日記2024/04/28「ただ見つめていたい」

・今日は天気が良すぎて(たぶん)めちゃくちゃ日焼けをした。 日焼けってよく分かっていないが良くないらしいのでしたくない。けれど家を出てピンカンの太陽に照らされて暑さを感じるまで、この世には太陽があるということも紫外線が放たれ肌を焼くということも完全に忘れているため日焼け止めを塗るのは至難の業だ。がんばれよ。

・これは関係ない話だが、美容に詳しい(らしい)人ってやたらと「日焼けって要するに軽度の火傷なんですよ!」って言う。これしか言わない。私はこれがいったいぜんたい何を言えているのかよく分からないが、まぁ日焼けというのは大したことだというようなことを言いたいのだろうがなんというか芯を食っていないというかかったるいよな。日焼けだって重度だったらまずいし、火傷だって軽かったらほっとくだろ。

・こうやって意識が高いような発言に対して揚げ足をとり、梯子を外してニヤニヤしてしまうのは悪い癖だが、私はこうでないと物を考えられないのだから仕方がない。何より愉快だ。

・オーディブルで読んでいた「黄色い家」を読み終わった。私は作者川上未映子の「夏物語」がかなり好きなのだが、今作もまぁ面白かった。よく「男の貧困はホームレスまで落ちるが、女の貧困は所詮売春くらいなもので限界がある」みたい言説がミソジニー的な文脈で語られるが、今作はそんな大枠で括った曖昧なものではない、じめっとした質感のある「女の貧困」が描かれていた。

・占いに執着したり、共同体に執着したり、そうして愛着と執着が分からなくなる。それでも彼女たちには生産手段がない。マルクスは、資本家は生産手段を独占していて、労働階級は生産手段を回すための手足として搾取されるといったが、彼女たちは真っ当な手足として働く間口すらない。かといってヤクザ的な暴力とは少し遠く、代わりに近くにあるのは水商売。白寄りのグレーみたいなたまり場が広く用意されて(しまって?)いる。

・そういった地獄がある、しかし地獄にも確かに花は咲いているという話だった。私はそう言った物語を、嫌悪でも憐憫でもなくただ見つめていたいと思った。当事者にもなれず手を差し伸べることもできないのなら、せめてただ在る様に見つめていたいと思った。

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