ペラッペラ人生:プレステージ
花岡です。
プレステージと聞いてAVメーカーではなく、baseよしもとで行われていたオーディションライブだと思った方は、なかなか古時代からのお笑いファンでございますね。
今の漫才劇場が、若手の登竜門的な劇場ですが、かつては5up劇場でして。そしてその前はbaseよしもとという歴史ある舞台が若手の劇場でした。今も卒業生がテレビで大活躍しているようなお笑いの猛者たちが集まる劇場でした。
そんなbaseよしもと所属芸人になるには過酷なオーディションバトルを勝ち抜かなくてはなりませんでした。そして劇場のシステムもコロコロ変わりまして、オーディションの名前も、僕がお笑いやってる期間だけでプレステージ、ビーサンバトル、プレステージ、Tryワラビー4回変わりました。
今日のnoteはこの1回目のプレステージのお話です。
専門学校1年生から2年生にあがった僕たちは、進級講演を見に来ていたイベント会社の作家さんに声をかけていただき、学内イベントだけではなく外のライブにも出ていくようになる。営業や、キタイ花んなどなど。
正直そこまでドカドカウケていたイメージもなく、ややウケを繰り返すコンビとなっていた僕らは、いろんなイベントの中間くらいの順位をとるようになってました。(例えたら2軍では1位、1軍で最下位みたいな感じ)
ウケるネタをたくさん作るために組んだコンビでこの結果はかなりしょっぱいですが、実力がないんだといろんな漫才をみて、出来るだけ外のライブに出て知り合いの芸人さんを増やしてインディーズライブで修業しようと芸人が集まる場所を探した。
吉本笑店街というところでバイトもした。すぐにつぶれたけど。
そこでNSCを卒業したての同期とも友達になった。
そんな感じで2年生になってから外のライブに出るようになりました。
出始めはやっぱり、学内ライブとは違って、ウケない!
そのために割とたくさん頑張ってネタを作って、ネタ合わせに来ないあつしにイライラしながら、ゲロ吐きそうになりながら、外のライブに出てました。
運がよかったのは、初めて出た外のライブでお客さんが3人くらいついてくれたこと。
応援してくれる人が出来たことですかね。
当時あったホームページ作れるサイト、魔法のiランドってサイトで、僕らコンビのファンサイトとか作ってくれたり、見た目やキャッチ―なネタを意識してやっていたため、その点では狙い通りって感じでした。
今どうしてるのかなぁ。当時19歳の僕で、その子たちが当時高校生でしょ。もう30オーバーか。元気にしているかなぁ笑
そんな感じでお客さん投票制のライブではちょうど真ん中くらいをとれるようになってました。
そんなか4月からチャレンジしたプレステージ。
プレステージはネタ時間2分でダメだと思われたら容赦なくダメBGMが流れてネタの途中でも強制終了となる。
当時のプレステージはそれはもう過酷で、てんどん(同じボケの繰り返し)をすると不合格、最初のボケまで長いと不合格などなど色んな明言されていないルールがあり、2分ネタをやり切れば合格まであと少し!ネタやり切ったことさえ誇りになるような過酷さでした。
漫才ばっかりやってた僕らの1回目のプレステージはまさかの新ネタで初めてやるコントでした。結果は不合格で1分くらいで落ちました。
たしか、農夫とめっちゃデカい芋虫のコントをやったような気がするんですが、ダメ出しに並んで意見を聞いたときに『もっと農夫と喋るキャベツのやり取りでキャベツらしさがあった方がよかった』と言われ、根本的に伝わってなくて絶望しました。
次の月は漫才で挑戦するも不合格、その次の6月は学内イベントでまぁまぁウケたネタで挑戦し、そこそこウケるもてんどんをしてしまい、その瞬間に落ち。
なかなか壁は厚かったですね。ただ僕らも絶対に受かってやる!みたいな気持ちってきっとそこまでなくて、受かればパラダイスやなぁ程度の気持ちで受けに行ってたと思う。
毎月あるんやし、挑戦しない理由がないっていうだけで、とりあえずネタ作って、磨いて2分に削って、で、受けて、何分できた~っつって喜んで。
若い時は大体そんな感じなんだろうけど、そこでもっと命注いでたらまた違ったものになっていたかもしれないね、と35にして思う。
そして、次の月で不合格でしたが初めて『もうええわ』を言えました。
『もうええわ』っていうた瞬間、間髪入れずに不合格音が鳴ったので、迷うことなく不合格だったんでしょうが、やっぱり最後まで行ったって事実はすごくうれしかった。相方も喜んでいたように思う。
そして、夏休み、みんなが実家に帰ってる中、インディーズライブがあるし、実家には帰らず、ネタ書いたり学校がないだけで普段通り過ごしていると同期の芸人から
『baseの支配人が変わってシステムも同時に変わるから、次のプレステージで一旦オーディション最後らしいで』と聞いた。
次が最後のプレステージ。聞くところによるとその次のシステムはお客さんなしの、作家さんと支配人にネタを見せて判断してもらう形式に変わるみたいで。
作家ウケはとにかく悪い。お客さんの前でなければやばい。
そう思ってイライラしながらも一生懸命ネタ合わせした。先輩に聞いたり、先生にメールしてアドバイスもらったり、とにかくいつも以上に気合を入れた。
そして最後のプレステージ当日である。
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