パピコのキウイ味が消えた
パピコのキウイ味が消えた。タイトルにもあるようにコンビニやスーパーなどから跡形もなく消えたのだ。一、二ヶ月ほど前から毎日のように貪り食っていたものがいつの間にやら消えていたことは自分の心を少なからず動揺させた。それと同時に怒りが湧いた。「なぜキウイ味は期間限定なのか」と「通常のフレーバーに加えてもいいんじゃないか」と。
キウイ味はそこまでマイナーな味ではないはずだ。仙人の果実と呼ばれる桃のような神秘的な要素があるわけではなく、ごく普通の果実として、それこそ現代では朝食の代わりとして食べられたりしている一般的な果実と言っていいのに何故かフレーバーとしての採用率は低い。
確かにリンゴやバナナなどに比べたら知名度は低いかもしれない。果物をアイドルに例えるとするならリンゴ、ミカン、バナナなどはセンターやリーダー的ポジションに収まるくらいの実力を備えているのかもしれない。けど別にキウイだって選抜メンバー入りするくらいの人気はあるでしょうよ。ドラゴンフルーツやあけびに比べればキウイは人気でしょうよ。
少なくとも自分の中ではキウイは最推しなのだ。だからこそパピコのキウイ味を頻繁に購入していたのだ。多分毎日のように買いすぎたせいで店員から「キウイの人」と思われていたのかもしれないがそれでも構わないと言えるほどに好きなのだ。
しかし無情にもキウイ味は消えた。あのパピコのシャリシャリとした食感に絡みつくようなキウイの果肉のアクセントを味わうことはできなくなった。
思い返せばキウイ味を失ったのはこれで二度目になる。5年ほど前、7、8月の夏休みの時期クーリッシュにキウイスムージー味なるものがあった。中学生だった当時から自分はキウイが好きだったためそれはもう毎日馬鹿みたいに食ってた。口をひょっとこみたいに窄めて樹液を吸うかのようにチュウチュウチュウチュウ吸っていた。
誇張抜きで毎日のように食べていたのでその夏の思い出には必ずキウイスムージー味のクーリッシュが付き纏う。もはや家族公認の彼氏彼女の関係とでも形容してもいいんじゃないかと思えるほどにその頃の日々の生活にひっついていた。
しかしながらキウイスムージーは消えた。無情にも消えていた。彼女と過ごした期間はあまりにも短かった。そして今年、自分は推しを失った。キウイは二度殺されたのだ。
あの夏の彼女が消えて戻ってこなかったように、今年出会った推しも戻ってくることはないのかもしれない。それでもやはりソーダ味のガリガリ君ではキウイ味の代替品としては厳しいのでパピコのキウイ味だけでも早く戻ってきてくれないかとそう願っている。