バーリン『二つの自由概念』① 10/11,18(水) 学部ゼミ
2024/11/20更新
バーリンの主張 要約
・フィヒテへの批判は当たらないんじゃないか
時代背景
・東西冷戦時代:自由主義(消極的自由)vs共産主義(積極的自由)
・バーリンの論的:共産主義
・共産主義も自由主義も「自由」を標榜して争っていた
=「自由」のもつ意味が2つあった
→「自由」という意味が2つあるのに、同じ言葉を使って東西が争っているから、一回「自由」について整理しようとした
西側諸国:消極的自由のことを自由としていた
・西側諸国では積極的自由が保障されていた
東側諸国:積極的自由のことを自由としていた
冒頭
・マルクス主義への批判
1節〜4節
・積極的自由の怖さ(文句)
5節〜最後
・積極的自由の怖さ(文句)
*積極的自由のメリットは認めるけどね…
ミルの混同(p.313)
🌟ミルの自由に関する理論は、危害原理の考え方と徳の涵養という考え方がごちゃごちゃになっているのでは?というバーリンの指摘
・危害原理:
・徳の涵養:全人類に資する(社会の発展につながる)から個人の自由が必要
2. 積極的自由について
ex.) 選挙に行くこと, 法律をつくること, 生徒会に参加
・民主主義社会の中で、積極的自由と無縁だということはあり得ない
・市役所の人たちなどは大きく関わってくる
=「自分の生活が統制される過程に参画する」こと
しかし、積極的自由が暴走することがあり、その過程で(強制的に暴力的に)自己否定が起こり得る
例:あさま山荘事件
→ 積極的自由が暴走しないために、消極的自由がある
立憲主義
・多数派によってでさえも、犯されない権利を定める
フランス革命時にパリとベルリンどちらにいた方がいい?
パリ:
・統治者がいない
・無秩序
・いつ逮捕されるかわからない
ベルリン:
・(優れた)統治者がいる
→ベルリンにいた方がいい!
古代の自由と近代の自由の違い
古代の自由
🌟 積極的自由「〜への自由」=人格の完成(共和主義)
・人生が終わるまで日々「perfection(完成)」に向けて努力する
=人格の完成は終わらない
・市民共同体に参加する
・市民(=成人男性や、ある程度金持ち)が市民権を持っている
・個人(の自由)という発想が薄い
「人びとのためにアテナイがあるのではない。アテナイのために人びとがある。」
近代の自由
🌟 消極的自由「〜からの自由」
・国家の専制から、いかに個人の自由を守るのか?という点に焦点を合わせている