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tonarinomayu
ノーベル賞、知っていますか
毎年12月のこの時期になると様々な表彰式がある。その中のひとつがノーベル賞だ。生理学・医学賞、物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞から成る(経済学賞はノーベル賞ではない)。だが、そのノーベル賞の成り立ちを詳しく知っている人はノーベル賞の知名度の割には少ないのではないかと思う。
そもそも、ノーベルというのは「アルフレッド・ノーベル」という発明家の名前だ。一番の発明はダイナマイトで、ダイナマイトは建築・鉱山開発に欠かせなくなったと言っても過言ではない。ノーベルはダイナマイトを様々な所で売ることで巨万の富を築いた。
しかし、そのダイナマイトは戦争に使われた。当時、ノーベルは新しい軍事力としてダイナマイトを売り込んでいたのは確かだが、それは抑止力としてのダイナマイトだった。一瞬で人々の命を奪う恐ろしい道具があれば、その恐怖から戦争を止められるのではないかと考えていたことが友人との会話で判明している。実際はダイナマイトも、それよりも恐ろしい原子爆弾すら人間は戦争に使ってしまったことは言うまでもない。
その後、ノーベルは意外な形で自分の評価を知る。兄が亡くなった時に、それをアルフレッド・ノーベル自身の死だと勘違いしたメディアが「死の商人、死す」といった形で新聞に掲載したのだ。最終的にノーベルは遺言として、「世界に貢献した人に賞をあげるために自分の遺産を使って欲しい」と遺した。それが現在のノーベル賞だ。
そして、ノーベル賞には平和賞がある。よくよく考えてみると、物理学や医学に比べ、「平和」という概念的なものに賞を与えるというのは他の賞と比較して難しい。だが、わざわざ平和賞を作ったことにノーベルのダイナマイトに対する後悔があるのではないかと思う。
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