている周囲の環境。
基本となる情報設定)』
を示す。

●登場人物
・皿の上には、『登場人物・キャラクター(主人公など)』が立って居る。これにより、キャラクターは皿(世界)の上で、時間流れに沿って未来へ進む(時間が流れる)構図となる。
・作品への感情移入に成功する(作者の技量)事により、皿の上の料理が見える(料理が何であるのかを理解できる)
 物語的には、「主人公に入り込んでキャラクターと共に時間軸を未来へ進む」事が可能となる。

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●料理(『展開(シチュエーション含む)』)
・皿の上には「料理」が乗る。そしてその料理の上にキャラクターが乗る。料理とは『展開』であり、”世界 の上のキャラクターに対して起きた出来事”を示す。
 (内容により、薄口、濃い口、あるいは甘口、辛口と例えられる)
起きた展開は過去の出来事として、過去に起きた展開の上に積み重なり、蓄積する。最終的にその点において、起きた出来事の上にキャラクターが立つ形となる。
 「~編」などの大きな展開が終わった場合、皿上は一度リセットされると考えても良い。
・料理の上に立つキャラクターは主人公だけでなく、今現在の展開において登場した他のキャラクターも共に立つ。
 キャラが登場するという事自体が展開であり、展開によって立つキャラクターが変化する。
 収集がつく(感情移入、物語の破綻や無駄が無い)のであれば、どれだけの人物を立たせても良い。
 その上で、各キャラクターには"可能な限り"感情移入できるように心情を描く事で、主人公だけでなく他のキャラクターにも感情移入でき、点全体としてのリアリティが増す。
 ただ、情報量が増して発生した破綻により、理解出来ない、感情移入出来ない部分があると、点全体としてのリアリティが弱くなる。

 (例)主人公の下に、空から女の子が降ってきた。→「空から女の子が降ってきた」という展開が重なり、その上に「主人公」と「女の子」が乗る。

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●スパイス
・料理の上には「スパイス」がかかる。スパイスはその料理(展開)において、その『展開(料理)の旨味を増す為の成分』となる。無くても良いが、当然有ったほうが良い
・『展開』はあくまで発生するイベントの大枠として考え、その『展開』の中でどんな展開を重ねたのかというところを評価するための「スパイス」である。(『展開』と呼ぶほどではないイベントに対して呼称)

 (例)・展開:男の子と女の子の心が入れ替わってしまった。
    ・スパイス:お風呂に入る際、トイレする際、
          裸を見られると困るので、
          目隠し/耳栓して(一人で/一緒に)入る。など。
※物語にて入れ替わり展開があったからと言って、上記スパイスが必ずあるとは限らない。

※他の展開でも実現可能なスパイスかもしれないが、入れ替わりの上で発生しうるスパイスであり、他の場合に発生するものとは異なる。
この展開でこそ生きるものを、『(展開固有の)スパイス』と呼称する。

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●皿の移動距離(シーン)
・シーンとは、「時間経過」と「展開の連続」をまとめて指し示す。
 『展開』のみを指すのではなく、数直線上にある『点(現在)』、または『通過した点(過去)』、或いは『この先予想されるであろう展開(未来)』の2点を対象にし、その2点の間を指し示す。
・シーン範囲は、展開の始まりからリセットされるまでの展開(スパイス含む)の積み重なりの一連を指し示すとよい。
 シーンを正確に指し示すためには、あまり長期間を指すべきではない。

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【恋愛創作のモデル化について 評価】


※上記仮説を前提とした評価

●評価対象の分類
・『世界(皿)』を評価するのか、
 『展開(料理)』を評価するのか、
 『スパイス』を評価するのか、
 『キャラクター』を評価するのか、
 『シーン(移動距離)』を評価するのか、
 について評価対象が明確になる。


●王道について
 ・『世界(皿)』、『展開(料理)』、『スパイス』には、それぞれ王道が存在する。主観に依るが、王道を軸とすることにより、

好きな王道:他の創作でもよく見かけるテンプレートであり、かつそれは比較的多くの人にとって面白いから多用されるもの。自分も好き。
好きではない王道:他の創作でもよく見かけるテンプレートであり、かつそれは比較的多くの人にとって面白いから多用されるものであるが、"自分は好きではない"もの。
王道ではないと思われるが好きなもの:他の創作でもあまり類を見ないもの、または敢えて王道から逸れる事で型を破ったと考えられるもの。かつ、自分はそれを面白いと感じたもの⇒開拓。
王道ではないと思われ、好きではないもの:他の創作でもあまり類を見ないもの、または敢えて王道から逸れる事で型を破ったと考えられるもの。かつ、自分はそれを面白いと感じなかったもの。

 に分類し、評価ができる。


・王道とは、個人の主観(今まで見てきた作品)に依るものであり、明確に定義できない。よって複数人で 同意を得ることは可能であっても、複数人で全く同じ意見を持つことは不可能である。
 よって「王道である / でない」と明言する事は出来ず、正確には「王道だと思う / 思わない」と意見する事しかできない。
 また「良い王道/悪い王道」と明言することは出来ず、正確には「好きな王道 / 好きではない王道」または「王道ではないと思うが好き / 嫌い」と意見する事しか出来ない。
 他人と創作について意見を交わす場合、「どれ(世界観、キャラクター、展開、スパイス)に対するもの」であるか、また「それがどう(上記の王道関係のどの分類)であるか」について、対象を具体的にして意見交換を進めることができる。


●物語への意見
 ・意見(ここがダメだった、ここをこうすれば良かった、など問題点)が多く出てくるほど「惜しかった」ということであり、意見が多く出てくる程「面白くなる可能性を秘めていた」ということ。
 逆に、意見があまり出てこない作品は、「問題が無く素晴らしい作品」か、「問題が多過ぎて、もしくは根本的に間違っていて言及する必要性を感じない作品(修正案なし)」であるかだと感じる。
 意見が出てこない創作は、観客にとって無関心に近い位置にあり、それが作品においても観客においても最も不幸な事の1つであると感じている。


【モデルを前提とした展開の例】


●時間経過を使った展開の手法
・時間経過は、作品中の時間の流れであり、基本的に現実世界と同じく等速に流れるものである。
・これに対し、「半年後」や「5年後」など時間の流れを飛ばす展開を行う事で、物語における時間の経過を示す手法がある。
 この時、観客はキャラクターへの感情移入に成功していれば、感情移入したキャラクターと共に擬似的に時間の経過を感じることができる。
 時間が飛んだ場合、感情移入が途切れる為、観客は再度感情移入するために「その間に何があったのか、結果どうなったのか」について必死に頭を働かせる事になり、その情報収集と疲れにより精神を擦り減らす事が出来る。これを『時間経過のカタルシス』と呼称する。
※作品を通して発生する感情は、良いものであれ悪いものであれ感情移入であり、カタルシスが発生するものであるという前提の上で、時間経過手法による観客の「疲れ(精神攻撃)」は、作品への没入度を評価できるものであるという提案
・逆に「半年前」「5年前」などの過去回想は、『答え合わせ』に近いものであり、時間経過による疲れとしては少し軽い展開ではあるものの、扱いとしては同一のものと扱っても良い。
 ただし、時間巻き戻し展開は、後述の『キャラ掘り下げ』としての側面の方が強い。

●『展開』とキャラクター(登場人物)との関係について
・キャラクターとは、『名前、年齢、声、スタイル(身体、髪型)、性格など、その人物(人でなくともよい)を構成する情報の塊』を指す。
 文字列・単語として表現できるキャラクター像は、氷山の一角であり、 それはキャラクター全体におけるほんの一部分を指し示すものにしか過ぎない。
・キャラクターに対して、『展開』を『インプット』する事により、表面に現れていない様々な一面(性格)が『アウトプット』として得られる。
 『アウトプット』を得る事こそが『キャラクターの掘り下げ』である。

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・物語において明るみになっていない(観客にとって新たな)キャラクターの性格が明るみになる事が、物語における各シーンの役割(目的であるとは限らない)である。
 それらの各展開の連続(シーン)が、キャラクターにとっての物語となる。
『展開』により、キャラクターに喜怒哀楽など感情の起伏が発生する。キャラクターに対して感情移入をしていた観客は、キャラクターに感情移入したまま同様に感情の起伏が発生し、カタルシスとなる。
・興味を持った対象に対し有益な新情報が得られる事、かつ興味が無かった対象に対し共感が得られたことにより発生する感情移入が予想外であれば、強いカタルシス(喜びなど)を促すことも有る。

(例)「ギャップ萌え」は、そのキャラクターに与えられた『展開』に対する、『アウトプット』によって発生するものである。

※「そうではない」と異なるイメージを持っていたキャラクターが、アウトプットにより、氷山の一角として見せていなかった側面を垣間見ることが出来たという喜び。

 興味が無かったキャラに対して興味が湧く時は、そのキャラの性格を好きになっている可能性がある。「適切なキャラ人格モデルに対し、適切な入力と適切な出力があった(作者の技量)」と評価できる。

●チャージショット(時間経過・感情の蓄積)について
※運動エネルギーと位置エネルギーが齎す力学的エネルギーみたいな感覚の話

・作中の”時間経過のみ”によって表現できるものは、世界観・キャラクター・キャラクター同士の関係性における『不変(変わらずに在り続ける事)』、あるいは『変化(変わること)』である。
 それに対する『変化』は、基本的に『展開』によって行われるものである(前述)。
 『変化』に対し、その変化が起きるまでの間には『多くの時間』を必要とする。またその経過時間の内で起こった出来事によりキャラクター(観客も)に『感情が募る』。そうしてその後、変化が起こった時に、それまでに抑圧されて募り募った感情が一気に解放される。
 これを『チャージショット』と呼称する。
 (『喜び・悲しみベクトル』両方含む)
・『変化』の際、引き伸ばしたたパチンコ玉を打ち込む様な現象が起こる。引き延ばしたゴムが長ければ長いほどに、また玉が大きければ大きいほどに、放出された玉が持つエネルギーが大きくなる。

  【式 : 時間経過 + 感情の蓄積 = チャージショット】

 また、これこそが現実恋愛における『感情のジェットコースター』である可能性がある。
 程度の軽いチャージショットは、「ギャップ」と表現することもできる。

(仮)・「ツンデレ」の「ツン」が「デレ」へ変化するまで。
   ・滅多に頬を染めないヒロインの突然の紅潮。
   ・滅多にエロが無い作品の突然のエロ。
   ・復讐展開。
そこへ至るまでの『時間』と、『それまでに発生した出来事による感情の蓄積量』のエネルギーの大きさを評価する。



【キャラクターの要素について】


●キャラクター要素の分解

 キャラクターとは様々な要素を持っている。

 キャラクターについて考えるにあたり、それぞれの要素を別物として理解し、一旦切り離し別々に考慮し、その後再構成する事で、具体的な評価が可能なのではないかと提案する。

案1:(好きな)キャラ=『①ビジュアル』+『②キャラクターの性格』
   のそれぞれの組み合わせ

 しかし、前述のとおり『キャラクターの性格』は『展開』によって出力されるものである。
 よって、

案2:(好きな)キャラ=『①ビジュアル』+
   (『②-1 キャラ設定』+『②-2 展開』+ …『②-3 スパイス』…) 
   のそれぞれの組み合わせ

と表現する事が可能である。

 自分にとって好みのキャラクターについて考える場合、それぞれの項目の傾向を掴むことが重要となる。


●①ビジュアルの設定

・髪型(ショートヘア、ロングヘア、ポニーテールなど)
・髪色(黒、茶、黄など)
・顔面(眉毛、目、鼻、口、ホクロ、輪郭など)
・声(アニメ、CD作品のみ)
・体型(高身長、低身長、巨乳、貧乳、ヒップ、細身、ぽっちゃりなど)
・肌の色
・装飾(髪飾り、イヤリング、帽子、メガネ、持ち物など)
・服装

 など、キャラクターから視覚的に得られる情報全てについて、1つずつピックアップし、キャラクターを作成する。

※ずっとメガネだったキャラが物語後半メガネを外した、三つ編みキャラが髪を下ろした、等のギャップについては、キャラビジュアルにおけるチャージショットにあたる。『キャラ>ビジュアル>スパイス』の位置

 キャラクターの魅力を評価するに当たっては、上記の要素などから好みに当たる特徴を総合したキャラクターが、自分の好みに一番近いビジュアルである回答とすることが出来る。
 この回答について自身の中でランキング形式である程度順位付けして置くことで、今後『性格』についても 好みのキャラを特定した場合に、その原因や傾向を把握しやすく、評価するに当たって時間と労力が削減できうる。

【自分の好み】
ロングヘア好き。ショートヘアと三つ編みとデコ出しはNG。
色は何でも、強いていうなら黒・ピンク。
目が大きいと好き。まつ毛欲しい。釣り目、垂れ目、ジト目、三白眼、皆好き。細眉好き。太眉はNG。
高身長、良いバランスで手長足長好き。巨乳好き。ぽっちゃりはNG。
身体のラインが出る服好き。メガネはNG。
声優はよっぽど苦手な人でない限りはキャラへの評価基準に関わらない。


●②キャラクターの性格
・②-1 キャラ設定

 そのキャラクターに設定された情報。
 感情移入をするための補助となる基盤の情報。

・生まれた場所、親、受けた教育、成長過程での出来事、誰と触れ合って育ったか
・名前、性別、*1現在の年齢、*2現在の性格、現在の思考、性格や思考について過去と今の違い、
・行動理由、人生の目的、*3【自分・相手・秩序】の優先順位、それらそれぞれに対する根拠など。


 *1 年齢によって、ビジュアル範囲の体型・服装は異なる。
  ビジュアルは設定により大きく左右される。

 *2 穏やか、おっとり、控え目、大人しい、冷静、慎重、陽気、のんき、能天気、生意気、図太い、意地っ張り、勇敢、わんぱく、やんちゃ、せっかち、うっかりや、臆病、寂しがり、無邪気など。強気、凶暴、天然などもあり。(ポケモン参考)
 これらの組み合わせ。1つだけとは限らない

 *3正義などの話。現在正しい行いをして生きているか。
  正しくない事をしているか。
  自覚はどうか、世界と自分との間にどういう折り合いをつけているか。
  相手>秩序>自分と、秩序>相手>自分では違う

⇒許嫁、メイド、奴隷、実姉妹、義理の妹、近所のお姉さん、幼馴染、クラスメイト、ギャル、先生、常連客、店員、ボーイッシュ、同僚、上司、腹黒、魔法使い、人外、妖怪、エルフ、ロボット、アンドロイド、
などはキャラ設定。


※恋愛創作における *2性格 についての補足 、②-2 展開

(例)ツンデレの場合
 ツンデレは性格を示す代名詞となっている。
 正確には、様々な要素の組み合わせ結果の代名詞
 例えば、性格「強気」に、他にどんな要素が加わっていて、どう偏っているか。

 ・単に「強気」であるなら、
  相手に好意を持った際に、正直に好意的にガンガン進む事も可能。

 ・「意地っ張り」を持った「強気」なら、当初の主人公への印象(主人公嫌い、格下など)により、それなりの対応(罵声、暴力)をしてきたが、現在はその印象は変化しており、けれど今更優しい対応をするというのも自分のプライドが許さないなどの理由により正直になれない場合。また、対応を変える気は無く、現状のままで好きになってもらおうとする場合もある。(素直にはなれないけれど本心に気付いて欲しい)

 ・「臆病」を持った「強気」なら、弱さを隠すために強気を装って生きてきた可能性がある。その為、強気キャラでありながら嫌われるのを恐れて現状維持し、正直になれない場合。優しくできない為、もう既に嫌われているのではないかという可能性も視野に入れている。

 ⇒組み合わせは「キャラ設定」、その後の対応については「展開」。「ツン期」、「ツンデレ期」、「デレ期」の3フェーズが存在する。
『今更、仲良くしたいけど出来ない。素直になれない』、そのジレンマがあるからこそ「べ、べつにあんたの為じゃないんだからね!」という台詞が「ツンデレ」になりうる。
「デレ期」についてはアフター範囲。
 要はツンデレは、主人公への初期対応の誤り。『今更、素直になれない』の対応の結果。

クーデレは、ツンデレの「強気」部分が、要素「冷静」などに変わっているという評価で説明が付けられるかどうか、などについて思考する。


また、キャラクターの性格については、エニアグラムの記事が大変勉強になりましたのでお勧めです。



●②-2 好みの展開 ②-3スパイスの分類

※個人的にかなり重要視している要素。この要素について話をすることが多い。

好きなインプット(展開・スパイス)について語る際の前提

・ビジュアルと性格設定が完了したキャラクターに、どういったインプットが行われているか。そして、それによる「インプットからアウトプットまで」の、その一連についての評価

・作中で行われるインプット(展開・スパイス)は、その作品の中でそのキャラ固有のものである。
 よって、評価の際はキャラと展開・スパイスがセットとなる場合がある。

という前提の下、以下の2種類の観点で評価する。

・好きな展開・スパイス 分類1:作者が意図して描いた展開・スパイスであり、読者にとって理想通りまたは予想外の展開・スパイスであり、その上で起こったカタルシスの中で個人的に好感度の高いもの。作中展開・スパイスそのものを指す。(作中史実)
好きな展開・スパイス 分類2:作者の意図に関わらず、今後読者にって理想的な展開・スパイスを引き起こす可能性の高いもの。作中展開そのものから、そこから引き起こされる先の展開・スパイスの妄想まで。実際の作中で展開が不可能なものも含む。(展開予想、脳内補完、二次創作)
 ※分類2は展開予想(展開2⇒展開1への期待)を含む。

 要は、分類1は作品そのものへの評価であり、分類2は現状作品には存在していない要素を含めた作品の可能性に対しての評価となる。
 2つの分類とその評価方法は全く異なるものであるが、分類2の手法では観客のカタルシスを発生するに十分たる下地(世界観・キャラ・積み重なっている展開)が完成している現状の作品への評価が可能であり、一応「展開の観点による評価」に現状含ませている。
 また、分類2の展開が、今後の展開として実際に叶えられ展開1となった場合の幸福度についても、観客が願って止まないものであるため、この2つの分類に関連はあるものとして考える。

 ただし、評価の際は分類がどちらの話であるかを明示する必要がある。


上記に対しての例

(例1)「TVアニメ ウマ娘」において、普段はクールでおしとやかな「ウマ娘 サイレンススズカ」へ「全力で走っていたため坂道で止まれず、海へ突っ込む展開」を与えた場合(インプット)、その場合におけるサイレンススズカの反応・対応(アウトプット)。
⇒普段は見られないギャグ顔、犬神家のような失敗姿が得られた。
⇒ギャグ展開によるシリアスブレイク・キャラ崩壊
(例2)「ウマ娘 プリティーダービー」において、普段は走る事しか考えていない「ウマ娘 サイレンススズカ」へ「トレーナーの死」を突き付けた場合(インプット)、その場合におけるサイレンススズカの反応・対応(アウトプット)。
⇒周りから見て普段と変わらない? タイムが落ちる? 練習時間を無視して走る回数とその時間が増える? 以前よりも走る事に集中できない? その後のレースで1着だった時の先頭の景色、以前と違う? 走るのが楽しくない? 夜は眠れない?
⇒全部Yesだとうれしい。

⇒以上のように、『公式創作上における展開』と、『~の場合、~しそう。という二次創作妄想展開』の2パターンの展開がある。

 後者は全く純粋な評価方法ではないが、「~しそう」というキャラクター造形自体と、それを想像可能とするところまで下地が整えられている公式への評価。そんな感じになりそうなサイレンススズカが好きで、そもそもそういうことを考えされてくれるウマ娘が好きで、もしも今後、夢オチでも、スズカへのドッキリでこれに似た展開を見せてくれたら(分類1へ)、感極まって喜び、発狂してしまうと思われる。

 作品の好みは人それぞれで、好み方?も人それぞれとなる。後者の好み方は、万人が行う方法ではない可能性がある。
 であるが、私は前者と比較して、後者で考えに浸る方が多い。

 ※以前に友人と6時間ほど五等分の花嫁の話をしていた際、
 互いに好きなキャラの話をしていた時に、友人は作中のこのキャラのこういうところが好きという話をしていたけれど、
 私は「あそこであの態度を取ったあのキャラは、主人公と観客へヘイトを貯めているので、後で報い(質の良いチャージショット)を得られる素質がある」とか、「他ヒロインが、主人公の結婚式に参加した場合、結婚できなかったあのヒロインの反応が一番可愛いと思う」という話をしていて、観点が違うのだなと思うなどした。


● 好みの展開・スパイスの分類をもとにした作品の楽しみ方の分類
 今まで話をしてきた人の評価方法の一例。個人的解釈。

・友人タイプ(多分?)
 作品本来の味を噛み締める評価方法。
 想像の余地がある点、疑問点については作品と矛盾がない範囲で考察し、作品史実としての基盤、作品自体の輪郭を強固にする。
 基本的に作品内における要素(キャラや心情や展開)については基本的に抵抗無く素直に受け入れる。

・自分タイプ
 作品を楽しむにあたり、各展開・スパイスに対して、「これが理想的な展開・スパイスである」か、それとも「(過去に見た作品から)もっと理想的な展開・スパイスはあるか」について思考する。
 これを基準とし、作品が「理想的な素晴らしい作品である」か、「理想とは少し違った作品である」かを評価する。

 後者は欠点としてだけの解釈ではなく、「理想とどれだけ違ったか」が重要であり、どちらかと言えば「どれだけ理想に近かったか」という評価基準となる。

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 つまるところ、おおまかには「理想」か、「理想に近い・惜しい」か、「外れ(減点、欠点)」か、に分類できる。
 「理想」が選ばれる事は珍しい。それは「望んだ通りの展開が行われた場合」か、「作品に触れている最中に新たに開拓されたその展開こそが『理想』となった場合」か、となる。
 理想をなぞらない場合は、基本的に「近い・惜しい」に落ち着く。

 これは作品の咀嚼方法であり、自身の中での落とし込み方である。
 自身が理想とする『最高の物語』があった場合、それとどれだけ近いかを位置付ける事により、その作品群の位置を利用して『最高の物語』の輪郭を形成できる。
 そして見た作品自体が、今後に「自分はこの展開・スパイスが好きだ」、「自分ならこういう展開・スパイスにする」という『最高の物語』を語る材料となる。(人によってはこれがノイズとなる)
 自分は「作品を語るだけではなく、作品を通して『自分』を語る」タイプ。

「第2章 恋愛創作について②」へ続きます


コーラを飲ませていただきたい。コカの。