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好きじゃないとできない

今季の全日本フィギュアスケート選手権では注目していた選手がいる。それは、織田信成選手。彼は、2005年から本格的にシニア参戦、バンクーバー五輪では7位に入賞し、2013年に引退した。

だが、2022年に競技復帰。今季、2024年の全日本では見事4位に入賞。若手の挑戦の場を邪魔したくないということで世界選手権や四大陸選手権には辞退を申し出ているため、今度こそ引退ということになるだろう。

私が関心を持ったのは、これまでの彼の経歴や競技の中でのトラブルだ。彼は、競技中に靴ひもが切れる、ジャンプに失敗し得点に加算されないジャンプをしてしまう、酒気帯び運転での略式起訴。果てには関西大学スケート部監督就任後も他コーチとのトラブルで裁判になるなど、波乱万丈としか言えない人生を送っている。

それでも競技復帰。2年ほどではあるが、若い選手に負けない活躍を見せた。年齢は私と同じ37歳だ。こんなにもフィギュアスケートに振り回されながら、フィギュアスケートを愛し、その情熱をスケートリンクで表現した。本当に好きでないとできないことだなと思った。

全日本選手権の会場では、沢山の彼の横断幕が踊っていた。この年齢で彼の事情を知りつつも、まだファンは数え切れないほどだ。記録より記憶に残る選手、というのは彼のような人を言うのだろう。

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hanasoraen
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