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ふつうのかあちゃんが博士課程に進むまで⑨
なかなか、博士課程に進まないかあちゃん。
研究どころか、婚活に励んでしまう。
イギリスから戻った私は、当時、始まったばかりのマッチングアプリに登録。
とにかく、結婚相手を見つけなくては、私が私でなくなってしまうという切羽詰まった状態だったので、
毎日のように、アプリで出会った人、
合コンのミルフィーユ状態で、アルバイト後を過ごしていた。
が、なかなか、結婚までは簡単に行かないどころか、
誰か私を選ぶ人はおらんかねー、
の、ナマハゲ状態だったから、
みんな、たぶん、怖くて、近寄ってくれなかったんだと思う。
メイク、ファッション、バイブルは『小悪魔女子』の蝶々さんの本で、
どう考えても、
三度の飯より本が好き、な私が、
小悪魔女子に上っ面だけなっても、
デートしたところで、疲れ果ててしまい、
もう、婚活、早くやめたい、
と、結婚はスタートだというのに、
ゴールテープを切ったら、倒れ込みたい!
という勢いでしかなかった。
また、『選ばれる』病に、落ち入り、呼吸困難になっていた。
そんな時、バイトをぶらぶらの私に、3か月だけ、産休代用で社会科を教えませんか?
と、オファーがきた。
婚活では、劣等生だが、社会科講師としてなら、ニーズがある。
もしかしたら、赴任先の学校で、出会いがあるかも、と、希望もある。
私は、久しぶりに、高校生の歴史教師として復帰をした。
婚活のためにも、15時には終わる学校のアルバイトは好ましい。
27歳の私は、全く気づいていなかった。
自分は婚活ではなく、10歳からの歴史教師になる夢を捨てるな、
と神様からのcallingが、常にあることに、
気づいていなかった。
それだけ、
結婚をしていない自分が、人から愛されない孤独な人間だ
という思いでいっぱいだったのだ。
私の人生は、
常に、
スタンダードでなければ人であらず、
という
自分ではなく世間の目が優先であった。
だが、神様は、どこまでも、私に追求してくる?
あなた、本当に、それでいいの?
その学校に赴任したことが、
20年後の47歳、博士課程入学に、つながっていくことになる。
あと、20年、まだまだ、だ!